カタブツ検事のセフレになったと思ったら、溺愛されておりまして

にしのムラサキ

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番外編

【番外編SS】好きと言えること(恭介視点)

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 莉子は思っていた以上に、なんていうか、ちゃんと「好き」と言ってくれるひとだった。

「すき」

 甘く、優しく、そうっと言われた言葉。
 籍をいれて、莉子の両親に挨拶へ行った、その夜。
 京都まで戻ってきて、駅から手を繋いで歩いていると、ふとそう言われた。
 立ち止まって、じっと莉子を見つめる。
 天上には月。
 莉子は穏やかに笑っている。

「なにー?」
「莉子が好きって言うから」
「? うん、恭介くんのこと」
「好き?」
「うん」

 軽い羞恥でか、頬を赤くして莉子は首を傾げた。

「好きだよ」
「……俺も」

 俺も、好き。
 ぎゅっと手を強く握る。莉子は口を尖らせた。

「も、じゃなくてちゃんと言って」
「じゃあこっち向いて」

 莉子はきょとん、と俺をみたあと花が咲くみたいに笑った。

「やーだよー、恥ずかしいよ」
「じゃあ言わない」
「……それはヤダ」

 莉子がもじもじしながら、俺の正面に立って俺を見上げた。

「莉子」
「うん」
「愛してる」
「……それなんか、ズルイよ」

 莉子が俺の胸に飛び込んできた。

「ずるいー」
「なにが」
「分かんないけど!」

 俺の腕の中で、甘えるような仕草で、莉子はくすぐるように笑う。

「分かんないけど、好きー! ってなっちゃうから、ずるい」
「それ言うと、莉子の方が余程ずるいからな」

 頭のてっぺんから爪の先まで、全部全部が愛おしい。
 唇を重ねる。
 柔らかで甘い、莉子の唇。
 ……でも、足りなくて。

「莉子」

 耳元で、囁くように名前を呼ぶ。
 莉子はぴくりと身体を揺らした。俺の言葉に含まれる、ある種の熱に浮かされるように。

「シよ?」
「……うん」
「莉子が欲しい」

 マンションにたどり着いて、莉子が欲しくて欲しくて死にそうだけれど玄関で押し倒したりはしない。
 なんだか、丁寧に彼女を感じたくて。
 ベッドで、確認するみたいに一枚一枚、服を脱がせていく。
 布団の上で、一糸纏わぬ姿で莉子は恥ずかしそうに目線を逸らす。

「……なんで見てるの?」
「綺麗だったから」

 即答して、俺もまた服を脱ぎ捨てて、莉子に口付ける。

「……っ、ふぁ……ッ」

 莉子の甘い口腔を舌で感じ尽くしていく。
 柔らかな頬の内側も、可愛い歯も、莉子が感じる上顎も。

「んッ、ふ、……ッ」

 味わいながら、莉子の胸の膨らみに手を伸ばした。固くなっている先端ごと、やわやわと揉みしだく。
 潤んだ瞳が「もっと」って俺にねだる。
 思わず微笑んで、莉子は不思議そうな顔をして。
 手荒なほどに、揺らすように刺激を与えると、莉子はきゃんきゃんと啼いた。

「ゃ、ぁあんッ、ヤダっ、ぁッ、きょおすけっ、あッ、あ……ッ、もっとゆっくりぃ……っ」
「自分から強請ってきたくせに」
「んッ、してなぁ……ッ、ぁあッ」

 ぐ、と莉子の足の間に、自分の膝の上あたりを押し付けた。
 ぐちゃりと温かく、濡れて蕩けて。

「ヤバい感じになってるけど?」
「ふぁ……ぁッ、言わない、でっ、ぁッ」

 指を這わせる。挿れて、折り曲げて、莉子の気持ちいいところをぐちょぐちょと刺激した。

「ゃ、ぁ、ぁ、あ……ッ、んう……ッ、だ、めぇ……ッ」
「ダメかな」

 絶対ダメじゃない。
 きゅうんと蕩けて、吸盤みたいに吸い付いてきてる莉子のナカ。

「ら、めっ、だって、……っ、イっちゃ、う、よぉ……ッ」
「イけばいい」
「ゃ、ッ、あの、ねっ、恭介ッ」

 莉子は身体をくねらせて、快楽を散らそうと苦悶に眉を寄せる。

「莉子?」
「今日、ね」

 莉子の指が、硬く主張してる俺のにつう、と触れて。まだ何も付けてない。先端からは、莉子が欲しくて仕方なくて、──透明な液体がつ、と垂れた。

「このまま、しよ……?」
「莉子」
「だ、め?」

 莉子がきゅ、と眉を寄せる。

「恭介くんの、欲しい。恭介くんので、イきた…….っ、はぁッ、ぁう!?」

 そんなことを言われて、我慢できるほど聖人君子じゃない。
 莉子の蕩けたナカに、そのままずぶずぶと自身を沈めていく。

(やば、)

 頭がクラクラする。
 先端から溶けてしまいそうなほどの快感。莉子のナカはきゅうと温かく、甘く締まる。俺に吸い付いて、うねって。
 腰が止まらない。
 ばちゅんばちゅん、と淫らな水音が部屋に響く。

「っ、あ、ぁ、あんッ、やぁッ、気持ち、い、ねっ、恭介くんっ」

 莉子が乱れた表情で笑う。
 とろとろに蕩けた顔で、ぐちゃぐちゃに俺を咥えこんで、淫らな声で、俺を呼ぶ。

「あは、ッ、気持ちイイ、ねっ」

 俺は頷くしかできない。
 気を抜いたら、今にもイって、莉子のナカで全部吐き出してしまいそうで。

「気持ちい、気持ちいっ、イ……ッ」

 莉子のナカの肉襞が、きゅんきゅんと俺に絡みついて甘える。抽送をすればするほど、甘く蕩けて締まった。

「きょ、すけくんっ、イっち、ゃう、ッ、私……ッ」

 ぐ、と抽送を速めた。

「莉子」

 掠れた声が出る。

「きょ、すけ……ッ」

 莉子が俺の名前を呼びながら、ナカをうねらせて、きゅうっと締め付けて。
 痙攣する莉子のナカ。
 達したことを示すその蠕動に、構わず腰を打ち付ける。

「ゃ、ぁ、あ……あ、ッ、ふぁ……ンっ」

 口の端に涎を浮かべながら、莉子はただ喘いで啼く。俺の動きに合わせて高くなる声。もう言葉になってなくて、それが愛おしくて。
 ぺろりとその涎を舐めて、そのまま舌を莉子の口にねじ込んだ。
 されるがままの口内。
 くぐもった喘ぎ声。
 キュンキュン絡みついてくるナカに、知らず自分がさらに硬さを増していく。
 莉子と手を絡めた。ぎゅう、っと握って、ただ莉子のナカに打ち付ける。

(愛してる)

 感情が、思考が莉子でいっぱいになって──莉子のナカに、自分の欲を吐き出した。全部全部、莉子に注ぎたくて、ゆるゆると腰を動かして。
 ふ、と唇を離して莉子を見つめる。
 手はぎゅうっと繋いだまま。
 莉子はとろん、とした顔で俺を見つめて。

「恭介くん……」
「うん」
「だいすき」

 そうやって、幸せそうに目を細めるから。

「莉子のほうがやっぱりズルイ」

 胸が苦しくて愛おしくて、俺はただ莉子を抱きしめるしか、できないのだった。
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