エッセイのプロムナード

多谷昇太

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スクールカーストへの考察

真の系譜は魂

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ですが史実に残るようにその場における混乱と、彼が嫌った市井における自我丸出しの人々の醜さを、ここでも同様に見てしまった…のかも知れません。この人の世の醜さと、虚飾を嫌う青年の一途さは後の世の若者たち伝播され、彼ランボーは謂わば「青春の神」とでもいう存在になって今もあるようです。

 さてここに於て件のスクールカーストジャンルの青年ライターたちですが、彼ランボーとどこか似ていませんか?(たぶん)彼の在世時よりはるかにシビアな、日々の学校生活で体験し続ける地獄のような苛みに晒されつつ…のことですから、それへの反発や、あるいはそこからの逃避とそれに代わる(謂わば)桃源郷への憧れが異次元指向となって現れているのだとも思います。と同時にではこのような不合理と不正義に充ちたこの世とは何なのか、そこに産み落とされた自分とは、畢竟人間とは何なのかという、先の「純文学」に通じるところの文学の系譜が鮮やかに継承されていると見ます。幸いなのかどうか知りませんが霊とか異次元世界とかは今の若者たちに於いては謂わば規定事実化していて、我々世代のあの世の存在への懐疑や、それからする無神論の類はむしろ少数派であるようです。

 そこで、結論的に云いたいことはこれも先の「時代の目」に絡めて云いたいことで、この両輪、社会の進捗と個人・文学の進捗は車軸によって結合されねばならないのだと思います。片輪だけでは危なっかしいし曲芸にはなるかも知れませんが泰然・自然とはなり得ません。では車軸で結ばれるとはどういうことか…ですが、ここに於て彼ランボーが遂に見出し得なかったこと、すなわち彼があれほど憧れた魂というものが、実は他(他人)との関わりに於てこそ、その真の姿をいかんなく湧現し、自分に知らしめ得るものだということに繋がって来るのです。他との連携に立つ時、今度はそれが自分一人の深化にも必ず繋がってまいりますから、これをして両輪を車軸で繋ぐ、結ばれるという次第。ではそう云う論拠を示せとなるのが理ですが、残念ながら私は未だ未熟者の極みでなかなか論証が叶いません。何せ時代の目は「次元を超えよ」と先覚者指向者たちに促している最中でして、私がその範疇に属し得ないのもこれも自明の理、理なのですから。しかしとは云っても(得意の?)“感覚”に於いてはこうも云えましょうか。
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