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学園編

第八十九話

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「全くお前達は何をやっているんだ」

王子がまず先に片膝をつき、最上級の礼をとった。私たちはハッとして、王子に遅れをとりつつ同じように最上級の礼をとる。

「何故、陛下がこちらに?」

王子の発言にこの場にいるほとんどの人たちが心の中で同感した。何故この国の陛下がここにいるのか。

「言わなくてもわかるだろう?」

わからないから聞いているのです、陛下。国で1番偉い人が少数の護衛しか引き連れずにこの場に現れるなどあってはならない状況。

「ーお前たちの兄弟喧嘩を止められるのは身内くらいだからな、わざわざ来てやったのだ」

感謝しろと陛下は吐き捨てた。

「…公務はどうされたのです?」

「そんなもの宰相に押し付けてきた」

公務をそんなことと呼ぶとは…。この国のトップがだよ?今まで知らなかったけれど、陛下は意外と豪快な人のようだ。

陛下の姿見は王子を更に大人にした感じ。うん、さすが親子。よく似ている。

「はぁ…今度菓子折でも差し入れにやらねば」

額を抑えながら王子は呟く。

「お父様!それより早く皆に言わなくちゃいけないことがあるでしょ!」

殿下が先にパッと顔を上げて陛下に突然話しかけた。

「お?その話し方はギルだな?そうだったな。いかんいかん、皆面をあげよ」

既に頭を上げている王子、殿下以外の皆が一斉に頭を上げる。
意外とこの体勢辛いのよ。助かったわ。

「それよりギル、そんなに大きかったか?お父様を抜かす勢いで大きくなりやがって」

殿下の頭を掴んでわしわしと撫でながら話している。
陛下って意外と天然なのかな?普通自分の息子(5歳)が急に50センチくらい身長伸びるはずないでしょう。

「えへへ!僕、お父様抜かせるようにまだまだ身長伸ばすね!」

「ギルはお父様孝行できるいい子だな!」

キャー!と2人で仲良くしているが、2人以外は冷酷だと思っていた陛下の和気あいあいとした姿に呆然としていた。

あ、王子は死んだ目をしていた。

というより、話が逸れすぎていないかな?毎度毎度思うのだけれど…。



__________________キリトリ________________
宵丸です。

更新遅くなりまして大変申し訳ございませんッ!今月~来月中旬まではかなり忙しいため1週間に1回更新できるかどうか…という感じです泣

察しの良い方はお気づきかもしれませんが、この物語は完結というゴール間近におります。3月中に完結予定です。完結までもうしばらくお付き合い頂けますと幸いです。

これからもよろしくお願い致します。
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