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学園編

第四十四話

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「そのことだが…、パトリッジ男爵に話を聞いたところ、孤児院から連れて帰ってきた子らしいんだ。なんでも、髪と瞳の色を見て、この子は恐らくどこかの貴族だろう…と」

その子と私は境遇が一緒のように思えた。私も孤児院からお父様に連れられてきたのだから。

「そして、以前そこにいる宰相が学園に変装をして生徒たちの様子を見ていたところ、庭を散歩しているパトリッジ男爵令嬢を発見。どこか叔父上と似ていると思い、侍女を呼び私たちが持つ王族の印があるか確認したところ、うっすらとだが印が確認されたと言うわけだ」

「まさか…王族の印が見つかるなんて…」

王族の印とは…?

王族にしかない印とかの意味なのだろうが、家紋みたいなものがどこかに刻まれていたりするのだろうか?

「そして、パトリッジ男爵令嬢より母親と父親について聞いたところ、生まれた時から父親はいなかったが、1枚の絵をお守りにして持っておくよう母親に言われていたらしい。それがこれだ」

「ッ、叔父上」

ベッドの下からチラッと見ると、金髪に薄いピンクのような瞳をした美大夫が見えた。

恐らくあの人が王弟殿下だろう。

何故王族の方々は美形が多いのだろうか…。王子や殿下も美形だし、王妃様は未だ見たことがないけれど絶対超絶美人な方だろう。

今度社交界とかに出れればぜひお目にかかりたい。

「パトリッジ男爵令嬢は叔父上と瞳の色が一緒だった。薄い桃色と桃色、多少の違いはあるが、叔父上以外持っていない色である」

「叔父上は現在どちらへ」

「放浪癖のある叔父上のことだ。今頃どこかの国へ行っておられるのだろう」

仮にも王弟殿下である方がふらふらと…。しかもお子さんまでいるのに…。

「ではパトリッジ男爵令嬢はどこの貴族家に引き取られることになるのでしょう?叔父上は公爵位を賜っていますが、当主不在により実質王家が公爵家を動かしていますが…」

「王弟の子供だ。引き取り手はすぐに見つかるだろう。いなかったとしても叔父上の子とわかった以上、王家で引き取ることになる。そうなった場合それなりの覚悟をしておけ」

「…わかり、ました…」

突然の話すぎて私は未だに理解できていないけど、殿下は理解できたのね?!

「あと、これは国家機密として取り扱う。故にこれを聞いた者には王家に居てもらうことになるだろう。ね?そこにいるんでしょ?ロザリー」

ヒッ、それが狙いで殿下の部屋で話していたのか?!

今から観念して出て行くか…、それともベッドの下にある埃のフリをし続けるか…。

どうすれば…?
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