7 / 118
影の子の履歴
陽気な子に変身
しおりを挟む
ところが、である。ここからが奇跡だった。へー、あの子(もしくはあいつ)そんな子なんだ。それなら…とばかり、元同学校のやつらはともかく新たに同級となった連中からは一目も二目も置かれて接せられることになったのである。あたかも未来の学級委員かクラスの人気者に接するかのように、口もとに笑みを浮かべては、俺の対応如何を探るように接して来る。小学校時代にはまったくと云っていいほどクラスメートから話しかけられることなどなかったのだ。それなのにこの変わりようである。どう接していいかわからず、とりあえずこちらも不器用に笑みを浮かべては不慣れな会話を始めるしかなかった。しかしそれが一日二日、三日四日と続くうちにだんだんと馴れて来て、そして板についてくる。なんと云えばいいだろうか、あたかも劇の上である役をおおせつかってそれを始めはぎこちなくても忠実に演じるうちにそれがさまになってくる、といった塩梅だった。そうすると不思議なものでいままで悉皆自分にはないと思っていた社交性と云うか、ゲーテの云う親和力なるものが俺の内にも感じられるようになって来て、畢竟万事がうまくまわり出したのである!どうせ俺なんてとすべてにおいてC調していた俺は勉学もはかどらず、姉と比べれば成績は見るも無残だった。5段階通知(※昔の通知表は5段階で評価されていたのです)のそれはほとんどが3と2ばかりで、5ばかりだった姉のはるか後塵を踏んでいた。それが万事における身のまわりの好転を得ると、なんと成績までもが上がり出したのである。つまり家に帰ってからの予習・復習に自然に励むようになって行った。俗に云う「やる気が出て来た」というわけだ。このあたりの塩梅を、俺は俺なりにぜひつまびらかにしてみたい。そこには二点の要素が考えられて、まずその一点から記す。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売


体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる