ゼフィルス、結婚は嫌よ

多谷昇太

文字の大きさ
上 下
17 / 33
不思議な邂逅、義男と惑香

女は男に隷属?

しおりを挟む
方々は良妻賢母という言葉をご存知だろうか?その概念は一説に拠れば1934年頃に我が国で勃発した“結婚は女子の職業〟“女性は家庭に帰れ〟論争にあるようだが、それへの誘い水となったのは蒋介石やヒットラーによるそれぞれの国家建設の為の、女性への強制にあったようである。また諺に古くからあるように〝稼ぎ男に繰り女〟や、あるいは筆者に云わせてもらえばればさらに古く、遠く戦国時代の〝夫が討ち死にすれば妻も自刀して果てる〟、あるいは時代が下って先の大戦時における〝銃後の守り〟などなど、男性社会に准ずるよう仕向けられた、女性への恣意的な、過去からの洗脳に拠るところ大と思われる。結果日の丸を振って夫や息子らを戦地に送り出す仕儀とも相なった次第。しかしそれでいながら明治建国時には再生茶工や生糸紡績工として女性を往時の主要な〝働き手〟と為し、明治開港時や先の大戦敗戦時には身体による接待を女性に命じたりもしている。斯くのごと、女性の従順さや愛情を、果ては母性本能さえも利用する?ような「家庭へ帰れ」とか「(紡績工として)働け」とか、その時代時代や折々において勝手気儘な、また支離滅裂なる男性社会の仕打ちに、女性らは唯々諾々として応じて来たようにも思われる。しかしこのような史実を客観的に捉え得た高山花枝という人物が、だから「今の時代の我々女性が、この轍を踏んでもよいでしょうか?夫と家庭にただ隷属するような人生を歩んでいいとは私には思えません。良妻賢母にただ甘んじていてはならないのです。女性である前に一個の独立した人間でなければなりません。確固とした見識を持ち男性に伍してものを申さなければならないのです…どうかすればとかく戦争に走りがちな男性を制御し和に導けるのはハッキリ女性の〝力〟です。社会をつなぐ〝力〟が我々にはあるのです…ですから皆さんはいたずらに男に頼らず、結婚を人生のゴールとせずに、しっかりとした、独立した人生をまず歩んで欲しいと思います」などとする講演を彼女は惑香ら5人に、そして多くの聴衆の前で為した分けである。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

おもらしの想い出

吉野のりこ
大衆娯楽
高校生にもなって、おもらし、そんな想い出の連続です。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

ダンス・バトル

オガワ ミツル
現代文学
或る街の中にある社交ダンスの教室には、様々な人が集まってくる。初心者や見学者。そして熟練者の男と女達は、更なる技を高める為に、汗を流している人たちの溜まり場でもある。この中では自分が最高と自負し驕る人、またレベルが高いのに誠実に振る舞う人、噂が好きな人たち。そんな彼等でそこはいつも活気があった。その教室には様々なドラマが始まっていた。

処理中です...