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ルキは天使なのに偉そうな喋り方だし。
今までつっこんだことはなかったけど、パキネがたまに語尾につける「○○なんよ」ってあのどこかの方言みたいな喋り方といい、霊ってなんでみんな独特な喋り方なのはなんでなんだ?
すぐに鞄の内ポケットからハンカチを取り出した。
「レナちゃん返すの遅れてごめん。血の汚れがなかなか落ちなくて、クリーニング屋に持ってったら、こんなに返すの遅くなっちゃって。しかも、まだよく見ると薄っすら残っちゃって」
「あんたの血のせいか!」
 付喪神がハンカチに飛び移った。十二センチくらいなのに六十センチくらい飛んだ。羽はないけど本当にティンカーベルみたいだ。
「あーあーあー。持ち主以外の血が付くと分離されちゃうんだよねぇ!マジでやってくれたな!ウチ行くとこなくなったんだけど!」
「どういうことかしら?」
 レナちゃんの手のひらに乗った付喪神のもっちゃんは脚を延ばし、腕を組んで不貞腐れていた。
「持ち主以外の人間とか動物とかの血が付くと、付喪契約が解除されて、宿ってた物と付喪神が分離して、ウチはただの家無し付喪神になっちゃうんだよねー。マジ最悪」
「そうなるとどうしたらいいのかしら?」
「血を付けた人間の大切なものに憑りつくしかない」
 マジか。
 俺が、なんか面倒なことになりそうだなぁなんて思っていたら、レナちゃんが手のひらのもっちゃんに寂しそうに話しかけていた。
「寂しいわ。このハンカチには何か特別なものを感じていたけど、あなただったのね」
「まぁ、そういう感じ?寂しいって言われても、血がついたものに物には二度と憑りつけないし、血の持ち主の持ち物にしか次は憑りつけないもん」
「そうなの……残念だわ。でも、ブンくんの何かに憑りついてその何かを私がもらうことは可能かしら?」
「そりゃ、出来るけど、なんでそこまでしてウチと一緒にいたいわけ?」
「あいにく、守護霊がちょっとポンコツで、あなたがそばにいてくれると嬉しいなって思ったんだけど、ダメかしら?」
 ルキが「え?」って言ったけど、誰も何も言わなかった。
「ブンくん申し訳ないけど、もっちゃんが憑りつけそうな何か大切なものはないかしら?それから、それを譲ってもらうことは可能かしら?」
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