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「やっぱりおかしいんよ。こんなの厄日じゃ済まされない」
「どういうこと?」
「この高校やっぱり変なんよ。私が起こせないような命にかかわる危険なことばっか。しかも私が守り切れないなんて変、予知すら出来ないんよ」
 パキネは自分に不甲斐なさを感じているような表情をしていた。目を瞑り、悔しそうに唇を嚙みしめていた。
「俺に、悪霊がとりついているってことはありえない?」
「ありえない。悪霊はあたし全部みえてるんよ。疫病神がとりついてるブンに。わざわざ悪霊たちだって、とりつこうとはしないもんなんよ」
「でも、パキネより、っていうか疫病神以上に不幸を起こせる奴っているのか?」
 パキネが最悪のひらめきをした表情で、息を飲んだ。
「この世に七体いる……私より厄介な神が」
 一人で納得するパキネは大切なことを呟いた。
「七体って、七福神?」
「その逆」
「逆?」
「きっとこの高校、邪神がいるんよ!」
 聞き覚え名のない単語だった。
「じゃ、しん?」
 パキネは座ったまま、話を続けた。
「元は厄をもたらす神だから、疫病神とも血縁が濃いんだけど、邪神は神といえど、妖怪みたいなもので、今のところ現世には、この世に七体しかいないって言われている化け物なんよ」
「そんな化け物がなんで俺を襲うんだよ」
「現代では邪神は疫病神の天敵なんよ。邪神は自らの能力を高めるのに私みたいな疫病神とか貧乏神とか破壊神とか災いを呼ぶような神を食べて吸収して成長していくんよ」
「じゃあ狙いは俺じゃなくてパキネ?」
 パキネがやったと立ち上がって、スカートの中が見えた。ピンクだったのが意外で、一瞬、邪神のことなんかどうだってよくなったけど、パキネは話しを続けた。
「そうとも言えるけど、結局の狙いはブンなんよ。ブンを亡き者にすれば、私はまた霊界に帰ることになるんだけど、ブンがもし死ぬようなことになったら、セーブしていた本来の膨大な霊力をもつあたしのことを、そのタイミングで多分吸収したいんよ」
「吸収って、どうなるの?」
 俺も立ち上がって、ズボンの裾に着いたホコリをはらった。先生が階段の上から「大丈夫か?」と声をかけてくれたので「平気です」と答えたら、ぶつかった二人が「ホントゴメン」と言って頭を下げてくれた。
「で、吸収ってされるとどうなるの?」
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