20 / 66
20
しおりを挟む
部活見学に片っ端から行ってみよう。そんな風に思って、まずは中学でもやっていたサッカー部に見学に行こうと思っていたら、予想外なことが起きた。
「ブンくん。一緒に部活見学まわらない?」
レナちゃんがそんなことを言ってきた。
「俺、サッカー部に行こうかなって思ってたんだけど……」
「うん。いいよサッカー部マネージャー募集してたし」
マネージャー。そういってくれた時、それじゃ申し訳ないなって思った。だって、多分レナちゃんはきっとサポート役じゃなくて主役級のレギュラーになれるタイプだと思う。きっと、どんな部活でも結果を残せるような人だ。二流っていっても俺と違って、守護霊に天使がついているんだ。どんなことも上手くやれそうな気がする。
「レナちゃんは、興味ある部活ないの?」
「そうねぇ……弓道は両親がやっていて、私もやることがあるから、どのくらいの設備とどんな人たちの集まりか、雰囲気はみたいわ」
「じゃあ、そっち先に行こう。別に俺、サッカーが凄く好きってわけじゃないんだ」
「そう?じゃあ、弓道部、行ってみましょうか」
二人で廊下を歩いていると、ずごく視線を感じた。一年生で一番美人な女子と、入学当日にニュースになったスタントマン高校生が歩いているんだから仕方がないかと、諦めていたら、横にいるパキネは不機嫌そうな顔をしていた。
でも、俺らの二歩前を歩く白いスーツの天使が両腕を広げて、レナちゃんを露骨に守ろうとしている姿を見たら、なんだかパキネのヤキモチの方がずっと可愛く思えた。
ん?パキネはヤキモチを焼いているのか?そう言えばなんで今、パキネは不機嫌なんだ?
「パキネ、どうした?」
「なんよ?」
「なんでそんな不機嫌そうなんだよ」
「だって、ブンが誰かと行動するって、変じゃん」
「変って、どこが?」
「別に。ただ今まではあたしがいれば別に誰も友達なんかいなくたって平気だったのにさ、高校デビュー順調すぎない?」
「何言ってんだよ。さっきガラスの破片で頬っぺたにこんなデカいガーゼ貼ってんだぞ?」
「そうなんだけど、そういうんじゃないんよ」
校舎裏の弓道場に着き、靴を脱いで、靴下で道場の片隅で、袴姿の女子八人と男子五人が土壁に埋め込まれた的に向かって、矢を打ち込んでいた。
「ブンくん。一緒に部活見学まわらない?」
レナちゃんがそんなことを言ってきた。
「俺、サッカー部に行こうかなって思ってたんだけど……」
「うん。いいよサッカー部マネージャー募集してたし」
マネージャー。そういってくれた時、それじゃ申し訳ないなって思った。だって、多分レナちゃんはきっとサポート役じゃなくて主役級のレギュラーになれるタイプだと思う。きっと、どんな部活でも結果を残せるような人だ。二流っていっても俺と違って、守護霊に天使がついているんだ。どんなことも上手くやれそうな気がする。
「レナちゃんは、興味ある部活ないの?」
「そうねぇ……弓道は両親がやっていて、私もやることがあるから、どのくらいの設備とどんな人たちの集まりか、雰囲気はみたいわ」
「じゃあ、そっち先に行こう。別に俺、サッカーが凄く好きってわけじゃないんだ」
「そう?じゃあ、弓道部、行ってみましょうか」
二人で廊下を歩いていると、ずごく視線を感じた。一年生で一番美人な女子と、入学当日にニュースになったスタントマン高校生が歩いているんだから仕方がないかと、諦めていたら、横にいるパキネは不機嫌そうな顔をしていた。
でも、俺らの二歩前を歩く白いスーツの天使が両腕を広げて、レナちゃんを露骨に守ろうとしている姿を見たら、なんだかパキネのヤキモチの方がずっと可愛く思えた。
ん?パキネはヤキモチを焼いているのか?そう言えばなんで今、パキネは不機嫌なんだ?
「パキネ、どうした?」
「なんよ?」
「なんでそんな不機嫌そうなんだよ」
「だって、ブンが誰かと行動するって、変じゃん」
「変って、どこが?」
「別に。ただ今まではあたしがいれば別に誰も友達なんかいなくたって平気だったのにさ、高校デビュー順調すぎない?」
「何言ってんだよ。さっきガラスの破片で頬っぺたにこんなデカいガーゼ貼ってんだぞ?」
「そうなんだけど、そういうんじゃないんよ」
校舎裏の弓道場に着き、靴を脱いで、靴下で道場の片隅で、袴姿の女子八人と男子五人が土壁に埋め込まれた的に向かって、矢を打ち込んでいた。
0
毎日投稿をこころがけ、一月中に完結させて!キャラ文芸大賞がとれるように頑張ります!男性向けとしていますが、女性も楽しめる内容になっています!一巻分では二体の邪神を倒し、最終的には七体の邪神を全部倒しながら、恋愛ファンタジーとして長編小説となります。書籍化、コミカライズ化、メディアミックス大歓迎です!応援よろしくお願いします!
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私たちのひな祭り
転生新語
キャラ文芸
私は語学学校で英語を教えていて、ジョディは同僚のアメリカ人女性だ。三月になって、仲良くなった私たちは昼休み、ひな祭りについて語り合った⋯⋯
「ひなまつり」というお題で書いています。
カクヨム、小説家になろうに投稿しました。
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16818622170379490147
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n1540ke/
SM女王様とパパラッチ/どキンキーな仲間達の冒険物語 Paparazzi killing demons
二市アキラ(フタツシ アキラ)
キャラ文芸
SM女王様とパパラッチ/どキンキーな仲間達の冒険物語(Paparazzi killing demons)。
霊能のある若手カメラマンと、姉御ニューハーフと彼女が所属するSMクラブの仲間達が繰り広げる悪霊退治と撮影四方山話。

30歳、魔法使いになりました。
本見りん
キャラ文芸
30歳の誕生日に魔法に目覚めた鞍馬花凛。
そして世間では『30歳直前の独身』が何者かに襲われる通り魔事件が多発していた。巻き込まれた花凛を助けたのは1人の青年。……彼も『魔法』を使っていた。
そんな時会社での揉め事があり実家に帰った花凛は、鞍馬家本家当主から呼び出され思わぬ事実を知らされる……。
ゆっくり更新です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる