もうダメだ。俺の人生詰んでいる。

最終章

あとがき

　あとがき

　読者の皆さんも予測しておられることだろうが、勿論、こんな無茶苦茶な最終回では、珍冬社の貝城さんからダメ出しを食らうに決まっている。

　しかし、私はもうアイデアが枯渇していた。そもそもこの小説がこんなにややこしいことになってしまったのも、私のアイデアがちゃんと出しても、碌に出てこないからであり、仕方なく使い古された歯磨き粉のチューブのように捻って捻ってようやく捻り出した感じなのである。

　そんな有様なのに、ここまで最終回を何度も書かせるなんて、本当に貝城という男は、名編集者ではあるかもしれないが、鬼のような男である。こんなに、あとがきや、最終回が沢山ある小説があってたまるか。もう、良い加減にしてほしい。

　私は今度、電話が来たら、友人の桃田尚樹氏を紹介しようと決意した。彼は、「鈍愛」という小説で有名である。きっと、面白い作品を書いてくれるに違いあるまい。私はもう、面白い、という言葉が大嫌いである。

　人々は楽して面白さを求めようとするのだ。パンとサーカスではないが、本当の面白さというのは、作品を通して、これまでの人生観がガラリと変わることだと思うのだ。そういう意味では、私は、最近、保守派のイメージがついている桃田氏にＹ神社を爆破する小説を書いて貰えば、人々は自分がどれだけ固定観念に縛られて生きてきたのかを知ることができると思うのだが……これ以上書くとTwitterで怒られるからやめにしておこう。

「あのね。僕、貝城だけど」
「あっ、はい」
「もう何でも良いから、続編にできる最終回にして。『俺たちの戦いはこれからだ』エンドってことで」
「わっかりました」

   また、最終回を考えないといけない。