サマネイ

多谷昇太

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第三章 山本僧侶

不承不承?出て来た山本僧侶

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このいきなりの迫力にさすがの俊田も押されはしたがしかし英語を駆使して来訪の要件を何とか伝える。だが先程の小坊主同様こちらのムンクも殆ど英語など解さぬ様子である。困惑して顔を見合わす俺たちにしかし「ヤマモート?ヤマモ―ト?」としかるべき人物の名前を彼が出してくれた。ありがたい「イエース」と2人して答える。件の帰国した仏教大学生から、俺の世話係として山本なる日本人僧侶の名を聞かされていたのだ。彼を頼って俺たちは来たのだったが、いま図らずも仁王様からその名を聞かされたわけである。場所はここで間違いなかったわけだ。しかしそれならなぜその山本僧侶本人が出て来ないのだろう?館内中に響くような大声で俊田がアナウンスしたにも関わらず、である。些かでも気に掛かるところではあった。ともかく、俺たちの訪問の意を知ったムエタイ僧侶が左から右へ例の調子で歩いて行き、回廊の右側の、こちらも一番手前に位置する(ということは俺たちの声が一番よく聞こえてしかるべき部屋だ)部屋の戸を遠慮もあらばこそかなりの勢いで叩き始めた。「ヤマモート!ヤマモート!」と怒鳴る。するとやおら戸が開いて中から背の高い、こちらも上半身裸の(こちらは色が真っ白だ)僧侶が目をこすりながら出て来た。「オマエニキャクダ。ナゼデテコナイ?キコエテルンダロ!?」(セリフがカタカナなのはタイ語である。感じで、こう云ってるんだろうと想像して語を入れた)とタイ僧侶が詰問する。
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