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 先生の自己紹介に始まり、高校受験で使われた問題の復習みたいな授業ばかりで、まだ高校生の授業に入るまでの準備みたいな授業をきき流しつつも、やっぱり先生から指されるのは俺が一番多かった。角の席四か所は、本当に先生に指されやすいから嫌いだけど、僕の席はだいたいいつも角席だった。これだってパキネのせいだ。くじ運うんぬんよりパキネの悪戯の方が影響力があるのだ。
 俺は入学初日から、色々目立ちすぎているし、クラスの誰もが俺の学力に興味津々という感じだった。
「Xイコール七分の三です」
「正解」
 馬鹿だとは思われたくないから、俺は家に帰ってから結構勉強する癖がついているし、中学の時から通っている塾にも週一回だが、いまだに通っている。
 ただ、俺が正解を答えるたびに、パキネの隣に立っているレナちゃんの守護霊が「フン!」と、俺を馬鹿にするように鼻を鳴らすと、すかさずレナちゃんが「ルキ。失礼よ」と声を出さず脳に直接話しかけ、たしなめた。
 すると、ルキは子犬のようにしょんぼりとショックを受けていて、おもしろいなと、思ってしまう自分がいた。
「でも、俺だってこれくらいの問題、簡単に解ける!」
 ルキが言い返すと、またレナちゃんはルキを困ったなぁって感じの顔で「授業中はうるさくしないでちょうだい」と、またルキを叱った。
 そんなルキを横にいるパキネは「ヒヒヒっ!怒られてやんの!」と煽る。
「パキネも大人しくしてろ。お前は九九も言えないんだから」
 俺もパキネを叱った。
 すると、ムッとしながら「フン!」と言うんだから、ルキもパキネも子供っぽいなと思ってしまうことが多かった。
 ルキが勉強できる理由は知らないけど、パキネは俺が小学校に入った時には、隣で授業をきいていたんだから、勉強が出来てもよさそうなものだけど、勉強はあまりというか、嫌いみたいで、授業中は教室をうろうろしたり、窓の外を眺めていることが多かった。
 春の暖かい風が窓からゆっくり入ってきて、パキネの髪を小さく揺らしていて、ボーっとしているだけで、絵になるというか、相変わらずビジュアルだけは良いんだよな。なんて思った。
けど、ちょっと、レナちゃんに視線を向けると、レナちゃんが長い髪を耳にかけているところを見てしまった。ただ、それだけのしぐさなのに、綺麗だなって思った。
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