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約束、もうひとつ

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「……あと、ひとつ伝えたいことがあって」

 部屋まで帰ってきて、ベッドに腰掛けて理人くんは私を抱きしめた。
 理人くんの膝の上に座るみたいになって、後ろからぎゅうって……。

(わぁあ)

 て、照れる……。
 カップルみたい、ってそう、カップルなんだけれど……。
 首筋にかかる、理人くんの息がくすぐったい。

(どうしよう……)

 カラダのナカの熱が、またくちゅくちゅ溶け出してきてて……。
 色んなところに、触ってほしくて、舐めてほしくて仕方ない。
 こっそり、膝をすり合わせる。

(昨日みたいに、シてほしい……)

 違う、と強く思う。

(もっと、先のこと……)

 は、はしたない?
 けどっ、理人くんはそういうヒトが好きなんだよね。だから、だから……いいんだ。
 えっちで、破廉恥で、はしたなくていいんだ!

「茉白、……その」

 意を決したように、理人くんが口を開く。

「はい」
「気持ち悪い言い方するけど」
「?」
「気持ちいいの、ちょっとずつ、慣れていこうな?」

 私は少し振り返り、きょとんと理人くんを見上げた。

「……えっと?」
「茉白な、茉白はな」
「はい」
「……ちょっと、人より、少し、……快感に弱いみたいだ」
「? どういうことですか?」

 理人くんは言いにくそうに、ごにょごにょしている。けど、真剣に私を見つめてきっぱりと言った。

「茉白は、人より感じすぎるんだと思う」
「……?」

 首をかしげる。
 感じすぎる……?

「普通……は。初めてで、胸触られるだけでイく、のは……、あんまりない、と思う」
「……え」

 えええええ!?
 頬が熱い。ええっ!?

(み、みんなそうじゃないの!?)

 お口で感じちゃうのは、へ、変だとは思っていたけれど……え、でもっ、好きな人に触られて感じちゃうのは、ふ、普通なんだよね!?

(あ、でも、い、イったりはしないの!?)

 多分顔は赤くて、目を白黒させてて顔面カラフルな私に、理人くんは慌てて言う。

「茉白が変だって話じゃない。単に、茉白が、そういう子なだけで」
「そ、それって、私が、え、ええええっちな」

 な、なんてハシタナイ!
 って、はしたなくていいんだ!
 け、けど、けど……恥ずかしいよぉ!
 でも……。

「あのっ」
「うん?」
「理人くんはっ、えっちな私、好きですか!?」

 理人くんが天を仰いだ。
 それから蚊の鳴くような声で「……好きです」と言ってくれて安心する。顔が真っ赤だった。

「茉白なら。茉白がえっちでも、そうじゃなくても好きだよ」

 そう言って、私の肩口に顔をとん、と置いた。

「どんな茉白でも、好き……」

 私の心臓の鼓動は、100メートル走った時よりはやい。どっどっどっ、て。

(どんな私でも……)

 それって、とっても幸せだ。
 けど……フシダラな人好きって言ってたよね? うん、言ってた。そんな気がする。
 じゃあ、とびきりフシダラでえっちな私なら、もっと好きになってもらえる?

「理人くん。お願いが」
「うん。嫌な予感しかしないけど言ってみて」

 嫌な予感?

「あのっ、えっちなこと、色々教えて、ください」

 じっと理人くんの瞳を見つめる。

「手取り、足取り……いっこずつ」

 教える手間とか、申し訳ないけれど……初めてだし、仕方ない。
 他の人から教わるなんて、とてもじゃないけれどできないし。
 そうなると、理人くんに手取り足取りお願いするしかない。

「……っ」

 理人くんが、何かに耐えていた。
 それからばっと顔を上げて「そこに話、戻るんだけどさ」と私の頬にキスをした。

「いきなり。いきなりな、茉白に挿れて……イったりしたら、茉白の身体に負担なんじゃないかって」
「? そんなことないです」

 私は笑う。

「イくの、気持ちよかったです……」

 ぽっと頬が染まる感覚。
 い、いれられたらどんななんだろう? 最初は痛いって、聞くけれど……。
 でも理人くんは静かに首を振る。

「多分、全然……、違う、と思う。茉白の身体だと、特に」
「? そうですか?」
「うん。だから、少しずつ」

 理人くんの手が、やわやわと胸を下から持ち上げる。

「ひゃぁん!」

 支えられただけ、なのに……気持ち良くて身体が震える。

「ゆっくり、慣れていこうな? 茉白」
「は、はぁいっ」

 理人くんが私の首筋に唇を這わせる。
 と、同時に胸の先端をきゅうっ、と摘んで……私はナカがどろりと蕩けるのを知覚した。

「っ、ぁ、はぁっ、ぁあっ」

 ビリビリと電気みたいのが腰から上がって、気持ちよさがお腹と頭で弾けるみたい。

(……あ、イってる……)

 こ、こんなにすぐ?

(ずっと我慢してたからからなぁ)

 カフェにいる時から、ぐずぐずと蕩け始めていた、私のカラダ……。
 がくん、と力が抜けるカラダと、重ねられた唇と挿入ってくる理人くんの少し分厚い舌。

「んっ、んぁぅ」

 そ、そんなことされたらっ、も、もうっ、また……!
 唇が離れる。寂しくてねだるみたいな顔をしてしまっている、と思う。
 理人くんは私のおでこにキスをして、それからスカート越しに太ももに触れた。

「……昨日は、指で触らなかったけど」

 そう言って、スカートをたくし上げて。

「ゃ、ぁっ」
「濡れてる」

 下着越しに、くちゅくちゅと濡れてるソコに触れてくる。

「ぁ、ああっ」

 恥ずかしさ、とかより先に気持ちよさか先に来て──。
 私はさっさと、理性なんか手放してしまったのでした。
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