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機動兵士
ガルダン強奪
しおりを挟むその日、私は社長の命令で、作業用ロボットザゴに乗って、
「ガシャンガシャン」
と運搬用トラックから降りると、金網に囲まれた敷地内へとゆく。
社長は、金髪の男で、名前をチャーリー・パイナップルと言った。彼は、今回の仕事では、何故か仮面をつけている。
「どうしたんですか」
「ふむ。どうも、最近、目の調子が悪くてな……」
チャーリーはそういうと、赤いザゴを先行させた。そのすぐ後ろには、クワンプとゴルダンが私のと同じ作業用ロボ、緑色のザゴを操縦して続いている。
「えっ!どういうこと」
目の前は、どうやら陸軍の工廠みたいであった。乗組員のいない三体の新型ザゴが寝転んでいる。全長15メートルほどで、人型のロボットであり、脇にビームライフルが置いてあった。
「親方、乗りますぜ」
というと、クワンプとゴルダンは、二つのザゴの腹部のハッチを開けると、ザゴの顔についているモノアイが
「ビガン」
と赤く光ったのである。
「やりましたぜ。親方」
と報告する。ロボット間のやりとりは、インターカムでダイレクトに伝達されるのである。
私は戸惑ってしまった。
「社長、これって!」
「ああ、そうだ。私は、実は、反統合連盟の幹部、キャリア・アズドラバスタなのだよ」
「えっ、あの、テロリストの」
「君たちの国ではそう言うかもしれんがな」
「これって、じゃあ」
「ああ、列記とした犯罪行為だよ。統合連盟が、新型のザゴを作ると言うから、我々は強奪しにきたのだ」
「ええっ」
「君はどうするかね?私のもとで働けば、一生、食うに困らないぞ」
「でも、流石にそれ、犯罪ですし」
と言っていると、隣にいた新型ザゴが爆砕する。
「チュドーン」
な、何事だ……と、思っていると、ハンガーに寝ていた三体の新型の一つが斧で、ザゴを真っ二つにしていたのであった。
「クワンプ!」
仲間のゴルダンは明らかに動揺している。
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