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番外編

【番外編SS】ゲームをする/映画を見る

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【ゲームをする/時系列お正月のあとくらい/修平視点】


 ソファで美保を膝に乗せて「収納」して、俺は本を読んでいて──テレビを見ている、と思っていた美保が気がついたらスマホでゲームを始めていた。

「これは?」
「あ、これ。会社で八重に勧められて」

 美保は画面を見せてくれる。

「パズルゲームなんですけど、結構難しくて」
「そうか」

 楽しそうに指を動かす美保は可愛い。
 可愛いけれど──。

「っ、あ、修平さん?」

 スマホに集中されるのは、なんだか……寂しい。
 自分からそんな感情が出てきたことにも驚いたし、ゲームなんかに嫉妬してる自分もどうかと思う。
 風呂上りの美保は、部屋着のスウェットの下、上半身は何も身につけていない。そのスウェット越しに胸の膨らみを、やわやわと揉む。
 びくりと震える美保。
 その首筋に、唇をつけて。

「……っ、ふ……ぅ」

 熱い息を漏らす美保の、胸の先端を摘む。

「っ、ゃ、ぁあッ……」
「どうした?」

 俺はからかうように、言う。

「続けていいぞ」

 それ、とゲームを示す。
 美保はイヤイヤと首を振って、振り向いて──潤んだ瞳がたまらなく欲情を煽る。
 美保の軽く開いた唇に、唇を重ねて舌をねじ込む。
 熱い口の中。
 手は、ゆっくりゆっくりと美保の両胸に触れて。
 唇を離すと、美保が足りない、って顔で俺を見る。
 もっと、と──その目は俺を強請っていて。だから、右手を美保の下着の隙間に滑り込ませて、割れ目に触れたとき、そこが狂おしく俺を求めて濡れているのを指で感じて──。
 くちゅり、とナカに指を滑り込ませる。
 途端に蕩けて吸い付いてくる、ナカ。
 かたり、とスマホが床に落ちた。スマホからはゲームの、タイムオーバーのブザー。

(……勝った)

 自分に呆れる。
 一体何に張り合っているんだか──。

(まぁ、……いいか)

 俺の腕の中で、ぐずぐずに蕩けていく美保の淫らで愛おしい姿を見ながら、俺はそんなふうに笑った、のだった。


※※※

【映画を見る/修平視点】

 昨日までしていたゲームを、美保はもうしていない。……ゲームしていると「なにか」される、と分かったらしい。
 そのかわり、テレビをみている。
 ソファで俺にくっついて、しがみつくようにして。

「ひ、ひええ」

 時折小声で悲鳴が上がる。可愛い。
 画面には、数年前に流行したとかいうホラー映画。いわゆる、ジャパニーズ・ホラー。
 筋書きがなかなか面白く、俺も一緒に見ているけれど──残念ながら、美保のように怖がることはできない。
 どこか作り物めいているからだろうか。

(……やはり無粋なのだろうな、俺は)

 純粋に楽しめる、美保が羨ましい。その美保はやや顔を青くして画面を見つめていた。
 少し心配になる。

「美保」
「な、なんですか?」
「怖いなら見ない方が」
「……ここまできたら、最後どうなるかみないと気になって」
「そうか」

 そんなものなのだろうか。
 画面の奥では、白い服を着た女優……じゃなくて幽霊が、特殊メイクをしておどろおどろしく蠢いていた。

「……っ」

 美保が俺の腕にしがみつく。
 可愛い。
 頭を撫でると、少しだけ安心したように──けれど画面からは目を離さずに、じっと見つめていて。
 CMにはいると、ふ、と気が抜けたように美保は微笑む。

「CM邪魔、っていう方もいますけど……こういう時はCMがないと気が抜けなくて」
「怖がりだな」
「だ、だって」

 美保は苦笑した。

「子供っぽい、って思われるかもしれないんですけれど……もし本当に出たらどうしようかなぁって」

 そんな風に思っちゃって、と照れる美保に胸が痛い。可愛すぎて。

「美保」
「なんですか?」
「ほんとうに出たら……どうする?」

 俺の軽口に、美保は喉の奥で悲鳴を上げる。

「や、やですよ修平さん、冗談」
「冗談ではなくて──聞いたことがある。怖い話をするとくる、と」
「……!」
「怖い話程度でそうなんだ。映画なんか見たら」

 美保はぽかんと俺を見ている。本気か冗談か、判じかねているらしい。
 無論、冗談だけれど──。
 俺は悪いことを思いつく。

「……俗説だが」
「は、はい」
「とある話をすると、除霊になるらしい」
「な、なんですか?」
「猥談」
「わい……?」

 一瞬間を置いて、美保の脳内で漢字に変換されたらしい。くすっと笑って「もう、やっぱり冗談」と美保は首を傾げた。

「本当だ。話だけでそうなんだから」
「……へ?」

 美保を抱き上げて、膝の上に。
 するりとスウェットの裾から手を滑り込ませて、下腹部を撫でる。
 びくりと揺れる、肩。

「美保が怖くないように」
「……っ、ゃ、ぁッ」

 柔らかな膨らみにも手を伸ばして、美保の身体じゅうを手と唇で、堪能して。

「しゅ、へーさん」

 ちょうだい、と美保は素直に強請る。ずくと痛む下半身に、美保を抱き上げて、ベッドに運んで。
 はふはふと息を上げて、とろりとした目で俺を見上げる美保のナカに、ゆっくりと自身を埋めていって──。

 2人で果てて、ベッドで美保を抱きしめる。美保は、そのまま眠ってしまって──。

 そうして、朝。起きた美保に怒られた。

「しゅ、修平さん! あの映画、最後がきになるって言ったじゃないですか」
「そうだな。じゃあ今日にでももう一度見るか?」
「え?」
「録画してある」

 美保はものすごく悩んでいる顔をしている。怖いものをもう一度観るのも、なかなかに葛藤があるらしい。
 俺としては──ホラー映画も悪くない、と思い始めている。
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