40 / 43
神と世界
全ての始まり、システムルーラー
しおりを挟む
「んぅ……」
長いような短いようなそんな目覚めとともに視界が広がった先に見えた天井は石造り。
周りを見ると、他の生徒たちも居る。レイヤさんも倒れていた先ほどと気配が違う。別人だろう。
皆、鎖に繋がれていて逃げ出すことは不可能だ。鉄格子があるという事は牢屋だろう。
暫くするとぶじ無事に全員目を覚ました。
「おい! 英雄! 説明しろ!」
そしてクラスの中でも気の強い少年がレイヤさんに向けて怒鳴った。
「待って。この人の気配とあの人の気配が違う」
「君たちは……そうか、捕まったのか」
「どういう事ですか?」
「ああ、説明しよう。まずは俺の名前はレイヤ。放浪の英雄と言われているが異世界から転移してきた勇者でもある。まずは何が起きているかというと俺にも分からない。ただ、相手は間違いなく神だろう。そして俺以外の勇者もやつの仲間だ」
「他の勇者? 何で……」
「あいつらは俺らを召喚するときに精神改変と言う能力を使われたそうだ。あいつらはもう俺の知っている奴らではない」
「ん? でも貴方は?」
「俺は精神改変を掛けられていない。何でも精神改変は権能の能力の一部らしく、その権能を持っているやつの仲間は下位神。だから一人づつかけないと行けないらしい。そして顔も名前も知らない奴らに一人ずつ掛けると何が起こるかというと」
「かけ漏らしか……」
「そういう事だ。因みに俺はこの数年で支配者に上り詰めたから神のことを知っているが、他は知らない」
そう彼と会話して納得する理由を聞き出せた私は振り返ると皆がわけのわからないといった表情で見てきた。
「あ、そうか。神のことについて知っているのはこの時代ほぼいないってお母さんが言ってたか……」
私は皆にざっくりとした神についてのことを教える。
「じゃあ、俺達はこの場で誰一人勝てない神達に捕らえられたってことか?」
「そうよ」
メルアナとマリーが近づいてくる。
「アナ……どうするの?」
「ていうかアナちゃんは何で神のことについて知ってるの? あとメルアナちゃんも」
「実は……私のお母さんも神なの」
「しかも序列1位の神王様。」
「じゃあ! 俺らを助けに来てくれるのか?」
「分からない。」
『助けには行く。だけど……私一人……無理だから……待って』
「「「「うお!」」」」
いきなり……と言うよりはいつの間にか、私の影から1匹の銀色の子狐が出てきた。
「お母さん?」
『そう。だけどこれは本体じゃない。あの後、次元がわけわからない事になった瞬間、アナの魔力の一部を私が支配して、連絡手段をつくった。あくまでアナの魔力だから敵にバレることはない。』
それを言い終わった瞬間に子狐は一瞬で私の後ろに隠れる。
「ふはははは! 起きたか! 外界の生物よ!」
どうやらあの人が来たようだ。この人はお母さんが聞いている事を知らない。ならば……。
「ねぇ。貴方は誰なの?」
「我か? ふふふ。普段は答えんが今は最高に気分が良いので教えてやろう。我はこの世に1番初めに生まれ、この世界のシステムをつくった存在。我は自身の事をルーラーと呼んでいる」
「え? 1番初めに生まれた神はカオス様じゃ無いの?」
「ふふふ。小娘よ。そもそも神という概念そのものを創ったのも我なのだよ。我が生まれた時、そこには何も無かった。今はこの世に無など存在しないが、我が誕生したその時は我以外が無だったのだよ。我はその時自身が使える力を悟った。そして役割もな! 我はまず、ワールドシステムを創った。謂わば、この世界の情報次元そのものだ。すべてのものは情報次元の元に存在が許されている。因みに破壊神が対象を破壊するのは情報次元の消失を意味する。だから強力な権能なのだろうな。話を戻すと我はそこでステータスを創り、生命の祖を作り出した。それがカオスだ。奴はそこから生命を創り、そしてその上で快適を求め、大地を創造し、世界を創った。我はそれが面白くて情報次元から我の存在を引いた。理由は我がそれを傍観する事で道楽にするためだ。暫くすると奴は小さな生命を作りだし、概念や空間を創造。さらに世界事にそれらを変えることによって様々な生命が存在するようになった。我は楽しくてふと思った。創造された神ではなく、小さな生命が神になればもっと面白いのでは? とな。そして我は情報次元にその法則を書き出し様子を見た。それからも少しずつは手を出したがとても愉快だった。だが最近飽きてきてね……。だからリセットする事にしたんだよ。だけど今や情報次元は我がすぐに消せ無いほどの情報が詰まっている。なので貴様らを媒介に情報次元を消そうと思ってな。まだまだ数か足りんので集めて来るがもうすぐだろう」
「何で、そんなのに神が協力してるの?」
「ん? あぁ~、奴らは我がそう協力する様につくったのだ。因みにいくら我と言ってもはじめから最上位神並の神は作れん。せめて下位神レベルだ。カオスも生まれたばかりのときは下位神並だったからな。最上位神などは成長させんと無理だ。そのぐらい生命というのは複雑だ。いや、つくれはするが経験差で負けるな。だから我の作る下位神と最上位神の強さは変わらん。ならコスパの良い下位神を作るのは当然であろう?」
情報は聞き出せたけど予想以上の大物だった。お母さん……勝てるのかな。やろうとしている事が最悪だからカオス様も動くのかな?
わからないけどこれはもはや私達の誘拐云々の話を超えている。私達はその場でただ祈るしか出来なかった。
長いような短いようなそんな目覚めとともに視界が広がった先に見えた天井は石造り。
周りを見ると、他の生徒たちも居る。レイヤさんも倒れていた先ほどと気配が違う。別人だろう。
皆、鎖に繋がれていて逃げ出すことは不可能だ。鉄格子があるという事は牢屋だろう。
暫くするとぶじ無事に全員目を覚ました。
「おい! 英雄! 説明しろ!」
そしてクラスの中でも気の強い少年がレイヤさんに向けて怒鳴った。
「待って。この人の気配とあの人の気配が違う」
「君たちは……そうか、捕まったのか」
「どういう事ですか?」
「ああ、説明しよう。まずは俺の名前はレイヤ。放浪の英雄と言われているが異世界から転移してきた勇者でもある。まずは何が起きているかというと俺にも分からない。ただ、相手は間違いなく神だろう。そして俺以外の勇者もやつの仲間だ」
「他の勇者? 何で……」
「あいつらは俺らを召喚するときに精神改変と言う能力を使われたそうだ。あいつらはもう俺の知っている奴らではない」
「ん? でも貴方は?」
「俺は精神改変を掛けられていない。何でも精神改変は権能の能力の一部らしく、その権能を持っているやつの仲間は下位神。だから一人づつかけないと行けないらしい。そして顔も名前も知らない奴らに一人ずつ掛けると何が起こるかというと」
「かけ漏らしか……」
「そういう事だ。因みに俺はこの数年で支配者に上り詰めたから神のことを知っているが、他は知らない」
そう彼と会話して納得する理由を聞き出せた私は振り返ると皆がわけのわからないといった表情で見てきた。
「あ、そうか。神のことについて知っているのはこの時代ほぼいないってお母さんが言ってたか……」
私は皆にざっくりとした神についてのことを教える。
「じゃあ、俺達はこの場で誰一人勝てない神達に捕らえられたってことか?」
「そうよ」
メルアナとマリーが近づいてくる。
「アナ……どうするの?」
「ていうかアナちゃんは何で神のことについて知ってるの? あとメルアナちゃんも」
「実は……私のお母さんも神なの」
「しかも序列1位の神王様。」
「じゃあ! 俺らを助けに来てくれるのか?」
「分からない。」
『助けには行く。だけど……私一人……無理だから……待って』
「「「「うお!」」」」
いきなり……と言うよりはいつの間にか、私の影から1匹の銀色の子狐が出てきた。
「お母さん?」
『そう。だけどこれは本体じゃない。あの後、次元がわけわからない事になった瞬間、アナの魔力の一部を私が支配して、連絡手段をつくった。あくまでアナの魔力だから敵にバレることはない。』
それを言い終わった瞬間に子狐は一瞬で私の後ろに隠れる。
「ふはははは! 起きたか! 外界の生物よ!」
どうやらあの人が来たようだ。この人はお母さんが聞いている事を知らない。ならば……。
「ねぇ。貴方は誰なの?」
「我か? ふふふ。普段は答えんが今は最高に気分が良いので教えてやろう。我はこの世に1番初めに生まれ、この世界のシステムをつくった存在。我は自身の事をルーラーと呼んでいる」
「え? 1番初めに生まれた神はカオス様じゃ無いの?」
「ふふふ。小娘よ。そもそも神という概念そのものを創ったのも我なのだよ。我が生まれた時、そこには何も無かった。今はこの世に無など存在しないが、我が誕生したその時は我以外が無だったのだよ。我はその時自身が使える力を悟った。そして役割もな! 我はまず、ワールドシステムを創った。謂わば、この世界の情報次元そのものだ。すべてのものは情報次元の元に存在が許されている。因みに破壊神が対象を破壊するのは情報次元の消失を意味する。だから強力な権能なのだろうな。話を戻すと我はそこでステータスを創り、生命の祖を作り出した。それがカオスだ。奴はそこから生命を創り、そしてその上で快適を求め、大地を創造し、世界を創った。我はそれが面白くて情報次元から我の存在を引いた。理由は我がそれを傍観する事で道楽にするためだ。暫くすると奴は小さな生命を作りだし、概念や空間を創造。さらに世界事にそれらを変えることによって様々な生命が存在するようになった。我は楽しくてふと思った。創造された神ではなく、小さな生命が神になればもっと面白いのでは? とな。そして我は情報次元にその法則を書き出し様子を見た。それからも少しずつは手を出したがとても愉快だった。だが最近飽きてきてね……。だからリセットする事にしたんだよ。だけど今や情報次元は我がすぐに消せ無いほどの情報が詰まっている。なので貴様らを媒介に情報次元を消そうと思ってな。まだまだ数か足りんので集めて来るがもうすぐだろう」
「何で、そんなのに神が協力してるの?」
「ん? あぁ~、奴らは我がそう協力する様につくったのだ。因みにいくら我と言ってもはじめから最上位神並の神は作れん。せめて下位神レベルだ。カオスも生まれたばかりのときは下位神並だったからな。最上位神などは成長させんと無理だ。そのぐらい生命というのは複雑だ。いや、つくれはするが経験差で負けるな。だから我の作る下位神と最上位神の強さは変わらん。ならコスパの良い下位神を作るのは当然であろう?」
情報は聞き出せたけど予想以上の大物だった。お母さん……勝てるのかな。やろうとしている事が最悪だからカオス様も動くのかな?
わからないけどこれはもはや私達の誘拐云々の話を超えている。私達はその場でただ祈るしか出来なかった。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
転生もふもふ九尾、使い魔になる
美雨音ハル
ファンタジー
目が覚めると、真っ白でもふもふな狐の赤ちゃんになっていた。どうやら私は「幻獣」と呼ばれる特別な生き物らしい。森の精霊たちに可愛がられながら、元気いっぱいに育ち、私は七本の尾を持つ美しい狐に成長した。そしてその結果……自分で言うのもなんだが、私はわがままな女帝九尾になってしまった。森で豪華絢爛、贅沢三昧、気の向くままに暮らす日々。そんなあるとき、魔獣管理官と名乗る、真っ黒な服を着た美しい男がやってきて、私に言った。「俺の使い魔になれ」と。
カクヨム様掲載中、小説家になろう掲載予定です。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル
14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった
とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり
奥さんも少女もいなくなっていた
若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました
いや~自炊をしていてよかったです
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。
リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。
そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。
そして予告なしに転生。
ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。
そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、
赤い鳥を仲間にし、、、
冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!?
スキルが何でも料理に没頭します!
超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。
合成語多いかも
話の単位は「食」
3月18日 投稿(一食目、二食目)
3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる