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【高校編】分岐・鹿王院樹
悪役令嬢、設楽華(短文)
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吹っ切れた。
吹っ切れました。私、悪役令嬢なんです。どうしたってそんな役回りなら、徹底的にワガママ言ってやる。
そう決めました。
(でも)
もし、樹くんが本当に誰かに恋をしたら、……、その時はちゃんとサヨナラしよう、とは思う。
でもそれが確信に変わるギリギリ、ほんとギリギリまでは許婚として徹底的に! ワガママ放題してやります!
「あ、ごめん」
「緊張しているのか」
「ぜーんぜん?」
ふふ、と私は笑う。ダンスパーティー、なんとか踊れてる(?)気がする。
「来年はもう少し踊れるようになってたいな」
「ふ、練習あるのみだな」
笑う樹くんに、私の心はぎゅうう、となる。ゲームのシナリオ通りで、なおかつ樹くんルートなら、樹くんは私と踊らない。ヒロインちゃんと、中庭の噴水の前で踊るんだ。
(でも、分かんないからね)
分かんないから。たとえシナリオ通りにすすんでても、樹くんとヒロインちゃんがお互い両思いになるとは限らないですしおすし。
「樹くん、来年もぜーったい、私と踊ってね」
「当たり前だ」
笑う樹くんに、「絶対だよ!」と私は念押しする。
(恋なんかしないで)
私のこと、家族みたいに思ってていいよ。思ってていい。家族みたいなら、ほんとに私と家族になればいいじゃん。
私はとてもワガママなので、そんな風に思った。
吹っ切れました。私、悪役令嬢なんです。どうしたってそんな役回りなら、徹底的にワガママ言ってやる。
そう決めました。
(でも)
もし、樹くんが本当に誰かに恋をしたら、……、その時はちゃんとサヨナラしよう、とは思う。
でもそれが確信に変わるギリギリ、ほんとギリギリまでは許婚として徹底的に! ワガママ放題してやります!
「あ、ごめん」
「緊張しているのか」
「ぜーんぜん?」
ふふ、と私は笑う。ダンスパーティー、なんとか踊れてる(?)気がする。
「来年はもう少し踊れるようになってたいな」
「ふ、練習あるのみだな」
笑う樹くんに、私の心はぎゅうう、となる。ゲームのシナリオ通りで、なおかつ樹くんルートなら、樹くんは私と踊らない。ヒロインちゃんと、中庭の噴水の前で踊るんだ。
(でも、分かんないからね)
分かんないから。たとえシナリオ通りにすすんでても、樹くんとヒロインちゃんがお互い両思いになるとは限らないですしおすし。
「樹くん、来年もぜーったい、私と踊ってね」
「当たり前だ」
笑う樹くんに、「絶対だよ!」と私は念押しする。
(恋なんかしないで)
私のこと、家族みたいに思ってていいよ。思ってていい。家族みたいなら、ほんとに私と家族になればいいじゃん。
私はとてもワガママなので、そんな風に思った。
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