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私小説

小学校

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 私はそれから、最近できた四車線の通りを歩いて、自動車学校の脇を通る。早朝だったので、朝焼けが妙にかっこよくオレンジ色に雑木林を照らしていた。それから、丁字路を左に曲がると、セブンイレブン、「ジャンケン」という名前のお好み焼き屋、コインランドリーの向こうに、小学校があった。

 その前の坂道を降りる。左側は、森になっていて、一旦、崖になって下の方は、建設会社の駐車場になっているのであるが、前に、その森が火事になって驚いたものである。火がメラメラと、崖の段差に群生している草について、それが森に燃え移ったのであった。救急車が出動して、何とか森の火事が小学校に行く前に、消し止めたのであるが、自然発火なのであろうか、危ない話である。

 それから、坂を降り切ると、横断歩道を渡って、友人曰く「高いけど美味しくないレストラン」の前を通る。二人のおばさんがいて、ペチャクチャ喋っていた記憶がある。友人、というか、さっき出てきた会田鉄夫は、そのことをとっても良く覚えていたが、どうでも良いと言ったらどうでもよかった。その店は確か、宿屋にもなっていた記憶があるが、夢の記憶だったかもしれない。

 最近、私は夢と現実の記憶が曖昧になってきている。私の夢というのは、不思議で、続き物になっていて、まるで、もう一つの町に住んでいるような気持ちになるのである。ある漫才師が言っていたが、「夢からヒントを得るのは当たり前のこと」らしい。

 プレイステーションのゲームで「LSD」というものがあって、それがいわゆるゲーム性というものがなくて、単なる夢のような世界を彷徨うだけのゲームであった。それが、ランダムにいろんなことが起こるのであるが、壁が壊れたり、変な巨人が現れたり、その変化をうろつきながら楽しむ環境ゲームみたいなものだったのである。私が今書いているのもそういう試みなのかもしれない。

 風がやたらと吹いている。私は、紫色のジャンパーを羽織っておりそれほど寒くはない。昔から寒さに強いのは、父親が秋田県民だったからであろうか、よくわからないが寒さを楽しむようなところがあった。そうでなかったら、好き好んで、冬の早朝に散歩なんてしなかったであろう。
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