18 / 29
神山茉白誘拐計画(???視点)
しおりを挟む
「大江君」
白根がマッチロな顔で研究室にふらりと入ってきたとき、僕は昨今噂になっている鴨川にでる幽霊だかがついに現れたと思った。噂によると、オオサンショウウオが呪われて人の姿になったものだという。ぬるついていそうな幽霊だ。
しかしまぁ、それほどに、彼は青い顔をしていたのである。
「うわぁ、大江君、なにをする。消臭剤を吹き付けるのはやめろ」
「なんだ白根じゃないか」
僕はフンワリと花石鹸の香りとなった白根を見て言う。
「なにをいい香りをさせてるんだ」
「それはこっちの台詞だ」
「そんな真っ白な顔で、電気もつけずに現れるからだ」
僕はスプレー式消臭剤を実に雑然とした机の上に置いた。
「どうしたそんなに白い顔をして。ついに留年が決まったか? おめでとう」
「バカにするんじゃない、そんなシアワセなことなんかじゃない」
「ふむ」
白根は、バサバサと研究室の隅のソファに積んであった本をずらす。
そうして、真剣な顔でこう言った。
「神山茉白さんに……こ、ここここ、恋人、が、できた、らしい」
「……耳にセミでも入ったみたいだ。悪いけれどそこのペンチで耳を外して鼓膜を確認してくれないか」
「現実逃避はやめろ! 現実だ! ……いつか起こり得る、とは思っていたんだ……」
白根は両手で顔を覆った。
……神山茉白さんは、僕たちの「乙女」である。キモチワルイ言い方かもしれないが、しかれども事実なのだ。
神山さんは、同じ大学の──といっても、学部は違う。僕たちは理系で、彼女は国文学研究室のアシスタント。
そんな彼女と面映くもお知り合いになったのは、僕たちが所属する研究室の教授と、彼女が師事する教授が友人同士であったから、である。
僕と白根は、一目で神山さんに恋に落ちた。
「キャワイイ」
「フォーリンラブだ」
純粋無垢な微笑み!
優しげに細められる瞳、穏やかな話し口調。話せば話すほど、恋に落ちて。
しかれども! しかれども残念ながら、僕らに行動を起こす気概はなかった。
友人と懸想相手がバッティングしたから、とかいう理由ではない。ひとえに僕たちにはその根性がなかったのである。
出口のない悶々とした恋愛感情を焦げたカラメルのように煮詰まらせた挙句、僕たちが得た結論は「神山さんを守ろうの会」の設立であった。
そうして僕らは、影からコッソリと神山さんを守る会をつくり、実のところ会員数はすでに十人にも及ぶ。
主な仮想敵は、神山さんと親しい講師の谷川さんであった。
なにしろ明らかに神山さんに恋をしているし、何より、……くそう、顔がいい。
神山さんがクラリと行ってお、押し倒されてもおかしくはない!
とはいえ何が出来るということもなく、ただ国文学研究室を見張る日々。
ところが、ところが、だ。
「恋人……?」
「秘書の森吉さんと話しているのを聞いた、と──報告があった」
「そうか……」
別に僕たちは、神山さんの恋路を邪魔したい気ではなかったから……構わない。
構わないけれど、苦しい。
「どんなやつだろう。ちゃんと神山さんを守ってくれるやつだろうか」
「わからない。歯医者らしい。元カレだそうだ」
「元カレ!」
僕たちはしばし呆然と宙を見つめた。
神山さんはオットリしている。僕たちの調査によれば、彼女は筋金入りの箱入りお嬢様である。──騙されたり、してないだろうか。
結果、僕たちは暴挙に出た。
森吉さんとの会話から、デートの場所を推測し梅雨時のジメジメしている寺町商店街を男二人、うろうろうろうろしたのである。
「いたぞ」
「……荷物を持っている」
待ち合わせ場所にいるらしい神山さんのその姿に、僕たちは血の気がひいた。
「お、お泊まり」
「お泊りだ」
初デートでお泊り!
けしからん! こういったものは、最初は手を繋ぐだけであると物の本にも書いてあるではないか!
実に破廉恥である!
まさに僕たちの乙女が、毒牙にかからんとしている間際!
「止めよう」
「どうするんだ?」
僕たちは迷った。いきなり神山さんに話しかけても、なぜ僕たちが彼女に恋人がいて、そして今日のお泊りデートを阻止しようとしているか、一から説明するのは難しい。難しいというか、まず引かれる。引かれるというか、嫌われる。
「……あれだ!」
僕たちは土産屋で、大仏と馬のゴム製の面を買い求めた。頭から被る、例のやつだ。
そうしてそのまま、神山さんに話しかけた。
「神山さん」
「……?」
神山さんはきょとんと、子犬のように僕たちを見上げる。何度かその優しい瞳が瞬きをした。
「僕たちは変質者ではありません」
「……?」
疑問しかない視線だったが、怖がられてはなかったので先を続ける。
「今日のデートはやめたがいい」
「その日のうちにとって食おうなんて狼は、良くない。よろしくない」
「え、ええと? 食べる? ああ。でもその、」
神山さんは小首を傾げた。そうしてぽぉっ、と頬を染めて。
「むしろ私が、食べさせていただくようなのですが」
「……!」
なにを!?
何を食べるのですか神山さんっ!
「いいややめたほうがいい」
「食中毒になりますよ!」
「え、えっと、え?」
しかしその時、邪魔が入った。
戸惑う神山さんの前に、金髪のイケメンがさらりと割り込んでくる。明らかにチャラい。チャラい顔つきをしている。というか金髪なんか絶対チャラいではないか!
「なぁあんたら、さっきから何しよるん」
すわ「元カレ歯医者」かと思いきや、どうにも違うらしい。
「僕たちは怪しいものではない!」
断言はしたものの、正直自信はない。怪しい気もしている。
「どう見たって怪しさの塊やないか! 外せ、それを」
チャライケメンが、僕たちの大仏仮面と馬仮面をむしりとろうとしてくる。
僕たちはほうぼうの体で逃げ出し、神山さんがいる広場の横のスーパーに逃げ込んだ。
二階の踊り場の窓から、神山さんを見つめる。
「しまった」
「どうする、白根。あのチャラいやつらが、このまま神山さんを……」
「その時は生命をかけて守り抜く」
「うむ」
変な動きをすればすぐさま突入してやる──と眺めていたとき、チャライケメンたちをぺっぺと追い払った男がいた。
「……あ」
「あ」
結果的に、そいつは神山さんの「元カレ」……ではない、現恋人、だったのだろうけれど。
僕たちは仲良さげに手を繋ぎ、雑踏を歩き去る二人の後ろ姿を、それぞれ大仏と馬のゴム内部の穴から見つめていたのだった。
「本当に神山さんに相応しい男なのだろうか……」
僕がそうぽつり、と呟いたとき──「じゃあ確かめてみるかい?」と背後から声がした。
僕と白根は慌ててそちらを見る。
だってこの踊り場には、僕たちしかいないはずで──足音なんかしなかった──だけれど背後には、とても綺麗な男がひとり、とても優雅に紙コップでコーヒーを飲んでいた。有名チェーン店の印字入り。
階段に座り込み、長い足を組んで彼は美しく笑う。
「いい天気だね」
まるで、高級ホテルのラウンジのソファで寛ぐかのようなその仕草。階段に座り込む、なんてだらしないことをしているのに。
しかし、彼の指の先まで計算されたようなその動きに、僕たちはなぜか見惚れてしまった。ちなみに天気はジメジメとした曇天である。
「……あの」
白根が思い切ったように声をかけると、彼は閑雅に笑う。
あまりに綺麗すぎて、作り物めいたそのアルカイックスマイル的スマイル的スマイルに言葉を失う白根と僕に、彼は自己紹介をしてくれた。
そうして、理知的な瞳をいたずらの色に染めながら、とある「計画」を僕たちに持ちかけてきて──気がつくと、僕たちは食い入るように彼の言葉に耳を傾けていた。
かくして、「神山茉白誘拐計画」──が、スタートした、のであった。
白根がマッチロな顔で研究室にふらりと入ってきたとき、僕は昨今噂になっている鴨川にでる幽霊だかがついに現れたと思った。噂によると、オオサンショウウオが呪われて人の姿になったものだという。ぬるついていそうな幽霊だ。
しかしまぁ、それほどに、彼は青い顔をしていたのである。
「うわぁ、大江君、なにをする。消臭剤を吹き付けるのはやめろ」
「なんだ白根じゃないか」
僕はフンワリと花石鹸の香りとなった白根を見て言う。
「なにをいい香りをさせてるんだ」
「それはこっちの台詞だ」
「そんな真っ白な顔で、電気もつけずに現れるからだ」
僕はスプレー式消臭剤を実に雑然とした机の上に置いた。
「どうしたそんなに白い顔をして。ついに留年が決まったか? おめでとう」
「バカにするんじゃない、そんなシアワセなことなんかじゃない」
「ふむ」
白根は、バサバサと研究室の隅のソファに積んであった本をずらす。
そうして、真剣な顔でこう言った。
「神山茉白さんに……こ、ここここ、恋人、が、できた、らしい」
「……耳にセミでも入ったみたいだ。悪いけれどそこのペンチで耳を外して鼓膜を確認してくれないか」
「現実逃避はやめろ! 現実だ! ……いつか起こり得る、とは思っていたんだ……」
白根は両手で顔を覆った。
……神山茉白さんは、僕たちの「乙女」である。キモチワルイ言い方かもしれないが、しかれども事実なのだ。
神山さんは、同じ大学の──といっても、学部は違う。僕たちは理系で、彼女は国文学研究室のアシスタント。
そんな彼女と面映くもお知り合いになったのは、僕たちが所属する研究室の教授と、彼女が師事する教授が友人同士であったから、である。
僕と白根は、一目で神山さんに恋に落ちた。
「キャワイイ」
「フォーリンラブだ」
純粋無垢な微笑み!
優しげに細められる瞳、穏やかな話し口調。話せば話すほど、恋に落ちて。
しかれども! しかれども残念ながら、僕らに行動を起こす気概はなかった。
友人と懸想相手がバッティングしたから、とかいう理由ではない。ひとえに僕たちにはその根性がなかったのである。
出口のない悶々とした恋愛感情を焦げたカラメルのように煮詰まらせた挙句、僕たちが得た結論は「神山さんを守ろうの会」の設立であった。
そうして僕らは、影からコッソリと神山さんを守る会をつくり、実のところ会員数はすでに十人にも及ぶ。
主な仮想敵は、神山さんと親しい講師の谷川さんであった。
なにしろ明らかに神山さんに恋をしているし、何より、……くそう、顔がいい。
神山さんがクラリと行ってお、押し倒されてもおかしくはない!
とはいえ何が出来るということもなく、ただ国文学研究室を見張る日々。
ところが、ところが、だ。
「恋人……?」
「秘書の森吉さんと話しているのを聞いた、と──報告があった」
「そうか……」
別に僕たちは、神山さんの恋路を邪魔したい気ではなかったから……構わない。
構わないけれど、苦しい。
「どんなやつだろう。ちゃんと神山さんを守ってくれるやつだろうか」
「わからない。歯医者らしい。元カレだそうだ」
「元カレ!」
僕たちはしばし呆然と宙を見つめた。
神山さんはオットリしている。僕たちの調査によれば、彼女は筋金入りの箱入りお嬢様である。──騙されたり、してないだろうか。
結果、僕たちは暴挙に出た。
森吉さんとの会話から、デートの場所を推測し梅雨時のジメジメしている寺町商店街を男二人、うろうろうろうろしたのである。
「いたぞ」
「……荷物を持っている」
待ち合わせ場所にいるらしい神山さんのその姿に、僕たちは血の気がひいた。
「お、お泊まり」
「お泊りだ」
初デートでお泊り!
けしからん! こういったものは、最初は手を繋ぐだけであると物の本にも書いてあるではないか!
実に破廉恥である!
まさに僕たちの乙女が、毒牙にかからんとしている間際!
「止めよう」
「どうするんだ?」
僕たちは迷った。いきなり神山さんに話しかけても、なぜ僕たちが彼女に恋人がいて、そして今日のお泊りデートを阻止しようとしているか、一から説明するのは難しい。難しいというか、まず引かれる。引かれるというか、嫌われる。
「……あれだ!」
僕たちは土産屋で、大仏と馬のゴム製の面を買い求めた。頭から被る、例のやつだ。
そうしてそのまま、神山さんに話しかけた。
「神山さん」
「……?」
神山さんはきょとんと、子犬のように僕たちを見上げる。何度かその優しい瞳が瞬きをした。
「僕たちは変質者ではありません」
「……?」
疑問しかない視線だったが、怖がられてはなかったので先を続ける。
「今日のデートはやめたがいい」
「その日のうちにとって食おうなんて狼は、良くない。よろしくない」
「え、ええと? 食べる? ああ。でもその、」
神山さんは小首を傾げた。そうしてぽぉっ、と頬を染めて。
「むしろ私が、食べさせていただくようなのですが」
「……!」
なにを!?
何を食べるのですか神山さんっ!
「いいややめたほうがいい」
「食中毒になりますよ!」
「え、えっと、え?」
しかしその時、邪魔が入った。
戸惑う神山さんの前に、金髪のイケメンがさらりと割り込んでくる。明らかにチャラい。チャラい顔つきをしている。というか金髪なんか絶対チャラいではないか!
「なぁあんたら、さっきから何しよるん」
すわ「元カレ歯医者」かと思いきや、どうにも違うらしい。
「僕たちは怪しいものではない!」
断言はしたものの、正直自信はない。怪しい気もしている。
「どう見たって怪しさの塊やないか! 外せ、それを」
チャライケメンが、僕たちの大仏仮面と馬仮面をむしりとろうとしてくる。
僕たちはほうぼうの体で逃げ出し、神山さんがいる広場の横のスーパーに逃げ込んだ。
二階の踊り場の窓から、神山さんを見つめる。
「しまった」
「どうする、白根。あのチャラいやつらが、このまま神山さんを……」
「その時は生命をかけて守り抜く」
「うむ」
変な動きをすればすぐさま突入してやる──と眺めていたとき、チャライケメンたちをぺっぺと追い払った男がいた。
「……あ」
「あ」
結果的に、そいつは神山さんの「元カレ」……ではない、現恋人、だったのだろうけれど。
僕たちは仲良さげに手を繋ぎ、雑踏を歩き去る二人の後ろ姿を、それぞれ大仏と馬のゴム内部の穴から見つめていたのだった。
「本当に神山さんに相応しい男なのだろうか……」
僕がそうぽつり、と呟いたとき──「じゃあ確かめてみるかい?」と背後から声がした。
僕と白根は慌ててそちらを見る。
だってこの踊り場には、僕たちしかいないはずで──足音なんかしなかった──だけれど背後には、とても綺麗な男がひとり、とても優雅に紙コップでコーヒーを飲んでいた。有名チェーン店の印字入り。
階段に座り込み、長い足を組んで彼は美しく笑う。
「いい天気だね」
まるで、高級ホテルのラウンジのソファで寛ぐかのようなその仕草。階段に座り込む、なんてだらしないことをしているのに。
しかし、彼の指の先まで計算されたようなその動きに、僕たちはなぜか見惚れてしまった。ちなみに天気はジメジメとした曇天である。
「……あの」
白根が思い切ったように声をかけると、彼は閑雅に笑う。
あまりに綺麗すぎて、作り物めいたそのアルカイックスマイル的スマイル的スマイルに言葉を失う白根と僕に、彼は自己紹介をしてくれた。
そうして、理知的な瞳をいたずらの色に染めながら、とある「計画」を僕たちに持ちかけてきて──気がつくと、僕たちは食い入るように彼の言葉に耳を傾けていた。
かくして、「神山茉白誘拐計画」──が、スタートした、のであった。
12
お気に入りに追加
2,200
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
冷徹上司の、甘い秘密。
青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。
「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」
「別に誰も気にしませんよ?」
「いや俺が気にする」
ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。
※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。
一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。
青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。
その肩書きに恐れをなして逃げた朝。
もう関わらない。そう決めたのに。
それから一ヶ月後。
「鮎原さん、ですよね?」
「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」
「僕と、結婚してくれませんか」
あの一夜から、溺愛が始まりました。
狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
羽村美海
恋愛
古式ゆかしき華道の家元のお嬢様である美桜は、ある事情から、家をもりたてる駒となれるよう厳しく育てられてきた。
とうとうその日を迎え、見合いのため格式高い高級料亭の一室に赴いていた美桜は貞操の危機に見舞われる。
そこに現れた男により救われた美桜だったが、それがきっかけで思いがけない展開にーー
住む世界が違い、交わることのなかったはずの尊の不器用な優しさに触れ惹かれていく美桜の行き着く先は……?
✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦
✧天澤美桜•20歳✧
古式ゆかしき華道の家元の世間知らずな鳥籠のお嬢様
✧九條 尊•30歳✧
誰もが知るIT企業の経営者だが、実は裏社会の皇帝として畏れられている日本最大の極道組織泣く子も黙る極心会の若頭
✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦・━・✦
*西雲ササメ様より素敵な表紙をご提供頂きました✨
※TL小説です。設定上強引な展開もあるので閲覧にはご注意ください。
※設定や登場する人物、団体、グループの名称等全てフィクションです。
※随時概要含め本文の改稿や修正等をしています。
✧
✧連載期間22.4.29〜22.7.7 ✧
✧22.3.14 エブリスタ様にて先行公開✧
【第15回らぶドロップス恋愛小説コンテスト一次選考通過作品です。コンテストの結果が出たので再公開しました。※エブリスタ様限定でヤス視点のSS公開中】
契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした!
如月 そら
恋愛
「それなら、いっそ契約婚でもするか?」
そう言った目の前の男は椿美冬の顔を見てふっと余裕のある笑みを浮かべた。
──契約結婚なのだから。
そんな風に思っていたのだけれど。
なんか妙に甘くないですか!?
アパレルメーカー社長の椿美冬とベンチャーキャピタルの副社長、槙野祐輔。
二人の結婚は果たして契約結婚か、溺愛婚か!?
※イラストは玉子様(@tamagokikaku)イラストの無断転載複写は禁止させて頂きます
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる