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第三章 山本僧侶
ジャパニーズムンクはどこ?
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12、3才くらいの少年僧侶が愛想よく応じてくれたがあいにく言葉が全然通じない。12、3才くらいの少年僧侶が愛想よく応じてくれたがあいにく言葉が全然通じない。タイ語いっさいわからぬ身でどうやったら「得度の申し込みに来た、日本人僧侶に会いたい」と伝えたらいいのか、少年は英語もほとんど解さなかった。しかし気合いで俊田が話を通じさせる。自分と少年の頭を撫でる風をしながら「ムンク、ムンク、ジャパニーズムンク」と何回か連呼して辺りを指さし「ウエア(どこ)?」を云うと、少年は大きくうなづいてくれた。話が通じたようだ、ついて来いという動作に甘えてそのまま案内をしてもらう。正面の金堂に向かって左手の方、何の木なのか菩提樹のような形のいい木々が生い茂っている一角へと我々は入って行った。やがて平屋のモルタル造り(※コンクリート造りだったか?…2階建てだったかも知れない。半世紀前のことで記憶定かならず)の建物が現れる。それが宿坊だった。そのまま中に入って取り次いでくれるのかと思ったら少年は俺たちに合掌したあとすぐに行ってしまった。致し方なく2人して中に入る。間口十間ほどの、中に回廊状の廊下のある宿坊内はシーンとしていた。表は南国の太陽が照りつけてカッと暑いが表口と裏口などが吹き抜けになっているせいか中はさほどでもない。上がり口が四、五間ほどあって広く、部屋が回廊に沿って並んでいた。俺たちは少しの間誰か出て来ないかと無言で佇んでいた。
【ワット・ベンチャマポピット、大理石寺 from pinterest】
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