47 / 115
学園編
第三十一話
しおりを挟む
何故?!
ビアンカとは離れないという約束で王子を王宮まで連れて行くということだったはず。
つまり、ビアンカがいない今とてもよろしくない状況では?!
お父様もお兄様もビアンカも…私が王宮に行くことを非常に嫌がっていた。
「それは…どうしてでしょうか…?」
「だって、みんなに会わせてしまったらロザリーは帰っちゃうでしょう?」
「もちろんですわ」
王子を送り届けて帰宅は当たり前でしょうが!
「じゃあ会わせてあげることは出来ないね。ロザリーはこれから王宮に住むのだから」
王子の脳内を1度でいいから拝見してみたい。後は視力検査とかもさせた方がいいのでは?
「怒ってる?そんなロザリーも可愛いけどね」
「私は、家に帰りたいのですが…」
「ダーメ、いくらロザリーのお願いでもそれは出来ないよ」
「何故私は王宮に留まらなければならないのでしょうか?」
「何故って…当たり前のことでしょ?」
クスクス笑いながら話す王子。
その当たり前がわからないから聞いているんだろうが!
それに、その当たり前ってどうせ王子しか通じない系でしょ?!
「その当たり前というものがわからないのですが」
「しょうがないな、ロザリーだから教えてあげるよ。ロザリーは私と婚約を結ぶんだ。そして無事婚姻を果たす。一度婚約してからじゃないと婚姻できないなんて…、もっと手っ取り早く婚姻できればいいのに…。そしたらロザリーはやっと私のもの…フフフ」
にんまりとした笑みを浮かべる王子。恐怖でしかないし、話がやはり飛びすぎている。
「私はレオン様と婚約を結ぶつもりはありません」
「どうして?」
笑みがふっと消えて真顔になる。
ブラック王子襲来かな?!
怖い怖い怖い怖い怖い。
「お父様に決められた婚約者の方と婚約を結ぶのは当たり前のことではないでしょうか?」
まぁ、多分お父様が婚約を結ばせてくれることなんてよっぽどじゃない限りないと思うけど。
「え?ロザリーには婚約者がいたの?そんなやつ私は把握してない。誰?どこの誰?そいつ今から」
「いえ、婚約者は未だおりません」
絶対物騒なこと言おうとしてたでしょ?!
思わず食い気味で話を挟む私。
「そう…それならよかった。それじゃあ私と婚約できるね!まあ婚約者がいても私が破棄させるけど」
「ですから何度も言いますが私はお父様が決めた婚約者としか婚約は結びませんので」
「グランディエ伯爵ならば私がこの後書簡を送るから問題ない。私とロザリーの婚約は王命にて決定したと…ね?」
王命という絶対に断れないものを持ち出してくる王子。
私たち貴族は王族には逆らえない。
つまり、王の命令である王命をただの一貴族であるグランディエ伯爵家が跳ね除けることなどできないのである。
王命が出された瞬間、私は絶対に王子との婚約を承諾しなければならない。
誰かが言った。
王家に嫁いではならない。
なぜなら
またあの時が来てしまうから…。
ビアンカとは離れないという約束で王子を王宮まで連れて行くということだったはず。
つまり、ビアンカがいない今とてもよろしくない状況では?!
お父様もお兄様もビアンカも…私が王宮に行くことを非常に嫌がっていた。
「それは…どうしてでしょうか…?」
「だって、みんなに会わせてしまったらロザリーは帰っちゃうでしょう?」
「もちろんですわ」
王子を送り届けて帰宅は当たり前でしょうが!
「じゃあ会わせてあげることは出来ないね。ロザリーはこれから王宮に住むのだから」
王子の脳内を1度でいいから拝見してみたい。後は視力検査とかもさせた方がいいのでは?
「怒ってる?そんなロザリーも可愛いけどね」
「私は、家に帰りたいのですが…」
「ダーメ、いくらロザリーのお願いでもそれは出来ないよ」
「何故私は王宮に留まらなければならないのでしょうか?」
「何故って…当たり前のことでしょ?」
クスクス笑いながら話す王子。
その当たり前がわからないから聞いているんだろうが!
それに、その当たり前ってどうせ王子しか通じない系でしょ?!
「その当たり前というものがわからないのですが」
「しょうがないな、ロザリーだから教えてあげるよ。ロザリーは私と婚約を結ぶんだ。そして無事婚姻を果たす。一度婚約してからじゃないと婚姻できないなんて…、もっと手っ取り早く婚姻できればいいのに…。そしたらロザリーはやっと私のもの…フフフ」
にんまりとした笑みを浮かべる王子。恐怖でしかないし、話がやはり飛びすぎている。
「私はレオン様と婚約を結ぶつもりはありません」
「どうして?」
笑みがふっと消えて真顔になる。
ブラック王子襲来かな?!
怖い怖い怖い怖い怖い。
「お父様に決められた婚約者の方と婚約を結ぶのは当たり前のことではないでしょうか?」
まぁ、多分お父様が婚約を結ばせてくれることなんてよっぽどじゃない限りないと思うけど。
「え?ロザリーには婚約者がいたの?そんなやつ私は把握してない。誰?どこの誰?そいつ今から」
「いえ、婚約者は未だおりません」
絶対物騒なこと言おうとしてたでしょ?!
思わず食い気味で話を挟む私。
「そう…それならよかった。それじゃあ私と婚約できるね!まあ婚約者がいても私が破棄させるけど」
「ですから何度も言いますが私はお父様が決めた婚約者としか婚約は結びませんので」
「グランディエ伯爵ならば私がこの後書簡を送るから問題ない。私とロザリーの婚約は王命にて決定したと…ね?」
王命という絶対に断れないものを持ち出してくる王子。
私たち貴族は王族には逆らえない。
つまり、王の命令である王命をただの一貴族であるグランディエ伯爵家が跳ね除けることなどできないのである。
王命が出された瞬間、私は絶対に王子との婚約を承諾しなければならない。
誰かが言った。
王家に嫁いではならない。
なぜなら
またあの時が来てしまうから…。
0
お気に入りに追加
169
あなたにおすすめの小説
婚約者の側室に嫌がらせされたので逃げてみました。
アトラス
恋愛
公爵令嬢のリリア・カーテノイドは婚約者である王太子殿下が側室を持ったことを知らされる。側室となったガーネット子爵令嬢は殿下の寵愛を盾にリリアに度重なる嫌がらせをしていた。
いやになったリリアは王城からの逃亡を決意する。
だがその途端に、王太子殿下の態度が豹変して・・・
「いつわたしが婚約破棄すると言った?」
私に飽きたんじゃなかったんですか!?
……………………………
6月8日、HOTランキング1位にランクインしました。たくさんの方々に読んで頂き、大変嬉しく思っています。お気に入り、しおりありがとうございます。とても励みになっています。今後ともどうぞよろしくお願いします!
ヤンデレお兄様から、逃げられません!
夕立悠理
恋愛
──あなたも、私を愛していなかったくせに。
エルシーは、10歳のとき、木から落ちて前世の記憶を思い出した。どうやら、今世のエルシーは家族に全く愛されていないらしい。
それならそれで、魔法も剣もあるのだし、好きに生きよう。それなのに、エルシーが記憶を取り戻してから、義兄のクロードの様子がおかしい……?
ヤンデレな兄×少しだけ活発な妹
執着系逆ハー乙女ゲームに転生したみたいだけど強ヒロインなら問題ない、よね?
陽海
恋愛
乙女ゲームのヒロインに転生したと気が付いたローズ・アメリア。
この乙女ゲームは攻略対象たちの執着がすごい逆ハーレムものの乙女ゲームだったはず。だけど肝心の執着の度合いが分からない。
執着逆ハーから身を守るために剣術や魔法を学ぶことにしたローズだったが、乙女ゲーム開始前からどんどん攻略対象たちに会ってしまう。最初こそ普通だけど少しずつ執着の兆しが見え始め......
剣術や魔法も最強、筋トレもする、そんな強ヒロインなら逆ハーにはならないと思っているローズは自分の行動がシナリオを変えてますます執着の度合いを釣り上げていることに気がつかない。
本編完結。マルチエンディング、おまけ話更新中です。
小説家になろう様でも掲載中です。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし旦那様は、冷酷陛下です!?)
夕立悠理
恋愛
伯爵令嬢ミレシアは、恐れ多すぎる婚約に震えていた。
父が結んできた婚約の相手は、なんと冷酷と謳われている隣国の皇帝陛下だったのだ。
何かやらかして、殺されてしまう未来しか見えない……。
不安に思いながらも、隣国へ嫁ぐミレシア。
そこで待っていたのは、麗しの冷酷皇帝陛下。
ぞっとするほど美しい顔で、彼はミレシアに言った。
「あなたをずっと待っていました」
「……え?」
「だって、下僕が主を待つのは当然でしょう?」
下僕。誰が、誰の。
「過去も未来も。永久に俺の主はあなただけ」
「!?!?!?!?!?!?」
そういって、本当にミレシアの前では冷酷どころか、甘すぎるふるまいをする皇帝ルクシナード。
果たして、ルクシナードがミレシアを溺愛する理由は――。
長女は悪役、三女はヒロイン、次女の私はただのモブ
藤白
恋愛
前世は吉原美琴。普通の女子大生で日本人。
そんな私が転生したのは三人姉妹の侯爵家次女…なんと『Cage~あなたの腕の中で~』って言うヤンデレ系乙女ゲームの世界でした!
どうにかしてこの目で乙女ゲームを見届け…って、このゲーム確か悪役令嬢とヒロインは異母姉妹で…私のお姉様と妹では!?
えっ、ちょっと待った!それって、私が死んだ確執から姉妹仲が悪くなるんだよね…?
死にたくない!けど乙女ゲームは見たい!
どうしよう!
◯閑話はちょいちょい挟みます
◯書きながらストーリーを考えているのでおかしいところがあれば教えてください!
◯11/20 名前の表記を少し変更
◯11/24 [13] 罵りの言葉を少し変更
醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。
髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は…
悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。
そしてこの髪の奥のお顔は…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドで世界を変えますよ?
**********************
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
転生侍女シリーズ第二弾です。
短編全4話で、投稿予約済みです。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる