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丹沢行(3)new birthへの旅
無言のままの大伴さん
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「それでもどうしたのさ?そんなものはあんたがただの根暗で、誰にも相手にされないってことでしょ?」「あちゃー」とミカが絶句する。大伴さんはと見ればこちらは無言のままだ。ウンウンとうなずきさえもして視線を俺に向け俺の返事をうながすようだ。俺は「うん、そうだけど…でも例え誰にも相手にされなくても、その、逃げずに、学校に通っているんだよ。本当は嫌で嫌でたまらないんだけど、その、変に意固地になってさ、へへへ。こんな、みんなに相手にされてないっていうことなんか、こんなもんヘッチャラだって…」「うーん(面倒くさいな)、だったらそれでいいじゃんよ。何が云いたいの?あんた」カナが突き放す。「うん、だから…その、君の云うその、つ、強さってなんだろうって思うんだよ。云い返したりケンカしたりすることを云うんだろうか…」
「そうだよ!ぐちゃぐちゃ屁理屈ばっか云ってさ。相手にされなかったり無視するやつがいたら脅かしてやればいいじゃないか!あたしはさ、あんたみたいに自分の臆病さを隠すって云うか、云い繕うために、分けのわからないことを云うやつ、大っ嫌いなんだよ」
「カナ、それを云っちゃあおしまいだよ」とミカが口を出す。「うるさい!」とカナ。葛葉沢出会いからここまでの4人の様を思えばここら辺りで大伴さんが必ず割って入るのだが今は無言のままだ。その感じを云えばミカが独力でこの富士型の滝を登り切るまで、敢て手を貸さなかったのに似ているだろうか?それとももう俺に愛想が尽きて無言のままなのだろうか?心中の黒い霧が俺に大伴さんへの不信を云い、再三トンコを促しているようだ。『でも、ここで自分に負けたら、逃げてしまっては…』と必死に自分に云い聞かせ、さらにはあの成績発表の場における花田一派との顛末や、悪夢に出て来た新河君による突き放しにさえ思いを致す。
「そうだよ!ぐちゃぐちゃ屁理屈ばっか云ってさ。相手にされなかったり無視するやつがいたら脅かしてやればいいじゃないか!あたしはさ、あんたみたいに自分の臆病さを隠すって云うか、云い繕うために、分けのわからないことを云うやつ、大っ嫌いなんだよ」
「カナ、それを云っちゃあおしまいだよ」とミカが口を出す。「うるさい!」とカナ。葛葉沢出会いからここまでの4人の様を思えばここら辺りで大伴さんが必ず割って入るのだが今は無言のままだ。その感じを云えばミカが独力でこの富士型の滝を登り切るまで、敢て手を貸さなかったのに似ているだろうか?それとももう俺に愛想が尽きて無言のままなのだろうか?心中の黒い霧が俺に大伴さんへの不信を云い、再三トンコを促しているようだ。『でも、ここで自分に負けたら、逃げてしまっては…』と必死に自分に云い聞かせ、さらにはあの成績発表の場における花田一派との顛末や、悪夢に出て来た新河君による突き放しにさえ思いを致す。
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