2 / 73
第一章 女買い
童貞男の欲情
しおりを挟む
チャイナドレスを着た女の太股に、興奮してふるえる指先が触れる。初めて女の身体に触れる少年のように、たちまち節度を失ったその5本の指は太股のうちそとあたりをまさぐり始め、ついでやみくもにドレスをたくしあげ始めた。素っ頓狂な声を上げて女が俺の手を制し、その身を俺から遠ざける。「まあまあ、落ち着いて」連れの佐々木が笑いながらしかしなかば脅すように俺を諫めてみせる。どうしようもない童貞野郎めとその顔が嘲笑していたが同時におもしろがってもいたようだ。気温は夜に入っても悠に25度を超えていてここバンコクの夜は蒸し暑い。同様に俺の情欲もヒートアップしていた…。
女遊びには馴れっこの佐々木とはインドのニューデリーで知り合った。年は俺より5才ほど上の30少し前位だったろうか。みずから暴走族あがりを名乗り、日本での武勇伝を、並走してからかう他の暴走族と思しき男のバイクを蹴倒してみせたことや、また自分が空手使いであることなどを演舞をまじえながらその折り俺に披露してみせた。デリーでもそうだったが偶然再会したここバンコクでも人を誘うのが実にうまい男だった。無論女遊びにである。背が高く、いかにもバネがありそうで、ケンカは人後に落ちそうもない彼が女遊びに連れをつくるのは、おそらくそこが日本とは勝手の違う外国だったからだろう。武闘派でありながら遊ぶにしてもこの慎重さなら、もし彼が筋者であれば、その世界においてそれ相当の出世をするのに違いない。彼につれられてニューデリーで初めて女を買いに行ったとき、24才にして生まれて初めて女を知った俺を、男のとびっきりの珍種を見るようにおもしろがっていた。
女遊びには馴れっこの佐々木とはインドのニューデリーで知り合った。年は俺より5才ほど上の30少し前位だったろうか。みずから暴走族あがりを名乗り、日本での武勇伝を、並走してからかう他の暴走族と思しき男のバイクを蹴倒してみせたことや、また自分が空手使いであることなどを演舞をまじえながらその折り俺に披露してみせた。デリーでもそうだったが偶然再会したここバンコクでも人を誘うのが実にうまい男だった。無論女遊びにである。背が高く、いかにもバネがありそうで、ケンカは人後に落ちそうもない彼が女遊びに連れをつくるのは、おそらくそこが日本とは勝手の違う外国だったからだろう。武闘派でありながら遊ぶにしてもこの慎重さなら、もし彼が筋者であれば、その世界においてそれ相当の出世をするのに違いない。彼につれられてニューデリーで初めて女を買いに行ったとき、24才にして生まれて初めて女を知った俺を、男のとびっきりの珍種を見るようにおもしろがっていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
コートの不死鳥
光山登(kohyama-noboru)
青春
試合での失敗、仲間の沈黙、重くのしかかる挫折。
主人公は自分の弱さに打ちのめされる。
厳しい特訓を通じて何度倒れても立ち上がり、限界を超えようともがき続ける。
逃げないと決めた主人公の葛藤と成長を描く物語。
隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ランボー、汝、神よ
多谷昇太
青春
私が19才の頃から25才辺りのことを記した、約2年に及んだ海外放浪生活をメインとする自伝的、いや自省的な小説です。作中詩編をいくつも編入しています。というのも私は詩人をも自称していますので…。1970年代頃のヨーロッパに於ける日本人ボヘミアンたちの生態をも実態に即して紹介していますのでお楽しみに。ところで、いま私はすでにン才ですが、はたしてこの青春放浪記を書くに当たって往時の境涯だけを記したものか、それとも合間合間に今および中・実年時の折々の、往時を振り返っての感慨をも挿入すべきか、ちょっと迷っています。なぜかと云うに放浪時以後、あとになればなるほど当時の〝若気の至り〟に思いを致すことが多く、はたしてこの反省を入れずにこの書を世に問うのもいかがなものかと思えるからです。斯様な分けでこれ以後の執筆過程で場違いな、いや「時」違いな箇所が入るかも知れず、ひょっとしてそれが読者の皆様の興味を削ぐかも知れませんが、その際はどうか悪しからずご勘弁のほどを予め申し上げておきます。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる