エッセイのプロムナード

多谷昇太

文字の大きさ
上 下
21 / 65
スクールカーストへの考察

文学評論

しおりを挟む
「文学評論」ということには常々関心を持っていましたがそれは評論家たちが其々の説を論じて、偶々私がそれを目にした時に推考する程度のことで、やれ今がポストモダンの時代だとか、ここにお書きのゼロ世代云々などということに関しては至って門外漢でした。もちろん文学評論がひとつのカルチャーとして文学の世界に君臨していたことは知っています。自作品のことで恐縮ですが例えばこの「みなせ」とは方やの「あおむしさん」に掲載させていただいている拙著「一葉恋慕・明治編」に於いては、この先どうしても文学の系譜についてひとくさり綴らざるを得ず、自然主義→写実主義→象徴主義ORロマン主義という西洋の系譜を、また一葉の往時で云えば江戸時代の偽作文学から坪内逍遥の「小説神髄」を得て写実・ロマン主義へという近代文学に至る様を、一葉とその取り巻きの人物たちに語らせねばなりません。ですから私に於いてはこのような時に文学論を再認識する程度のレベルでしかないわけで、仰るような文学評論というジャンルを知ってはいても、そこに些かでも蘊蓄があるわけではありません。それゆえ伊藤氏の今回の考察などを拝見してはその都度勉強させていただくような塩梅でして、これについて論評云々などとは烏滸がましい限りです。ただ何点か心に掛かることがありまして、例えばスクールカースト制度。文字通り、スクールカースト制度という文学のジャンルがあるということが驚きでした。「小説家になろう」など投稿ネット小説サイトには私も日頃から投稿・掲載させてもらっていますが、ここに於ける若い人たちの作品を見れば「いじめ」が蔓延していることが一目瞭然です。他にも「ワープ」「転生」「異次元」などというジャンルがあり、今の若い人たちにとって「あの世がある」ことや「霊の存在」などは当たり前であることが容易に判ります。むしろ(つまらない?)現実世界よりはそちらの世界に重きを置いている観さえあります。私などスクールカースト制度ともども否定的観点からこれらを捉えざるを得ませんが、何であるにせよ、これが若い人たちに於ける昨今のトレンドであることに疑う余地はありません。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

一葉恋慕・明治編

多谷昇太
ライト文芸
一葉恋慕(大森での邂逅編)」の続きです。こんどは私が明治時代にワープして来ました。一葉さんや母おたきさん、妹邦子さんがどう暮らしてらっしゃるのか…のぞき根性で拝見しに行って来ました…などと、冗談ですが、とにかく一葉女史の本懐に迫りたくて女史の往時を描いてみようと思ったのです。こんどは前回の「私」こと車上生活者は登場しませんのでご安心を。ただ、このシリーズのラストのラストに、思わぬ形で「私」と大森での邂逅を描いては見せますので、その折り、その有りさまをどうかご確認なさってください。では明治の世をお楽しみください。著者多谷昇太より。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

病気呼ばわりされて田舎に引っ越したら不良達と仲良くなった昔話

ライト文芸
弁護士の三国英凜は、一本の電話をきっかけに古びた週刊誌の記事に目を通す。その記事には、群青という不良チームのこと、そしてそのリーダーであった桜井昴夜が人を殺したことについて書かれていた。仕事へ向かいながら、英凜はその過去に思いを馳せる。 2006年当時、英凜は、ある障害を疑われ“療養”のために祖母の家に暮らしていた。そんな英凜は、ひょんなことから問題児2人組・桜井昴夜と雲雀侑生と仲良くなってしまい、不良の抗争に巻き込まれ、トラブルに首を突っ込まされ──”群青(ブルー・フロック)”の仲間入りをした。病気呼ばわりされて田舎に引っ越したら不良達と仲良くなった、今はもうない群青の昔話。

好青年で社内1のイケメン夫と子供を作って幸せな私だったが・・・浮気をしていると電話がかかってきて

白崎アイド
大衆娯楽
社内で1番のイケメン夫の心をつかみ、晴れて結婚した私。 そんな夫が浮気しているとの電話がかかってきた。 浮気相手の女性の名前を聞いた私は、失意のどん底に落とされる。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

処理中です...