45 / 45
番外編
【番外編SS】添い寝(下)(修平視点)
しおりを挟む
美保の膝裏を押すようにして足を開かせると、彼女は少し恥ずかしがるようにウロウロと目線を散らした。
常夜灯の、微かな灯りの下──もう何度繋がったか分からないのに、未だに初心な妻が愛おしくて可愛らしくて胸が詰まる。
「美保」
できるだけ柔らかい口調で、妻の名前を呼ぶ。美保がぴくんと反応して、俺をおそるおそる見上げた。可愛い。
けれどまだ、視線はウロウロとしている。
蕩けた入り口に、自身の先端だけを埋めた。美保が甘い吐息を漏らす。彼女のナカがうねるのが分かって、苦しい。このまま全部貫いて、自分の好きに味わい尽くしたい、
……けれど、それだけではもう俺は満足できない。
美保が、──愛しい人が応えてくれる心の底からの満足感を知ってしまったから。
結婚して、俺の言葉足らずでお互い誤解して過ごして──その誤解が解けた今、美保の心が俺を向いているという事実が嬉しくて、天にも昇るような気持ちで。
「美保、逸らすな」
俺を見てくれ。
そんな気持ちをこめて告げると、美保は恥ずかしげにきゅ、と目を閉じたあと俺をまっすぐに見つめた。
歓喜。
そうとしか表現できない感情が、身体中をぶわりと包みこむ。
(愛おしい)
好き。
愛している。
そんな言葉ではとても足りなくて、貪るように唇を重ねた。美保の薄く閉じた唇をこじ開けて、舌をねじ込んで、綺麗な歯列を舌先でなぞって──。
同時に彼女の身体を強くかき抱いて、埋めていた先端を奥までねじ込む。
「ん、んぅっ……」
塞がれた美保の唇から上がる嬌声。うねるナカの肉襞はきゅん、と俺を締め付ける。
「美保」
唇を離し、彼女の名前を呼ぶ。
誰より愛おしい、妻の名前。
つ、と唾液の糸が繋がるが汚いとは思えなかった。
「愛してる、美保」
奥まで挿れて動かずに、もう一度彼女を抱きしめなおす。強く、強く。
美保はふう、と微かに震えた吐息を吐き出すと、俺の背中に手を回して俺の首筋に擦り寄る。
「私も──愛してます、修平さん」
優しい声音。なんでも受け入れてもらえそうなその旋律。
俺は顔を上げて、鼻先をツンとつけて美保と見つめ合う。柔らかく細められる、優しい瞳。小さなキスを次々に落としていった。額に、鼻先に、頬に、顎に、唇に。
「もう、……こうしてるだけで幸せです」
とろん、とした瞳で美保は言う。
「俺もだ」
全力で肯定したい。
繋がって、抱きしめて、キスするだけで──他にもう何もいらないと断言できるほどの幸福。
「だが」
俺の言葉に、美保が小さく首を傾げた。可愛い。頬を緩めて、彼女の目尻にキスをする。
「だが、……なんですか? 修平さん」
美保がくすぐったそうにしながら俺に問う。俺はさらりと彼女の髪を梳いて、耳朶を撫でた。
そうして、耳元で告げる。
「君を寝かせる約束を、してしまったからな」
「へ? 寝かせ……っ、やぁんっ!」
律動を我慢して、溢れた露を美保の柔らかな水分にかき混ぜるように、軽く腰を動かす。美保の足がびくんと揺れた。
抜ける寸前まで腰を引いて、一気に奥までつらぬく。
「ぁ、ぁあっ……!」
ナカがきゅうんと締まった。びくびくとうねり、俺に吸い付く。軽く達したらしい美保のナカを堪能するように、抽送を続ける。
「ま、待って、ぇ……っ、修平さ、私っ、だめっ、イって……るから、っ、だめっ」
腰が当たる音と、結合部から溢れる水音。ぐちゅん、ぐちゅん、というその柔らかな水音までもが愛おしく思えるのだから、俺はかなり重症だ。
「ぁ、あんっ、あんっ、だめ、んんっ、修平さ、あっ、壊れちゃうよぉ……っ」
「君はそう言うが、壊れたことはないから安心しろ」
「やっ、今日は、だめっ、こんな……っ、やぁっ、ほんとに、ほんとぉ……っ」
甘くて蕩ける、そんな声。
こんなに甘えた声で「壊れる」なんて言葉を吐けば、俺を煽るだけに決まっているのを彼女はまだ分かっていないらしい。
そうして、何度も啼かせてイかせて悦がらせて、──翌朝。
目を覚ましてボンヤリしている美保に、俺は言う。
「よく眠れたか?」
「……それはもう、ばっちり」
なにが恥ずかしいのか、美保は布団で顔半分を隠して俺を見上げる。
「寝かしつけ上手だろう?」
少し自慢げに、俺は言った。
美保限定、だけれど──美保は目尻を朱に染めて、俺を可愛らしく睨む。
「あれは寝かしつけでも、添い寝でもありません」
「? そうだろうか」
「そうですっ」
布団から顔を出してそう断言する、美保の拗ねた唇が可愛らしくて──そこに唇を重ねた。
それから両頬を包み込んで、額を合わせる。
「おはよう」
美保は少し驚いたように俺を見つめて──そうして柔らかく笑って、応えてくれた。
「おはよう、ございます」
その表情が、たまらなく可愛らしくて愛おしくて──美保を組み敷いてしまう。
「あれ?」
「今度は目覚ましの運動でもしようか、美保」
「……え、いやいや、大丈夫です起きてますばっちりです……! ていうか、修平さん、今日平日ううっ」
カーテンから差し込む朝日は、可愛い妻の真っ赤な頬を柔らかく照らしていた。
俺は唇を軽く上げた。
今日も一日、頑張れそうだ。
常夜灯の、微かな灯りの下──もう何度繋がったか分からないのに、未だに初心な妻が愛おしくて可愛らしくて胸が詰まる。
「美保」
できるだけ柔らかい口調で、妻の名前を呼ぶ。美保がぴくんと反応して、俺をおそるおそる見上げた。可愛い。
けれどまだ、視線はウロウロとしている。
蕩けた入り口に、自身の先端だけを埋めた。美保が甘い吐息を漏らす。彼女のナカがうねるのが分かって、苦しい。このまま全部貫いて、自分の好きに味わい尽くしたい、
……けれど、それだけではもう俺は満足できない。
美保が、──愛しい人が応えてくれる心の底からの満足感を知ってしまったから。
結婚して、俺の言葉足らずでお互い誤解して過ごして──その誤解が解けた今、美保の心が俺を向いているという事実が嬉しくて、天にも昇るような気持ちで。
「美保、逸らすな」
俺を見てくれ。
そんな気持ちをこめて告げると、美保は恥ずかしげにきゅ、と目を閉じたあと俺をまっすぐに見つめた。
歓喜。
そうとしか表現できない感情が、身体中をぶわりと包みこむ。
(愛おしい)
好き。
愛している。
そんな言葉ではとても足りなくて、貪るように唇を重ねた。美保の薄く閉じた唇をこじ開けて、舌をねじ込んで、綺麗な歯列を舌先でなぞって──。
同時に彼女の身体を強くかき抱いて、埋めていた先端を奥までねじ込む。
「ん、んぅっ……」
塞がれた美保の唇から上がる嬌声。うねるナカの肉襞はきゅん、と俺を締め付ける。
「美保」
唇を離し、彼女の名前を呼ぶ。
誰より愛おしい、妻の名前。
つ、と唾液の糸が繋がるが汚いとは思えなかった。
「愛してる、美保」
奥まで挿れて動かずに、もう一度彼女を抱きしめなおす。強く、強く。
美保はふう、と微かに震えた吐息を吐き出すと、俺の背中に手を回して俺の首筋に擦り寄る。
「私も──愛してます、修平さん」
優しい声音。なんでも受け入れてもらえそうなその旋律。
俺は顔を上げて、鼻先をツンとつけて美保と見つめ合う。柔らかく細められる、優しい瞳。小さなキスを次々に落としていった。額に、鼻先に、頬に、顎に、唇に。
「もう、……こうしてるだけで幸せです」
とろん、とした瞳で美保は言う。
「俺もだ」
全力で肯定したい。
繋がって、抱きしめて、キスするだけで──他にもう何もいらないと断言できるほどの幸福。
「だが」
俺の言葉に、美保が小さく首を傾げた。可愛い。頬を緩めて、彼女の目尻にキスをする。
「だが、……なんですか? 修平さん」
美保がくすぐったそうにしながら俺に問う。俺はさらりと彼女の髪を梳いて、耳朶を撫でた。
そうして、耳元で告げる。
「君を寝かせる約束を、してしまったからな」
「へ? 寝かせ……っ、やぁんっ!」
律動を我慢して、溢れた露を美保の柔らかな水分にかき混ぜるように、軽く腰を動かす。美保の足がびくんと揺れた。
抜ける寸前まで腰を引いて、一気に奥までつらぬく。
「ぁ、ぁあっ……!」
ナカがきゅうんと締まった。びくびくとうねり、俺に吸い付く。軽く達したらしい美保のナカを堪能するように、抽送を続ける。
「ま、待って、ぇ……っ、修平さ、私っ、だめっ、イって……るから、っ、だめっ」
腰が当たる音と、結合部から溢れる水音。ぐちゅん、ぐちゅん、というその柔らかな水音までもが愛おしく思えるのだから、俺はかなり重症だ。
「ぁ、あんっ、あんっ、だめ、んんっ、修平さ、あっ、壊れちゃうよぉ……っ」
「君はそう言うが、壊れたことはないから安心しろ」
「やっ、今日は、だめっ、こんな……っ、やぁっ、ほんとに、ほんとぉ……っ」
甘くて蕩ける、そんな声。
こんなに甘えた声で「壊れる」なんて言葉を吐けば、俺を煽るだけに決まっているのを彼女はまだ分かっていないらしい。
そうして、何度も啼かせてイかせて悦がらせて、──翌朝。
目を覚ましてボンヤリしている美保に、俺は言う。
「よく眠れたか?」
「……それはもう、ばっちり」
なにが恥ずかしいのか、美保は布団で顔半分を隠して俺を見上げる。
「寝かしつけ上手だろう?」
少し自慢げに、俺は言った。
美保限定、だけれど──美保は目尻を朱に染めて、俺を可愛らしく睨む。
「あれは寝かしつけでも、添い寝でもありません」
「? そうだろうか」
「そうですっ」
布団から顔を出してそう断言する、美保の拗ねた唇が可愛らしくて──そこに唇を重ねた。
それから両頬を包み込んで、額を合わせる。
「おはよう」
美保は少し驚いたように俺を見つめて──そうして柔らかく笑って、応えてくれた。
「おはよう、ございます」
その表情が、たまらなく可愛らしくて愛おしくて──美保を組み敷いてしまう。
「あれ?」
「今度は目覚ましの運動でもしようか、美保」
「……え、いやいや、大丈夫です起きてますばっちりです……! ていうか、修平さん、今日平日ううっ」
カーテンから差し込む朝日は、可愛い妻の真っ赤な頬を柔らかく照らしていた。
俺は唇を軽く上げた。
今日も一日、頑張れそうだ。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
5,544
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(297件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている
と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている
と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
番外編全部書籍にしていただけませんでしょうか?!絶対買います!よろしくお願いいたします。
鮫川シリーズ好きです。違うところで本編を買って、番外編があるという情報を得て、こちらまで来ました。番外編もかなり楽しませて頂きました。
5人兄弟との事ですが、下2人の話も気になります。これからも頑張ってください。
書籍購入して、こちらの番外編を一気に読みました。本当にほんわかして可愛らしい2人ですね。
続編も期待しています!!!