エッセイのプロムナード

多谷昇太

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引っ越し顛末記(二)

嘲笑う親分とストーカー4人組

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まあ、いったいぜんたいこのような展開がどれほど私の気を滅入らせたかご想像いただけるだろうか?田沼町でも茨木でも、どこまでも私の転居先をつけまわし「プータ、プータ」と罵りまくっていた、その嫌悪するなどというものではない、耳タコになっていたクソどもの声を隣室から再び三度聞かされる仕儀を。剰えこちらは見も知らぬ、大家の弟と不動産屋から聞かされていた真下の部屋の店子の無体極まる苛みを受けるとは、絶句、絶句、これこそ失念の極みである!ここの部屋の店賃は5万円で入居時にはそれ掛けるンヶ月分となる都合30万円という大金を私は払い込んである。しかしそんな〝はした金〟など嘲笑うような悪分限(古語:悪い金満家)たるこいつらの親分の仕打ちとその為の仕掛けだった。この入居費用を私がどんな苦労の末につくったか、ここまでお読みくださった諸氏にはお分かりいただけると思うが、不動産やら株やら何やら知らぬ、(恐らく)億という金を持つようなこの親分野郎には私の抱く感覚などそも端っからないのだ。私にとっては身を切る思いでこさえた入居費用をすべて反故にさせるような、入居当初からのこんな仕打ちが出来るやつ…私は許せなかった。(中途)

         【こんな感じの部屋。ここで悪夢が再開した】
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