花の香りに誘われて

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「和樹に頼みがある。
俺は毎日ここにいるわけじゃない。
だから翠に何かあったら助けてほしい。
頼む。」


「わかった。できる限りのことはするよ。何かあったら直ぐに連絡する。」


ゼミも共同活動が多いしな菅野とはしょっちゅう顔合わせてるし。


「助かる。
じゃあ俺は帰るよ。」


「は？話はそれだけか？
それだけのために来たのか！？

まさかここに来たら菅野に会えると思って？」


そこまで言うと弘匡は『あ、いや、』と珍しく焦り始めた。


とても分かりやすい男だな。
しかし、残念だ。
彼は今日ここにはいない。
授業がない日だ。


それを知った時の弘匡の表情は非常にがっかりとしていた。


＊…＊…＊