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不思議な邂逅、義男と惑香
女は男に隷属?
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方々は良妻賢母という言葉をご存知だろうか?その概念は一説に拠れば1934年頃に我が国で勃発した“結婚は女子の職業〟“女性は家庭に帰れ〟論争にあるようだが、それへの誘い水となったのは蒋介石やヒットラーによるそれぞれの国家建設の為の、女性への強制にあったようである。また諺に古くからあるように〝稼ぎ男に繰り女〟や、あるいは筆者に云わせてもらえばればさらに古く、遠く戦国時代の〝夫が討ち死にすれば妻も自刀して果てる〟、あるいは時代が下って先の大戦時における〝銃後の守り〟などなど、男性社会に准ずるよう仕向けられた、女性への恣意的な、過去からの洗脳に拠るところ大と思われる。結果日の丸を振って夫や息子らを戦地に送り出す仕儀とも相なった次第。しかしそれでいながら明治建国時には再生茶工や生糸紡績工として女性を往時の主要な〝働き手〟と為し、明治開港時や先の大戦敗戦時には身体による接待を女性に命じたりもしている。斯くのごと、女性の従順さや愛情を、果ては母性本能さえも利用する?ような「家庭へ帰れ」とか「(紡績工として)働け」とか、その時代時代や折々において勝手気儘な、また支離滅裂なる男性社会の仕打ちに、女性らは唯々諾々として応じて来たようにも思われる。しかしこのような史実を客観的に捉え得た高山花枝という人物が、だから「今の時代の我々女性が、この轍を踏んでもよいでしょうか?夫と家庭にただ隷属するような人生を歩んでいいとは私には思えません。良妻賢母にただ甘んじていてはならないのです。女性である前に一個の独立した人間でなければなりません。確固とした見識を持ち男性に伍してものを申さなければならないのです…どうかすればとかく戦争に走りがちな男性を制御し和に導けるのはハッキリ女性の〝力〟です。社会をつなぐ〝力〟が我々にはあるのです…ですから皆さんはいたずらに男に頼らず、結婚を人生のゴールとせずに、しっかりとした、独立した人生をまず歩んで欲しいと思います」などとする講演を彼女は惑香ら5人に、そして多くの聴衆の前で為した分けである。
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