202 / 702
分岐・相良仁
"私なんか"(side仁)
しおりを挟む
「かっこいいなぁ」
華が黒田の背中に向けてそう言ってたことを唐突に思い出して、俺はやっぱり切なくなる。そういう意味じゃないんだろうけどさ……、そろそろ絆されてもおかしくない。……ほんと、なんの因果でこんなの見守んなきゃいけないんだっての。
「最初、警察行くか」
「え、なんで」
「や、そりゃお前、拉致られかけてたんだから行かなきゃだろ」
「え、あ、そっか」
車の中で、俺は華を軽く撫でる。さすがに少し混乱しているらしい。当たり前だ。
「仁」
「ん?」
「ごめん、毎回、なんか、助けてもらって」
「……俺的にはありがとうとかのが嬉しいんだけど」
「……あは」
笑う華から、ぽろりと涙が溢れる。ふるふる、と体が震えていて、華は小さく体を抱きしめるように丸まった。
(怖かったよな)
俺は車を路肩に止めた。
「華」
シートベルトを外して、体を乗り出す。ぎゅうっと抱きしめて、後頭部をポンポンと撫でる。
「怖い思いさせてごめん」
「……なんで仁が謝るの」
「……色々あんだよ」
俺は色んな言えないことがコイツに伝わってくれたら良いのにって思うけど、そうはいかない。俺はエスパーじゃないし。だから言わなきゃいけないけど……少なくとも今は違う。
しばらくそうしていると、華が落ち着いてきたので身体を離す。
「ごめん、……じゃないや、ありがと」
華が笑って見上げる。
「なんでそんなに優しいの?」
「は? なんだ唐突に」
「なんでいっつも助けてくれるの」
華の顔立ちは14歳のあどけないものだ。でもその目は、中身と同じ大人の女と同じ目をしているようで俺はドギマギする。
(え? え? え? なに? チャンス到来?)
到来なの? 春きちゃうの?
慌てているうちに、ふ、とその目が元のように戻っちゃう感じがした。
「ま、あんたお人好しだもんね」
「え」
「さっさといこ、警察。私、その宗教? それのこの辺にあるっていう教会、行ってみたいんだよね」
うまいこと忍び込めないかな、なんて言うので俺は浮かれた気分を取りあえず閉まって、華の頭をはたく。
「っいったっ」
「危険なコトすんなっつってんだろ」
「でもー」
「でももクソない」
ちぇ、と口を尖らせる華を警察署に連れて行く。何はともあれ、元気が出て良かった。
華が応接室に案内されてるあいだに(コイツがとんでもなくお嬢様だと分かった瞬間に相手をする警官の階級がはね上がった、ほんとゲンキンだよな)俺は警察署で合流した華のばーさんに、ザッと状況を説明する。
「と、いうわけでして」
はぁ、とばーさんは息をつく。
「家に閉じ込めでもしておかないと、あの子勝手に家を飛び出すかもしれないわ」
「あー」
ありえるな。行くなって言っても聞かなさそう。
(ま、心配なのは分かるけど)
「あたしが説得しても余計に反発くらいそう」
「ですかねぇ……」
「圭に連絡して泣き落としでもさせようかしら」
「ああ、それ効きそうですね」
「とにかく……あら、ごめんなさい」
敦子サンのスマホが震えて、彼女は電話に出た。
「はぁ!?」
その声にちょっと驚く。
「どういうこと、それは?」
仕事のトラブルだろう、と察し、俺は肩をすくめた。
「ここは任せてもらって大丈夫ですよ、お嬢さんは家まできちんと送って閉じ込めておきます」
「……お任せしていいかしら」
「はい」
「華にケガひとつでもさせたらクビですからね」
「はいはい」
「よろしくね、護衛さん」
敦子サンは心配そうな目のまま、歩き出す。
「すぐにもどります」
「わっかりましたー」
早足で歩いて行くその後ろ姿に、敬礼なんかしてみせちゃう。
くるりと振り向くと、華と目が合った。
「え、嘘」
いたの。
え、聞かれたの?
「仁」
「はい」
「いまの、どういう意味? 護衛?」
「……あのな」
俺は色々考える。ごまかす? できるだろう。でも、もう話してしまった方が楽かもしれない。こいつを側で守るために。
「車戻るか」
「……うん」
車に乗り込んで、少しだけ移動して、車を停めた。しばし無言。それから俺はぽつぽつと説明した。何人かでチーム組んで、華を護衛してること。俺が教師なんかしてるのは、学校内でのトラブルに備えてってこと。
「そー……だったんだ」
「おう。だからな、俺は」
言葉を続けようとした俺に、華は言う。硬い声だった。
「……違ったんだ」
「は?」
「私、仁がなんやかんや側にいてくれたり、優しくしてくれたりするのって、友達でも、特別な友達だからだと思ってた」
ぎゅう、と膝の上で握りしめられた両手。
「華」
「仕事だったからなんだ」
その声は震えていて、俺は焦る。違う、そうじゃなくて。
「華、」
名前を呼ぶけど届いていない。
「だよね、そうじゃなきゃ私なんかと」
俺はほんの少しフリーズする。"私なんか?"
私なんか、ってなんだそれ。俺は俺自身を否定されたような気分になる。
「……ふざけんな」
思わず低い声が漏れた。
「え?」
少し怯えたように俺を見上げる華に、俺は感情を爆発させてしまう。
なんだよ、"私なんか"って。そんな"私なんか"をずっと好きな俺はなんなんだよ。
(お前だけは)
お前だけは、俺を否定しないでくれ。
「アホか! バカか! 気づけよ!」
「え? な、なによ」
身体を引く華に、俺は宣言する。
「俺はな! お前のこと友達だと思ったこと一度もねーよ!」
「え、」
華の顔が悲しみに染まるけど、違う、そうじゃない。
俺は縋り付くみたいにその両手を握りしめる。
「……お前を傷つける男は全員殺してやりたいと思ってた」
「……は?」
「俺だったら、セカンド扱いなんかしないのにっていっつも思ってた」
「え」
「今だって黒田に嫉妬してるよ! お前の許婚にも! なんで俺じゃないんだよなんでこんなに年齢差あるんだよ」
「仁」
「頼むよ」
俺は握りしめたその手の甲に唇を落とした。
「え、えっと、仁!?」
「今度は守らせてくれ」
「でも、その」
真っ赤になって目線がウロウロしてる。あーあ、俺はもっと早くこういうべきだった。
「そうしたら、お前を死なせることもなかったのに」
「あ、の」
「今度は絶対守る」
目が合った。半分睨むみたいに華を見つめる。
(あーあ)
こんなつもりじゃなかったのに。
華はほんの少し目を伏せて「ごめん」と呟いた。
「……ありがとうの方が嬉しい」
「そか」
そうだった、そう言って華は笑った。
「ありがと、仁」
「……うん」
俺はなんかもう、色々我慢する。その代わりに、またその手の甲にキスを落とした。お姫様にするみたいに。
「返事は高校の卒業式で聞く」
「え」
「側にいられなくなったら、元も子もないから」
「あ……えっと」
「その代わり」
俺はじっと華を見つめた。
「お前の18歳以降の人生、その横にいる権利、俺に予約させといて」
「え」
「だめ?」
「だ、だめっていうか、その」
戸惑うように華は口ごもる。
「その?」
「か」
「か?」
「考えとく……」
華が真っ赤になって俯くから、俺はそれで満足しちゃう。
考えてくれるだけで十分だよ、今は。
今は、な。
華が黒田の背中に向けてそう言ってたことを唐突に思い出して、俺はやっぱり切なくなる。そういう意味じゃないんだろうけどさ……、そろそろ絆されてもおかしくない。……ほんと、なんの因果でこんなの見守んなきゃいけないんだっての。
「最初、警察行くか」
「え、なんで」
「や、そりゃお前、拉致られかけてたんだから行かなきゃだろ」
「え、あ、そっか」
車の中で、俺は華を軽く撫でる。さすがに少し混乱しているらしい。当たり前だ。
「仁」
「ん?」
「ごめん、毎回、なんか、助けてもらって」
「……俺的にはありがとうとかのが嬉しいんだけど」
「……あは」
笑う華から、ぽろりと涙が溢れる。ふるふる、と体が震えていて、華は小さく体を抱きしめるように丸まった。
(怖かったよな)
俺は車を路肩に止めた。
「華」
シートベルトを外して、体を乗り出す。ぎゅうっと抱きしめて、後頭部をポンポンと撫でる。
「怖い思いさせてごめん」
「……なんで仁が謝るの」
「……色々あんだよ」
俺は色んな言えないことがコイツに伝わってくれたら良いのにって思うけど、そうはいかない。俺はエスパーじゃないし。だから言わなきゃいけないけど……少なくとも今は違う。
しばらくそうしていると、華が落ち着いてきたので身体を離す。
「ごめん、……じゃないや、ありがと」
華が笑って見上げる。
「なんでそんなに優しいの?」
「は? なんだ唐突に」
「なんでいっつも助けてくれるの」
華の顔立ちは14歳のあどけないものだ。でもその目は、中身と同じ大人の女と同じ目をしているようで俺はドギマギする。
(え? え? え? なに? チャンス到来?)
到来なの? 春きちゃうの?
慌てているうちに、ふ、とその目が元のように戻っちゃう感じがした。
「ま、あんたお人好しだもんね」
「え」
「さっさといこ、警察。私、その宗教? それのこの辺にあるっていう教会、行ってみたいんだよね」
うまいこと忍び込めないかな、なんて言うので俺は浮かれた気分を取りあえず閉まって、華の頭をはたく。
「っいったっ」
「危険なコトすんなっつってんだろ」
「でもー」
「でももクソない」
ちぇ、と口を尖らせる華を警察署に連れて行く。何はともあれ、元気が出て良かった。
華が応接室に案内されてるあいだに(コイツがとんでもなくお嬢様だと分かった瞬間に相手をする警官の階級がはね上がった、ほんとゲンキンだよな)俺は警察署で合流した華のばーさんに、ザッと状況を説明する。
「と、いうわけでして」
はぁ、とばーさんは息をつく。
「家に閉じ込めでもしておかないと、あの子勝手に家を飛び出すかもしれないわ」
「あー」
ありえるな。行くなって言っても聞かなさそう。
(ま、心配なのは分かるけど)
「あたしが説得しても余計に反発くらいそう」
「ですかねぇ……」
「圭に連絡して泣き落としでもさせようかしら」
「ああ、それ効きそうですね」
「とにかく……あら、ごめんなさい」
敦子サンのスマホが震えて、彼女は電話に出た。
「はぁ!?」
その声にちょっと驚く。
「どういうこと、それは?」
仕事のトラブルだろう、と察し、俺は肩をすくめた。
「ここは任せてもらって大丈夫ですよ、お嬢さんは家まできちんと送って閉じ込めておきます」
「……お任せしていいかしら」
「はい」
「華にケガひとつでもさせたらクビですからね」
「はいはい」
「よろしくね、護衛さん」
敦子サンは心配そうな目のまま、歩き出す。
「すぐにもどります」
「わっかりましたー」
早足で歩いて行くその後ろ姿に、敬礼なんかしてみせちゃう。
くるりと振り向くと、華と目が合った。
「え、嘘」
いたの。
え、聞かれたの?
「仁」
「はい」
「いまの、どういう意味? 護衛?」
「……あのな」
俺は色々考える。ごまかす? できるだろう。でも、もう話してしまった方が楽かもしれない。こいつを側で守るために。
「車戻るか」
「……うん」
車に乗り込んで、少しだけ移動して、車を停めた。しばし無言。それから俺はぽつぽつと説明した。何人かでチーム組んで、華を護衛してること。俺が教師なんかしてるのは、学校内でのトラブルに備えてってこと。
「そー……だったんだ」
「おう。だからな、俺は」
言葉を続けようとした俺に、華は言う。硬い声だった。
「……違ったんだ」
「は?」
「私、仁がなんやかんや側にいてくれたり、優しくしてくれたりするのって、友達でも、特別な友達だからだと思ってた」
ぎゅう、と膝の上で握りしめられた両手。
「華」
「仕事だったからなんだ」
その声は震えていて、俺は焦る。違う、そうじゃなくて。
「華、」
名前を呼ぶけど届いていない。
「だよね、そうじゃなきゃ私なんかと」
俺はほんの少しフリーズする。"私なんか?"
私なんか、ってなんだそれ。俺は俺自身を否定されたような気分になる。
「……ふざけんな」
思わず低い声が漏れた。
「え?」
少し怯えたように俺を見上げる華に、俺は感情を爆発させてしまう。
なんだよ、"私なんか"って。そんな"私なんか"をずっと好きな俺はなんなんだよ。
(お前だけは)
お前だけは、俺を否定しないでくれ。
「アホか! バカか! 気づけよ!」
「え? な、なによ」
身体を引く華に、俺は宣言する。
「俺はな! お前のこと友達だと思ったこと一度もねーよ!」
「え、」
華の顔が悲しみに染まるけど、違う、そうじゃない。
俺は縋り付くみたいにその両手を握りしめる。
「……お前を傷つける男は全員殺してやりたいと思ってた」
「……は?」
「俺だったら、セカンド扱いなんかしないのにっていっつも思ってた」
「え」
「今だって黒田に嫉妬してるよ! お前の許婚にも! なんで俺じゃないんだよなんでこんなに年齢差あるんだよ」
「仁」
「頼むよ」
俺は握りしめたその手の甲に唇を落とした。
「え、えっと、仁!?」
「今度は守らせてくれ」
「でも、その」
真っ赤になって目線がウロウロしてる。あーあ、俺はもっと早くこういうべきだった。
「そうしたら、お前を死なせることもなかったのに」
「あ、の」
「今度は絶対守る」
目が合った。半分睨むみたいに華を見つめる。
(あーあ)
こんなつもりじゃなかったのに。
華はほんの少し目を伏せて「ごめん」と呟いた。
「……ありがとうの方が嬉しい」
「そか」
そうだった、そう言って華は笑った。
「ありがと、仁」
「……うん」
俺はなんかもう、色々我慢する。その代わりに、またその手の甲にキスを落とした。お姫様にするみたいに。
「返事は高校の卒業式で聞く」
「え」
「側にいられなくなったら、元も子もないから」
「あ……えっと」
「その代わり」
俺はじっと華を見つめた。
「お前の18歳以降の人生、その横にいる権利、俺に予約させといて」
「え」
「だめ?」
「だ、だめっていうか、その」
戸惑うように華は口ごもる。
「その?」
「か」
「か?」
「考えとく……」
華が真っ赤になって俯くから、俺はそれで満足しちゃう。
考えてくれるだけで十分だよ、今は。
今は、な。
20
お気に入りに追加
3,084
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢なので舞台である学園に行きません!
神々廻
恋愛
ある日、前世でプレイしていた乙女ゲーに転生した事に気付いたアリサ・モニーク。この乙女ゲーは悪役令嬢にハッピーエンドはない。そして、ことあるイベント事に死んでしまう.......
だが、ここは乙女ゲーの世界だが自由に動ける!よし、学園に行かなければ婚約破棄はされても死にはしないのでは!?
全8話完結 完結保証!!
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。
【完結】死がふたりを分かつとも
杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」
私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。
ああ、やった。
とうとうやり遂げた。
これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。
私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。
自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。
彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。
それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。
やれるかどうか何とも言えない。
だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。
だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺!
◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。
詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。
◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。
1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。
◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます!
◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
曰く、私は悪女らしいです
しーしび
恋愛
父の関心を得れず、継母との関係は最悪。
更には皆に愛される病弱な妹には婚約者を奪われ──
喪失感から逃げ出したベアトリーチェは新たな出会いを果たし、王都で妹達と再会する事となる。
******
よくある婚約破棄ものをちょこちょこいじったものです。
※誤字脱字報告大歓迎!
※ご都合主義、ゆる設定
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる