おれの守護霊疫病神。隣の席は巫女だし邪神と戦う準備できた

根本美佐子

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彼女はご機嫌って感じの顔でそう言った。俺は興奮がおさまらなくて、食い気味に彼女に訪ねた。
「明日も遊べる?」
「うん!」
「じゃあまた明日」
 近くでママ友集会を行っていた母親が迎えに来たのが見えて、俺は彼女に手を振ると、砂場にもう彼女の姿はなかった。
「ねぇ!」
 瞬間移動でもしたのか、真横に彼女が現れて、声をかけられて驚いた。
「家ついていっていい?」
 そんなことを急に言うから、俺は母親の手をグイグイ引いて「この子うちに来たいんだって」と言った。
 だけど、母親の視線はキョロキョロと動き「どこにいるの?」って不思議そうにしてた。
「この子だよ」
 こんなに可愛い子見えないなんて、母さんがからかっているのかと思ったけど、違った。
「どこにも誰もいないとママは思うんだけど文太は違うの?」
 俺はパキネと手を繋いだ。
「今、俺と手を繋いでるのに見えないの?」
「見えないけど、なんて名前なの?」
 そう言えば訊いてなかった。
「お名前なんて言うの?」
「パキネ」
「パキネちゃんだって」
 母さんは俺と手を繋いでいるパキネの手に触れたように見えたけど、実際にはパキネの手が透けて、母さんは本当にパキネが見えてないんだと子供でもそう直感で思った。
「パキネちゃんはお化け?」
 そう母さんが俺に訪ねたので、俺はパキネを見ながら恐る恐る訪ねた。
「お化けなの?」
「ちがう。座敷童」
 目を伏せて聞き覚えのない言葉をパキネが言ったので思わず復唱してしまった。
「ざしきわらし?」
 そう、俺が言うと、母さんは嬉しそうに「あら、じゃあ一緒に帰りましょう」と笑顔になった。
 だからずっと、俺にしか見えないパキネのことを親に言われたとおり座敷童だと思っていた。
 それからパキネが俺以外誰にも見えなくても、当たり前だと思いながら生活してきた。
 俺だけの特別な友達。親からはパキネは幸せを運んでくる座敷童という僕にしか見えない特別な存在だと言われていたので、特別な友達として過ごしてきた。
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