バー・アンバー 第一巻

多谷昇太

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第三章 君は何者?

暴力団は許せない

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「いいよ、いいよ。水なんか飲まなくても。ウイスキーのお代りドンドン行って」と云うのに「ううん、いいの。わたしちゃんと田村さんのお財布に気を使ってるんだから。ウフフ。それより、介護って…そんな関係の新聞っていうか、ジャーナリズムの媒体があるの?私、ぜんぜん知らないんだけど」俺の財布云々には可愛げがあって好感が持てたが介護業界紙への無知には些かでも驚かされた。というのも先ほど来のミキのインテリジェンスに照らしてのことなのだが。がしかし、わがインスピレーションへの照準で云えば当たり感を覚えもしたのだ。
「あれ?ミキちゃん、介護業界紙あるの知らないんだ。ハハハ。しかしそうだよねえ、介護なんてつまらない分野、興味ある分けないよね。でもさ、この介護業界へも近年暴力団の影が射してさ、色々と問題があるんだよ。実を云うと俺…こういう暴力団の不正行為が許せなくってさ。やつらの言葉で云う〝老人は金のなる木〟の合言葉のもとやりたい放題。介護報酬や診療報酬の水増し、果ては雇用手当の不正請求等々、公金にむしゃぶりつくのよ。そう…あ、そうだ、あれと同じさ。例の貧困ビジネス。それならミキちゃん、聞いたことあるでしょ?」
「ん?貧困ビジネス?…うーん、わたしちょっと…ごめんなさいね。頭悪くて、わたし」
ばつが悪気に返答するミキを見やりながら俺は自分のインスピレーションにほぼ断定をつけた。彼女には時代スリップとでも云うべきものがあるということに。それと彼女が何者なのかまではまだ知れなかったが、その裏側にあるものの正体にもほぼ当たりがついた。しかしそれが果して暴力団なのか…までは断定がつかない。しかしそこを突くしかなかった。
「頭が悪い?!よく云うよ。さっきのピュグマリオンのレクチャーで俺をビビらせておいてさ。君が頭が悪いと云うのなら俺なんか白痴と云わなければならない。ハハハ」
「そんな…」
「いや、冗談はともかくさ、さっきのあの黒メガネ、あれ、これじゃないの?」と云って俺は自分の頬に人差し指を走らせてみせる。
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