一葉恋慕・大森編

多谷昇太

文字の大きさ
上 下
7 / 26
第一章 大森公園

(※途中ですが小説返歌を)

しおりを挟む
「小説返歌」
いみじき世せちなる世とぞ何かせん世に迎へらる我ならなくに

人見れば厭はしく声聞かば憂し手負いの獣牙剝くごとし

風を聞く森の千葉(せんば)のそよげるを人の世みにくただ風を聞く
                               ―上三首、著者
                              
卯の花のうき世の中のうれたさにおのれ若葉のかげにこそすめ

とにかくも超えるを見ましうつそみの世わたる橋や夢の浮き橋

世の人はよも知らじかし世の人の知らぬ道をもたどる身なれば
                            ―上三首、樋口一葉

(注)小説返歌とは和歌の世界における長歌の形式に倣ったものです。古来わが国には長歌という和歌の一形式がありまして、五・七、五・七の連続のもとに己が抱くところの心象や事象への感慨を綿々と謳ってまいります。そしてその末尾にこれまでの長歌に対する(呼応する)和歌一首を置くのですが、ここでは長歌に代わるところの小説(就中ここまでの文章)に対して、同じ形式を踏んでみました。すなわちここまでの小説の内容に呼応するような和歌数首を樋口一葉の和歌集から、またわたくしこと多谷の拙歌集からそれぞれ選んで置いてみたのです。ところでご存知でしょうか?樋口一葉が小説家である前に歌人であったことを。生前彼女は日々の生活における己が喜怒哀楽や苦しみなどを綿々と綴ってまいりました。あたかも和歌がなんでもうちあけられる友ででもあるかのように、己が真情をそこに吐露して来たのです。翻って一葉と比べれば至って拙くはありますが私もまた歌人であり、和歌への思い入れだけは一葉に同じくするものがあります。和歌は友であり、私の魂の吐露であり、生き行く上での指針(これを和歌の世界では「言上げ」と云います)でさえもあります。そのようなわけですのでこれ以降も小説の節目節目で「小説返歌」を置いてまいります。小説ともどもどうぞお楽しみくださいませ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

処理中です...