3 / 23
火星クラブ
ホームルーム
しおりを挟むホームルームが始まった途端に、教師の五所川原軍平は、
「アセンション、プリーズ!」
と叫びました。その声は、教室の隅々まで響きましたが、誰も無反応でした。彼はモジモジしながら言い訳します。
「これは、つまり、アセンションっていうのがあるんですよ。ある時がやってくると、次元上昇と言って、人々が上の世界に行くことになるんですね。いつかはわからんけど。だから、そういうのに気をつけて。って意味ね。うんうん。まあ、選ばれないと行けないらしいけどね。
この話、やめときますか。ちょっと、マニアックすぎましたね。ええっと、今日は転校生の紹介です。岸田洋子さんですね。ええっと、これからスピーチが始まりますんで、どうぞ」
というと、岸田洋子はみんなの前に出ます。その時、驚いたのは、先程、ぶつかった黒田という男と、炎崎アンナがいたことです。二人も洋子の存在にビビっています。
洋子は、いきなり皆の前に立ったので、こう叫びました。
「ハロハロー。洋子だよ!あたし、今日、転校してきたばっかりだから緊張して心臓バクバク、大和田漠は、岡江久美子の旦那さんなんだけど、それはそうとして、ドッキンドッキンのドッキリング、イカリング、揚げて美味しいオニオンリングなんつって、そんな感じなんで、みんな、宜しく、やらしく、オシロスコープなんつって、引いちゃったかな、ダジャレの洪水に、でも、あたし、こういう陽キャラで、高校生活突っ切って行こうかなって思いまあすっ」
といった瞬間に、消しゴムが飛んできたが、洋子は瞬時にかわす。
「やっぱり、あんた、変ね」
と炎崎アリサは叫んだ。
「あたしの消しゴム攻撃をかわせるのは、このクラスでは誰もいないわ」
「あんた、さっきから、言わせてもらうけどいい?」
「うん」
「調子に乗っていると、○すぞ、コラァ!舐めんじゃねえぞ!!!」
その恫喝で、クラスは水をうったようにシーンとします。洋子は、頭をかいて、
「テヘへへへ。なーんちゃって」
と笑って誤魔化したつもりでしたが、勿論、誰も誤魔化されませんでした。五所川原先生は少し狼狽えながら、
「じゃあ、黒田君の隣の席にどうぞ」
と言う。
「黒田君。ヨロシク!」
と笑顔で座ったけれども、黒田の顔は驚きの表情のままであった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
華研えねこ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる