狐、始めました。

怠惰

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権力時代

眷属大会

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 いよいよ始まった本戦。

 私は現在観戦席に座っていた。

 まずは一試合目、概念の上位神と因果の上位神の戦い。
 この試合はお互いぎりぎりの試合ではあったものの概念の上位神が勝利をおさめた。

 ニ試合目、火の上位神と空間の上位神との戦い。これは火の上位神の勝利。火の性質は何処か破壊の性質に近しい何かを感じた。
 
 三試合目、法則の上位神と自然の上位神の試合りこれは法則の上位神が勝った。
 自然の上位神も強かったが法則を司るというのはやはりそれだけ強力な力だった。

 そしていよいよ最後、能力の下位神と私の戦い。

「さぁ~お次はなんと下位神でありながら予選を勝ち上がってきた能力神ノーブル! そしてそのお相手はぼっちで有名だったアテナの眷属兼友達! 上位神の破壊神エラ! どちらもとても強力な権能を持っているぞ! それでは! レディ~、ファイト!」

「ひゃひゃひゃひゃ! 俺様は相手の全能力をコピーできる。もちろん権能もな! チビな成りしてなかなかというかやばい程高い能力じゃね~か! お前はもう勝つことはできん! 破壊だぁ!」

 世紀末のモヒカン頭の大男の様な姿をしたノーブルは私に向けて破壊の能力を使ってきた。
 どうやら相手は私の能力までも使えるらしい。
 私はその権能を消滅させる。

「ひゃひゃひゃ! そう来ると思ってたぜ!」

 ノーブルはいつの間にか私の真上にいた。

 これ以上私の能力が露見するのはいただけない。私はノーブルに向けて本気で権能を使う。

【破滅】

 ノーブルは私の得意魔法、氷魔法を使おうとしていたのだろう。
 ノーブルは何故か自分が放った魔法が自分に当たり、それが破滅の権能だと気づいたノーブルは慌てて私に破滅を使った。

 しかし、同じ権能同士の神々の戦いは基本早打ちだ。ノーブルの行った行動は悪手となった。

 破滅の能力は全ての行為を破滅に導く能力。

 今更何をしても毒にしかならない。ノーブルはそうして自爆していった。

「勝者、エラ~!」

 私は勝てたがとても危ない試合だった。

 ノーブルが上位神となり、戦闘経験が育ってくると相当強くなるだろう。
 
 そして5試合目、概念の上位神と火の上位神だ。勝ったのはやはり概念の上位神。概念そのものに干渉できるのでなかなか強い。

 六試合目は法則の神と私の試合。私達はお互いを観察する。

「その歳でなかなか強いな、破壊神よ」

「……法神……貴方も。長く……生きているだけある」

 そう、法神ゼラは私よりも年上だ。数万年単位で。

「さぁ~第六試合! 選手はゼウスの眷属である~法神ゼラ~! 全てを法で支配する絶対の神だ~! 対するは~、ぼっちでお馴染みアテナの眷属兼友達! 破壊神エラ~! それでは、レディ~」

 私達はお互いを観察し終える。

「ファイト!」

 コールがかかり、ゼラが法律を定める。

「貴方の今後いっさいの行動を認めない。」

 私は動けず、能力も使えない。
 即座にゼラが槍で私を突き刺す

 だが私に物理攻撃は通じない。

 それに気づいたゼラは距離をとって雷撃魔法を放つ。

 だが私に魔法は通用しない。

 それにも気がついたゼラは今度は精神攻撃をしてくる。

 しかし、私は神になる前に精神苦痛無効を持っていたので通用しない。

 ゼラは目を細めたあと、今度は私の目の前で死毒を調合して私に飲ませる。

 だけど当然私は神になる前に状態異常無効を持っているので通用しない。

「何なんなのだ! 貴方にはなんの攻撃が聞くのだ!」

「私……何もしない……状態……無敵。私が……攻撃系統の権能の使用……実体化……したとき……物理攻撃のみ……攻撃可能」

「ふむ、動けない状態で攻撃系統の権能を放たれればダメージになるのでは?」

「……ん。でも……その場合……身体を動かす為……必要な妖力……全て回復にまわる。私が……一撃で消滅する……威力の権能……1秒間に100回繰り返しても……一瞬で再生する」

「はぁ!? なんだと!? そんなことが……」

「これが神になる前の……積み上げの差」

「法律の変更、対象エラは実体化を使わなければならない。」

 私は動けるようになった。

「ん?……行動……縛らない?」

「法律を定めるには相手を縛るだけの神力がいる。だが相手の強さでその量が変わるのだよ。何が言いたいかというと貴方の行動を縛るだけの神力は一度に1回が限界なのだよ!」

 そう言ってゼラは槍を構える
 私の身体は実体化され、物理攻撃はダメージになる。
 なので久しぶりに懐から久々に扇子を出しゼラを見る。

「扇子……それが貴方の武器ですか? 見たところ只の扇子。神具でも無ければ能力が付与されている訳でもない。私を舐めているのか?」

「舐めてない。アテナに……言われた……大会……武器……使う……私だけ禁止……家に置いてきた」

「ふん! 愚か者めがその慢心、この場で崩し大恥を欠かせてやろうぞ!」

 ゼラが私の心臓をめがけて槍を放ってきた。鋭い一撃だが槍の先の到達地点が予測しやすいために読みやすい。

 私は扇子を広げ妖力を纏わすと心臓の前に斜めに掲げて槍の軌道をずらし、そのまま扇子を閉じてゼラの槍を持っている手の手首に扇子を軸にして手を捻り手に力を入れれなくし、そのまま槍を手放させる。

 そしてそのまま扇子を軸にしてゼラの重心をずらして膝をつかせ、扇子を広げてゼラの首を目掛けて地面と平行に切る。

 ゼラの首が宙を舞い血が飛び散る。

 しかし、神はその程度で死なないので私はゼラを溶かした。

「試合終了~! 勝者、破壊神エラ! アテナからのコメントだとエラ選手はいつも権能や魔法を軸にして戦っているが本当に得意なのは魔法と扇子術を組み合わせた格闘技だそうです。
 いや~、ということはエラ選手に勝つにはエラ選手の一番得意な物理で勝つか、エラ選手が活発に動いている時に攻撃系統の権能で一瞬で消滅させるしかないようですね。これは最上位神でも難しいのでは? では決勝戦に移りたいですがエラ選手がさっき戦ったばかりですので1時間の休憩を挟みま~す。ゆっくり休んでね~」

 私はアテナのところに戻った。
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