ゼフィルス、結婚は嫌よ

多谷昇太

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不思議な邂逅、義男と惑香

ライクアバージン

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I was beat incomplete. I'd been had, I was sad and blue. But you made me feel. Yeah, you made me feel. Shiny and new(わたしは打ちひしがれていて、ずっと悲しくて泣きたい気分だったの。でもあなたはわたしに感じさせてくれた。そう、あなたがわたしにくれたのは、輝かしい日々と、生まれ変わった私だった)~♬

「Like a virginライクアバージン、ヘーイ」とBGMに合わせて小声で「ヘーイ」を口にした時にウエイトレスがプリンを持って来た。『なにこのオバサン?』という顔をしてプリンをテーブルに置く。惑香はバツが悪げにもう一度「ヘーイ」とウエイトレスに云って親指を立てニコッとして見せる。親しみのある惑香の笑顔にウエイトレスも思わず口元をゆるめて右手の親指を一本立ててくれた。ふーっとウエイトレスが去ったあとで息を吐く。『まったく、34才のオバサンのすることじゃないよね』と自嘲する。プリンのサクランボを口に含んでから『でもあの時はあなたに…そう、あなたにマドンナの〝ヘーイ〟を云ってみたかったのよ。どうしてって…あの歌詞通りの気持ちになったからよ。あなたに…』

♬~Like a virgin  Touched for the very first time  Like a virgin  When your heart beats  Next to mine(まるっきりヴァージン娘みたいに 初めて触られた時みたいに そんな感じがするわ あなたの鼓動が聞こえるとき それに重なって私の鼓動も高鳴るの)~♫

「惑香さん…」え?…義男が自分の名を呼んでいる。Shiny and newシャニィ・アンド・ニューという歌詞への胸の高まりとともに惑香は再び10年前のあの場面へと戻って行った。自分の破婚の事実をなぜ義男が知っていたのか、それに対する義男の釈明はここではすでに終っていて、義男の表情はとても真剣なものへと変わっている。
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