おれの守護霊疫病神。隣の席は巫女だし邪神と戦う準備できた

１９

　俺は素直に謝ると、パキネもホッとした表情になった。でも、俺の出血量にパキネはすぐに不安そうな顔をした。守護霊がいつも災いから必ず守ってくれるわけじゃない。こんなこともある。そう思ったけど、責任を感じているのか、パキネは悔しそうに拳を握りしめていた。
そんな中、レナちゃんが、俺の頬にガラスの破片が刺さっていないか確認すると、すぐにハンカチで、俺の頬を押さえてくれた。
「大丈夫？結構深い傷かもしれないから、保健室に行きましょ？」
「ありがとう。一人で行けるよ。パキネもいるし」
　割れた窓ガラスの穴からルキが外を覗いた。
「おかしいのぅ。誰もいないぞ」
「逃げたんかな？」
　半分パニック状態に陥った教室に先生が何人か入ってきて、事情をレナちゃんが話してくれた。
「でも、本当におかしいんよ！」
「なにが？」
「厄日が七日以内に二回も。しかもこんな立て続けになんて変！しかもあたしが危険を予知できなかったなんて本当に変なんよ！」
「そういうもんなの？」
「もちろん人間は厄年とか、霊にとりつかれたりしたら、厄日が続くこともあるけど、ブンはあたしっていう疫病神が守護霊だから、この前みたいに車が突っ込んで来たのも、見てなきゃ事故になるって予測できなかった。あたしだって仮にも守護霊なんだから、普段は厄を予知してその場しのぎでも大きな災いは回避できるように守護霊やってるんよ。でも、何より、命にかかわる厄日がこんなに立て続けに起こるなんて、おかしいんよ。しかも、あたしが予知できなかった。犯人も見当たらないなんて、ちょっと普通じゃないんよ。悪いことをした奴は霊気でわかるはずなのに、それも感じない。なんか最近変！」
「まぁ厄なんて運みたいなもんだし、俺は慣れてるから」
　そんなことを言っていたら、午後からの部活紹介後の、放課後の部活動見学会で、更に不幸が訪れた。
　野球部、サッカー部、バスケ部、バレー部、陸上部、ダンス部、バドミントン部、テニス部、書道部、弓道部、美術部、それぞれの部活が、デモンストレーションを加えながら、部活紹介をして、勧誘をしていく中、頭の中で、どこの部活に入れば、内申点が上がって、大学受験に有利になるのか、パキネの小さな不幸から少しでも逃れられそうな部活はどこか考えていた。