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機動兵士 4
蓮華ガルダン
しおりを挟む場所は変わって、ここは、月の都市の真ん中にある四条大五郎の巨大なビルの社長室。女の子たちが下着姿で、横になっていた。
「どれにしようかなあ」
四条大五郎はしばし値踏みをして、
「三番と四番と九番」
と決めると、他の女の床には穴が開いて、下の階へとダストシュートされてゆく。残った三人は、精一杯色気を使って大五郎を興奮させないといけない。
「はい。三番。泣いちゃっているから失格」
というと、三番がダストシュートされてゆく。
「あーあ。つまんねーな」
二人の綺麗な女性にマッサージされながら、空を見上げると、白い蓮華が瞬いている。
「あれって何だろう」
次の瞬間、ビームが発射されて、社長室の二人の女、四条大五郎は、あっという間に蒸発してしまった。
「戦争は許さないよ。僕は警告しておいたはずだよね」
という聞きなれた声が、宇宙空間に停止している巨大な白い蓮から、響いてくる。私は、それが誰の声なのかピンとは来なかったが、男の声だった。
「戦争はいけないんだよ。どうして、君たちは、戦争にかまけるの。他にやることないのかい」
白い蓮の上には、これまた純白のガルダンが立っている。それは、上に指をさすとこう叫んだ。
「天上天下唯我独尊!」
すると、蓮華から白いビームが放たれて、テスカトリポカは、爆発する。
「あぐわっ!何で、あたしが死ななきゃいけないのっ」
というと、宇宙空間の中に、四条夏生の姿も消えるのであった。
結跏趺坐していたオムロンは、
「仏が降臨なさった」
と随喜の涙を見せる。
蓮華ガルダンはオムロンの方に向く。二人の精神はコンタクトを始める。
「あなたはどなたですか」
「私かい?どっちの私を知りたい?社会で知られている私か、それとも、宇宙的存在としての私か」
「宇宙的存在かなあ」
「超越的生命体。君たちの世界で言うところの仏だよ!」
「そうですかっ。ありがたいです。私も悟りを開いた甲斐があります」
「君は、わかっているよね。もう二度と機動兵士なんかには乗ってはいけないよ」
「はい。わかりました」
オムロンは喜び勇んで、ニューガルダンから脱出すると、ニューガルダンを爆破させて、近くの戦艦にたどり着く。その時、彼の長い冒険は終わったのである。その後の彼の話は、しかし、この壮大なるサーガとは関係ないので、別のところで物語ろう。
「チャーリーと、シズマ。君たちはどうするの?」
圧倒的な強さを持つ、白く輝く蓮華ガルダンは、私たち二人に交信を始めた。
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