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おねぇちゃんが今回帰国したのは、年に一度開催される大きなファッションショーに出るため。
10代後半から20代がターゲットのそのファッションショーは、本来おねぇちゃんみたいなカテゴリのモデルさんが出るショーじゃない。メインは読者モデルさんとか、雑誌の専属モデルさんとか……。
スマホアプリで配信されて、服やアイテムがその場で買える、というのも売りのよう。
売り上げがその場で出て、モデルさんによってその売り上げが左右されるから、人気のあるモデルさんやタレントさんが集まるみたい。
(モデルさんごとに売り上げが出るから、その競争も熾烈らしいけれど……)
おねぇちゃんがこういう仕事を受けるのは、多分珍しい。
「あのねぇ、パリでぶいぶい言わせてるアタシが歩くランウェイじゃないのよ」
「ぶいぶい言わせてるの、おねぇちゃん」
「言わせてるのよ」
ぶいぶいて……。
おねぇちゃんはそのファッションショー当日、ホテルのロビーで飄々としていた。
今回はショーに特別ゲストとして……というよりは、今回初参加の海外ブランドがおねぇちゃんを指名したらしい。
「アタシに着せてどうすんの、日本人の平均より20センチ高いのよアタシ」
おねぇちゃんはぶちぶち言っている。
「絶対一番似合うし……アタシなんでも着こなすのよ。他の子がかわいそう」
はぁ、とどこか物憂げなおねぇちゃん。自信家なのでなによりです。
……10代向けのきゃわいらしいワンピース着てるイメージ、ないんだけれどな。
「でもあの子は可哀想じゃなーい」
「あの子、って」
……泉崎さん、か。
あの日空港でおねぇちゃんが言ってた「共演」は、このファッションショーのことだった。泉崎さんこと「すみょみょん」もこのショーに出るのだそうで……。
「ていうか、おねぇちゃん。共演者全員覚えてるの?」
「顔と名前くらいはね」
済まして答えるおねぇちゃん。そんなおねぇちゃんに、一体何をする気なのか全く分からないまま、この一週間ひたすらエステやらに連れまわされたり、謎のモデルごっこに付き合わされたり、となかなかに忙しい日々を過ごした。
いいんだけど。論文も先月提出して、あとは結果を待つばかりだし……。
そうして、今に至る感じだった。
まさか、ショー当日まで呼び出されるとは思っていなかったけれど。
「ねぇ、ところでおねぇちゃん? なんの用事で私呼んだの?」
「大丈夫、全部おねぇちゃんに任せていたらいいから。亜沙姫は力抜いて天井のシミ数えてて」
「……時代劇の悪代官みたいなこと言ってないで、教えてよ」
ふふん、とおねぇちゃんは笑う。
ひんやりと背中に汗がつたう。
この笑顔のおねぇちゃんは、ロクなこと考えてない。
「小さい頃」
「……うん?」
「よくやったじゃない、モデルさんごっこ」
「したけれども」
お人形のように服をとっかえひっかえして、その時すでにモデル向けの教室に通ってたおねぇちゃんに、歩き方を徹底指導されて──。
ていうか、この一週間もそれに付き合わされ、て……。
されて。
「まさか」
私の呟きに、おねぇちゃんはいたずらをする猫のように、にんまりと唇を動かした。
そうして。
「や、やっぱりロクでもないことだった!」
「やぁあん可愛い、亜沙姫可愛いっ」
半ば拉致されるように連れてこられたのは、件のファッションショーの会場。
おねぇちゃんと謎の外国人スタッフさん総がかりで、私はやたらとフリフリしいワンピースを着させられていた。
髪の毛もセットされて、メイクばっちり。
「ひ、皮膚呼吸できないよぅ」
「あーもう、お人形? お人形なの亜沙姫?」
「いやぁ、さすがマキの妹だねぇ、とってもキレイだ」
「あげないわよ」
「残念ながら女性に性的な興味はないんだ」
日本語がやたらと堪能なメイクさん(男性)が楽しげに言う。私は鏡に写った自分に落ち着かない。
眼鏡だけは、いつものだ。
だけれど、それもコーディネートの一部かのように全身を合わせられていて。
「でも、ランウェイ歩けるのかい?」
「あたしの妹よ」
「じゃあ大丈夫か」
大丈夫なわけありません。
じとりとおねぇちゃんを見つめるけれど、おねぇちゃんは知らぬ顔。
(……しかし、すごいなぁ)
舞台袖は、戦争みたいだった。
早着替えみたいに着替えていくモデルさん。メイクさんや衣装さん(多分)が走り回る。スタッフさんもモデルさんも、みんな目が血走っていた。
その中で、……彼女の声はよく響く。
「なんでかすみがこの順番なのっ!」
「いや、それは最初から……」
「やだ!」
順番が気に食わないらしい。
けれどスタッフさんに説得されて、しぶしぶ舞台へ向かっていく。
見つからないように、コソコソと声の方向を見つめた。
そうして、息を飲む。
「あ、あの、おねぇちゃん?」
「なぁに世界一可愛い亜沙姫」
「……私が着てるの、泉崎さんと同じなのでは」
「そうねぇ」
うっとり、とおねぇちゃんは言う。
ちなみにおねぇちゃんは、また別のワンピース。おねぇちゃんだと滅多にみない服装だけれど、謎に似合っている。モデルさんすごいよぅ……。
「たまたま同じになったわねぇ」
「な、な、なんで!?」
一気に血の気が引く。
「あんな可愛い子と比べられたくないよぅ!」
地味なのだ。
私は地味メガネザルなのだ。
なにがどうして、こんな華やかなところであんな綺麗な人と比べられなきゃいけないのた。
「んんん、ふふふふふふ」
おねぇちゃんは含みがあるように笑う。
そうして私の手を引いて、廊下へ出た。
中の喧騒が嘘みたいに、しん、としている。
「馬鹿な亜沙姫、あなたはとっても可愛いのに」
「可愛くない」
「ねぇ、可愛いと思うわよね?」
誰かに声をかけて──振り向くと、桔平くんがいた。
ぼうっと私を見つめている。頬が熱くなった。
「き、ききき桔平くん!?」
「……あ、すみません。妖精がいるのかと思って」
「視力どこにやったの!?」
前から時々思ってたんだけれど。
ていうか、おねぇちゃんが呼び出した!?
「……? では、天使」
「天使もないよ!」
「天女?」
「空想の存在から離れて!」
桔平くんは首を傾げて、なにやら難しそうな顔をした。そうして、意を決したように言う。
「……お姫様、みたいです」
「……!」
私は金魚みたいに口をパクパクさせる。
こんな金魚みたいなお姫様はいないだろうに、桔平くんはあくまで真剣に頷く。
(お姫、さま)
頬が熱い。お姫様。誰でもない、桔平くんに……そんな風に、言ってもらえた。
亜沙姫。お姫様みたいじゃない私の名前。
なのに、桔平くんは私のことを「お姫様」だと、そう言った。
「ふ、服がね!? 服が、いつもと違うからっ」
「亜沙姫さんは24時間365日……その、素晴らしいです。どんな格好をしていても」
「ど、どうしたの?」
「けれど、──今日の装いも、よく似合われてると、俺は思います」
真剣にそう言われて、私はモゴモゴ黙り込む。ずるい。
「よし、じゃあ行くわよ亜沙姫」
おねぇちゃんは私の手を引く。
桔平くんに見守られながら、またドアの向こう、喧騒の中へ戻って──おねぇちゃんはわらった。
「亜沙姫、人に見せるんじゃないの。あなたは素人なんだから」
「……そうだよ、なんでこんな……」
「たった1人」
おねぇちゃんは続ける。
「たった1人、この会場のどこかにいる、あなたの王子様に向かって笑いなさい」
「──え?」
王子様?
えっと、それって……桔平くん?
「ん? あいつ、あなたの王子様でしょ? 席とってあるわよ」
「いや、えっと、うん」
王子様!
なんだか似合わないその呼称に、クスクスと笑ってしまう。
「よしよし」
おねぇちゃんは満足気に笑う。
そうしてふと、おねぇちゃんが私に向けるにしては珍しい、ひどく真面目な表情になる。
「ねぇ亜沙姫、あたしはね、あたしの美意識を否定されることが大嫌い」
「ん? うん、知ってるけど……」
「だからね、やり返さなきゃ気が済まなかったのよ」
おねぇちゃんはそう言って、私の頭をぽんぽん、と撫でたのだった。
10代後半から20代がターゲットのそのファッションショーは、本来おねぇちゃんみたいなカテゴリのモデルさんが出るショーじゃない。メインは読者モデルさんとか、雑誌の専属モデルさんとか……。
スマホアプリで配信されて、服やアイテムがその場で買える、というのも売りのよう。
売り上げがその場で出て、モデルさんによってその売り上げが左右されるから、人気のあるモデルさんやタレントさんが集まるみたい。
(モデルさんごとに売り上げが出るから、その競争も熾烈らしいけれど……)
おねぇちゃんがこういう仕事を受けるのは、多分珍しい。
「あのねぇ、パリでぶいぶい言わせてるアタシが歩くランウェイじゃないのよ」
「ぶいぶい言わせてるの、おねぇちゃん」
「言わせてるのよ」
ぶいぶいて……。
おねぇちゃんはそのファッションショー当日、ホテルのロビーで飄々としていた。
今回はショーに特別ゲストとして……というよりは、今回初参加の海外ブランドがおねぇちゃんを指名したらしい。
「アタシに着せてどうすんの、日本人の平均より20センチ高いのよアタシ」
おねぇちゃんはぶちぶち言っている。
「絶対一番似合うし……アタシなんでも着こなすのよ。他の子がかわいそう」
はぁ、とどこか物憂げなおねぇちゃん。自信家なのでなによりです。
……10代向けのきゃわいらしいワンピース着てるイメージ、ないんだけれどな。
「でもあの子は可哀想じゃなーい」
「あの子、って」
……泉崎さん、か。
あの日空港でおねぇちゃんが言ってた「共演」は、このファッションショーのことだった。泉崎さんこと「すみょみょん」もこのショーに出るのだそうで……。
「ていうか、おねぇちゃん。共演者全員覚えてるの?」
「顔と名前くらいはね」
済まして答えるおねぇちゃん。そんなおねぇちゃんに、一体何をする気なのか全く分からないまま、この一週間ひたすらエステやらに連れまわされたり、謎のモデルごっこに付き合わされたり、となかなかに忙しい日々を過ごした。
いいんだけど。論文も先月提出して、あとは結果を待つばかりだし……。
そうして、今に至る感じだった。
まさか、ショー当日まで呼び出されるとは思っていなかったけれど。
「ねぇ、ところでおねぇちゃん? なんの用事で私呼んだの?」
「大丈夫、全部おねぇちゃんに任せていたらいいから。亜沙姫は力抜いて天井のシミ数えてて」
「……時代劇の悪代官みたいなこと言ってないで、教えてよ」
ふふん、とおねぇちゃんは笑う。
ひんやりと背中に汗がつたう。
この笑顔のおねぇちゃんは、ロクなこと考えてない。
「小さい頃」
「……うん?」
「よくやったじゃない、モデルさんごっこ」
「したけれども」
お人形のように服をとっかえひっかえして、その時すでにモデル向けの教室に通ってたおねぇちゃんに、歩き方を徹底指導されて──。
ていうか、この一週間もそれに付き合わされ、て……。
されて。
「まさか」
私の呟きに、おねぇちゃんはいたずらをする猫のように、にんまりと唇を動かした。
そうして。
「や、やっぱりロクでもないことだった!」
「やぁあん可愛い、亜沙姫可愛いっ」
半ば拉致されるように連れてこられたのは、件のファッションショーの会場。
おねぇちゃんと謎の外国人スタッフさん総がかりで、私はやたらとフリフリしいワンピースを着させられていた。
髪の毛もセットされて、メイクばっちり。
「ひ、皮膚呼吸できないよぅ」
「あーもう、お人形? お人形なの亜沙姫?」
「いやぁ、さすがマキの妹だねぇ、とってもキレイだ」
「あげないわよ」
「残念ながら女性に性的な興味はないんだ」
日本語がやたらと堪能なメイクさん(男性)が楽しげに言う。私は鏡に写った自分に落ち着かない。
眼鏡だけは、いつものだ。
だけれど、それもコーディネートの一部かのように全身を合わせられていて。
「でも、ランウェイ歩けるのかい?」
「あたしの妹よ」
「じゃあ大丈夫か」
大丈夫なわけありません。
じとりとおねぇちゃんを見つめるけれど、おねぇちゃんは知らぬ顔。
(……しかし、すごいなぁ)
舞台袖は、戦争みたいだった。
早着替えみたいに着替えていくモデルさん。メイクさんや衣装さん(多分)が走り回る。スタッフさんもモデルさんも、みんな目が血走っていた。
その中で、……彼女の声はよく響く。
「なんでかすみがこの順番なのっ!」
「いや、それは最初から……」
「やだ!」
順番が気に食わないらしい。
けれどスタッフさんに説得されて、しぶしぶ舞台へ向かっていく。
見つからないように、コソコソと声の方向を見つめた。
そうして、息を飲む。
「あ、あの、おねぇちゃん?」
「なぁに世界一可愛い亜沙姫」
「……私が着てるの、泉崎さんと同じなのでは」
「そうねぇ」
うっとり、とおねぇちゃんは言う。
ちなみにおねぇちゃんは、また別のワンピース。おねぇちゃんだと滅多にみない服装だけれど、謎に似合っている。モデルさんすごいよぅ……。
「たまたま同じになったわねぇ」
「な、な、なんで!?」
一気に血の気が引く。
「あんな可愛い子と比べられたくないよぅ!」
地味なのだ。
私は地味メガネザルなのだ。
なにがどうして、こんな華やかなところであんな綺麗な人と比べられなきゃいけないのた。
「んんん、ふふふふふふ」
おねぇちゃんは含みがあるように笑う。
そうして私の手を引いて、廊下へ出た。
中の喧騒が嘘みたいに、しん、としている。
「馬鹿な亜沙姫、あなたはとっても可愛いのに」
「可愛くない」
「ねぇ、可愛いと思うわよね?」
誰かに声をかけて──振り向くと、桔平くんがいた。
ぼうっと私を見つめている。頬が熱くなった。
「き、ききき桔平くん!?」
「……あ、すみません。妖精がいるのかと思って」
「視力どこにやったの!?」
前から時々思ってたんだけれど。
ていうか、おねぇちゃんが呼び出した!?
「……? では、天使」
「天使もないよ!」
「天女?」
「空想の存在から離れて!」
桔平くんは首を傾げて、なにやら難しそうな顔をした。そうして、意を決したように言う。
「……お姫様、みたいです」
「……!」
私は金魚みたいに口をパクパクさせる。
こんな金魚みたいなお姫様はいないだろうに、桔平くんはあくまで真剣に頷く。
(お姫、さま)
頬が熱い。お姫様。誰でもない、桔平くんに……そんな風に、言ってもらえた。
亜沙姫。お姫様みたいじゃない私の名前。
なのに、桔平くんは私のことを「お姫様」だと、そう言った。
「ふ、服がね!? 服が、いつもと違うからっ」
「亜沙姫さんは24時間365日……その、素晴らしいです。どんな格好をしていても」
「ど、どうしたの?」
「けれど、──今日の装いも、よく似合われてると、俺は思います」
真剣にそう言われて、私はモゴモゴ黙り込む。ずるい。
「よし、じゃあ行くわよ亜沙姫」
おねぇちゃんは私の手を引く。
桔平くんに見守られながら、またドアの向こう、喧騒の中へ戻って──おねぇちゃんはわらった。
「亜沙姫、人に見せるんじゃないの。あなたは素人なんだから」
「……そうだよ、なんでこんな……」
「たった1人」
おねぇちゃんは続ける。
「たった1人、この会場のどこかにいる、あなたの王子様に向かって笑いなさい」
「──え?」
王子様?
えっと、それって……桔平くん?
「ん? あいつ、あなたの王子様でしょ? 席とってあるわよ」
「いや、えっと、うん」
王子様!
なんだか似合わないその呼称に、クスクスと笑ってしまう。
「よしよし」
おねぇちゃんは満足気に笑う。
そうしてふと、おねぇちゃんが私に向けるにしては珍しい、ひどく真面目な表情になる。
「ねぇ亜沙姫、あたしはね、あたしの美意識を否定されることが大嫌い」
「ん? うん、知ってるけど……」
「だからね、やり返さなきゃ気が済まなかったのよ」
おねぇちゃんはそう言って、私の頭をぽんぽん、と撫でたのだった。
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