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分岐・黒田健
警察署
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「とにかく、その教団があるってとこに行ってみるか?」
黒田くんは、学校を飛び出ながらそう言った。
「入れるかな?」
「無理かもな……ダメ元で親父んとこ寄ってもいいか? 何か聞けるかもしれねー」
黒田くんのお父さんは警察官なのだ。
「バスだな」
「うん」
私はうなずきながら、なんとか真さんに連絡しなきゃ、と考えていた。
(樹くんにかけてみよう)
バス停で、お子様スマホを取り出して樹くんに電話をかける。
(出る、かな?)
授業中だろうし、無理かなと思ったが出てくれた。
『華? どうかしたか』
「樹くん! 真さんと話せる?」
『真さん? なぜだ』
「あのね、千晶ちゃんが……わぁっ!?」
私は突然腕を掴まれて、ぐいっと引かれた。スマホを落として、それがアスファルトにぶつかる音。それから口を塞がれる。
「んー! んー! んー!?」
「静かにしなさい、これも聖女の啓示なのですよ」
(聖女!?)
一体、なんの話!?
私を羽交い締めにしていた男の人がそう言って、黒田くんが私たちに向かって叫ぶ。
「設楽っ」
黒田くんも大人2人に押さえつけられている。
すーっと、黒いセダンが近づいてきてドアが開いた。
「さあ、乗って」
私は涙目になりながら抵抗する。
「っざけんなっ」
黒田くんが頭突きをして、彼を押さえていた内の1人がふらつく。鼻血が宙にまう。その隙に抜け出して、もう1人の頬に拳。血と一緒に、何か白いものが飛んだ。
(歯っ!)
ひゃあ、痛そう、なんて思ってしまうけど、そんな場合ではない。私も、せめて私の口を塞ぐその手を噛もう、とした瞬間、その男の人は「んぐっ」という低い声と共に倒れた。
「僕の生徒になんのご用事ですかねぇ?」
「さ、相良先生っ」
私はさっ、と相良先生の後ろに隠される。
男の人は立ち上がり、キョロキョロした後車に飛び乗った。黒田くんに頭突きと殴られた2人も。すぐさま車は動き出す。
へなへな、と座り込んだ。
「設楽っ」
「黒田くん」
黒田くんに支えられて、なんとか立ち上がる。
「ケガないか」
「うん」
私の頬に手を当てて、黒田くんはほう、と息をついた。
「あざっした」
相良先生に頭を下げる。
「俺だけだと、ヤバかったっす」
「そうでもなさそうだったけど」
相良先生は肩をすくめて、「大丈夫だった?」と私に聞いた。
「あ、はい」
「そ?」
それから、呆然としている私に代わって落ちているお子様ケータイを拾い上げ、「はいはい、おたくの許婚さんはご無事ですよ」とお子様ケータイに向かって、少し眉を寄せてから言った。
それから私にスマホを渡す。スマホの向こうからは、樹くんの焦燥した声。
『華!』
「い、樹くん」
樹くんは一瞬、息を飲む。それから長いため息の後、『無事で良かった』と弱々しく呟いた。
『華に、何かあったらどうしようかと』
「大丈夫、先生と黒田くんが助けてくれたから」
そう言って先生を見上げると、先生は笑った。黒田くんは渋い顔。
『ああ、黒田……か。それと"先生"だな。なるほど』
含みのある言い方に、私は首を傾げた。
『"先生"から離れるんじゃないぞ、華』
「? うん」
『当面、その人といれば安全だろう』
不思議なほど確信している声。なんでだろ。不思議に思いながらも、本題を思い出す。
「あ、それでねっ」
私が事情を話すと、樹くんは『真さんに連絡して、すぐに折り返す』と約束してくれた。
お子様ケータイをカバンにしまうと、相良先生はにこりと笑った。
「とりあえず、家まで送りますよ設楽さん」
「え、でも」
先生、授業とか大丈夫なんだろうか。
先生は笑う。
「こっちも重要な仕事なんで」
そんな風に言う先生の車に、学校まで戻って、私たちは後部座席に乗り込む。国産のSUV車。少しだけ、前世の友達を思い出した。似たような車に乗ってたから。
「さがらん、設楽んちじゃなくて東署行けるか」
「え、行けるけど。なんで? あ、被害届出さなきゃだもんね」
「それもあるけど、……鍋島の件、親父に聞くだけ聞いてみる、何か掴んでねぇか」
「捜査情報は漏らさないんじゃない?」
「ダメ元っスよ」
ダメ元ねぇ、そう言いながら先生は車を走らせてくれる。
黒田くんはその間に、スマホで電話をかけ始めた。
「ねぇ、先生」
「ん?」
「運転、上手ですね」
「……そう?」
「うん、あー、眠くなる感じの」
「……あー」
先生は笑った。
「変わらねーなぁ」
「ん? 何がです?」
「ひとりごと……黒田、お父さんなんて?」
「話だけは聞いてやる、って」
黒田くんは肩をすくめた。
「期待薄かもしんねー」
警察署について、私たちはロビーに入る。
「健」
「親父」
スーツ姿の、黒田くんのお父さんが軽く手を挙げて歩いて来た。
「どうもお世話になってます、健の父です」
「どうも、担任の相良です」
大人たちは軽く頭を下げ合う。何やらお互い、値踏みし合う目線な気がした。
「華さんは、ケガはなかった?」
「はい」
「その件については、後で担当が話を聞くね。それでいいかな?」
私はうなずく。
「で、鍋島さんの話だよね。こっちへ」
言われた通りについていくと、小さな応接室のような部屋に通された。
「座って」
茶色い革張りの(とはいえ少し安っぽい)ソファに黒田くんと相良先生と並んで座る。私が真ん中……ちょっと、狭い。まぁいっか。
向かいに黒田くんのお父さんが座る。
「鍋島さんの話はウチも朝から持ちきりです……誘拐の可能性もあるので、公開捜査はされていません。ですが」
ひとつ、間をとって黒田くんのお父さんは言う。
「例の、女子中学生連続失踪事件との関連性も考えられます」
「実は」
私は話を引き取った。
「千晶ちゃんは、その事件が例の宗教がらみじゃないか、って気にしていたんです」
「……ほう?」
「それから、昨日の下校時刻ごろに、転校生の女の子といた、って話も」
「それは、……石宮さんかな? 石宮瑠璃さん」
「……!」
「親父、知ってんのか」
「オフレコだよ」
黒田くんのお父さんは、唇に人差し指を当てて言う。
「まぁぶっちゃけ、物的証拠がないだけで、こっちとしてもあの宗教は怪しいと踏んでる」
「マジかよ、なんで踏みこまねえんだ」
「あのね、証拠がないと令状おりないの」
黒田くんのお父さんは苦々しい顔をする。
「裁判所は厳しいんだからね」
「じゃあ、なんで怪しいって?」
相良先生が聞くと、黒田くんのお父さんはふ、と笑った。
「ご存知なのでは?」
「さあ、僕は何も」
相良先生は肩をすくめた。
(……先生?)
「まぁいいでしょう。……例の宗教の本部は長崎。各支部があるのが、九州各県と、山口、大阪、三重、岐阜、神奈川。見事に事件が起きた府県と一致しているんです」
「えっ」
「もっともこれは、ネットにもすでに推測する声が出ていて、実際に通報もあるんです。怪しいのではないか、と……ですが、先ほども言いましたが証拠はなにもない。偶然といえば偶然です。こんなことでは令状は降りない」
黒田くんのお父さんは目を細めた。
「なんで石宮の名前が出てきたんだ?」
黒田くんが言う。
「まぁそんなことで、一応あの宗教はこまめにチェックが入ってて。石宮さんはあそこの神奈川支部に出入りしてるんだ」
「どう考えても真っ黒じゃねーか、踏み込めよクソ親父」
「それを決めるのは俺じゃないんだよ健」
黒田くんのお父さんは、残念そうに、しかし確信がある声で言った。
「俺のカンでも、あそこが黒幕だと思う」
黒田くんは、学校を飛び出ながらそう言った。
「入れるかな?」
「無理かもな……ダメ元で親父んとこ寄ってもいいか? 何か聞けるかもしれねー」
黒田くんのお父さんは警察官なのだ。
「バスだな」
「うん」
私はうなずきながら、なんとか真さんに連絡しなきゃ、と考えていた。
(樹くんにかけてみよう)
バス停で、お子様スマホを取り出して樹くんに電話をかける。
(出る、かな?)
授業中だろうし、無理かなと思ったが出てくれた。
『華? どうかしたか』
「樹くん! 真さんと話せる?」
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「あのね、千晶ちゃんが……わぁっ!?」
私は突然腕を掴まれて、ぐいっと引かれた。スマホを落として、それがアスファルトにぶつかる音。それから口を塞がれる。
「んー! んー! んー!?」
「静かにしなさい、これも聖女の啓示なのですよ」
(聖女!?)
一体、なんの話!?
私を羽交い締めにしていた男の人がそう言って、黒田くんが私たちに向かって叫ぶ。
「設楽っ」
黒田くんも大人2人に押さえつけられている。
すーっと、黒いセダンが近づいてきてドアが開いた。
「さあ、乗って」
私は涙目になりながら抵抗する。
「っざけんなっ」
黒田くんが頭突きをして、彼を押さえていた内の1人がふらつく。鼻血が宙にまう。その隙に抜け出して、もう1人の頬に拳。血と一緒に、何か白いものが飛んだ。
(歯っ!)
ひゃあ、痛そう、なんて思ってしまうけど、そんな場合ではない。私も、せめて私の口を塞ぐその手を噛もう、とした瞬間、その男の人は「んぐっ」という低い声と共に倒れた。
「僕の生徒になんのご用事ですかねぇ?」
「さ、相良先生っ」
私はさっ、と相良先生の後ろに隠される。
男の人は立ち上がり、キョロキョロした後車に飛び乗った。黒田くんに頭突きと殴られた2人も。すぐさま車は動き出す。
へなへな、と座り込んだ。
「設楽っ」
「黒田くん」
黒田くんに支えられて、なんとか立ち上がる。
「ケガないか」
「うん」
私の頬に手を当てて、黒田くんはほう、と息をついた。
「あざっした」
相良先生に頭を下げる。
「俺だけだと、ヤバかったっす」
「そうでもなさそうだったけど」
相良先生は肩をすくめて、「大丈夫だった?」と私に聞いた。
「あ、はい」
「そ?」
それから、呆然としている私に代わって落ちているお子様ケータイを拾い上げ、「はいはい、おたくの許婚さんはご無事ですよ」とお子様ケータイに向かって、少し眉を寄せてから言った。
それから私にスマホを渡す。スマホの向こうからは、樹くんの焦燥した声。
『華!』
「い、樹くん」
樹くんは一瞬、息を飲む。それから長いため息の後、『無事で良かった』と弱々しく呟いた。
『華に、何かあったらどうしようかと』
「大丈夫、先生と黒田くんが助けてくれたから」
そう言って先生を見上げると、先生は笑った。黒田くんは渋い顔。
『ああ、黒田……か。それと"先生"だな。なるほど』
含みのある言い方に、私は首を傾げた。
『"先生"から離れるんじゃないぞ、華』
「? うん」
『当面、その人といれば安全だろう』
不思議なほど確信している声。なんでだろ。不思議に思いながらも、本題を思い出す。
「あ、それでねっ」
私が事情を話すと、樹くんは『真さんに連絡して、すぐに折り返す』と約束してくれた。
お子様ケータイをカバンにしまうと、相良先生はにこりと笑った。
「とりあえず、家まで送りますよ設楽さん」
「え、でも」
先生、授業とか大丈夫なんだろうか。
先生は笑う。
「こっちも重要な仕事なんで」
そんな風に言う先生の車に、学校まで戻って、私たちは後部座席に乗り込む。国産のSUV車。少しだけ、前世の友達を思い出した。似たような車に乗ってたから。
「さがらん、設楽んちじゃなくて東署行けるか」
「え、行けるけど。なんで? あ、被害届出さなきゃだもんね」
「それもあるけど、……鍋島の件、親父に聞くだけ聞いてみる、何か掴んでねぇか」
「捜査情報は漏らさないんじゃない?」
「ダメ元っスよ」
ダメ元ねぇ、そう言いながら先生は車を走らせてくれる。
黒田くんはその間に、スマホで電話をかけ始めた。
「ねぇ、先生」
「ん?」
「運転、上手ですね」
「……そう?」
「うん、あー、眠くなる感じの」
「……あー」
先生は笑った。
「変わらねーなぁ」
「ん? 何がです?」
「ひとりごと……黒田、お父さんなんて?」
「話だけは聞いてやる、って」
黒田くんは肩をすくめた。
「期待薄かもしんねー」
警察署について、私たちはロビーに入る。
「健」
「親父」
スーツ姿の、黒田くんのお父さんが軽く手を挙げて歩いて来た。
「どうもお世話になってます、健の父です」
「どうも、担任の相良です」
大人たちは軽く頭を下げ合う。何やらお互い、値踏みし合う目線な気がした。
「華さんは、ケガはなかった?」
「はい」
「その件については、後で担当が話を聞くね。それでいいかな?」
私はうなずく。
「で、鍋島さんの話だよね。こっちへ」
言われた通りについていくと、小さな応接室のような部屋に通された。
「座って」
茶色い革張りの(とはいえ少し安っぽい)ソファに黒田くんと相良先生と並んで座る。私が真ん中……ちょっと、狭い。まぁいっか。
向かいに黒田くんのお父さんが座る。
「鍋島さんの話はウチも朝から持ちきりです……誘拐の可能性もあるので、公開捜査はされていません。ですが」
ひとつ、間をとって黒田くんのお父さんは言う。
「例の、女子中学生連続失踪事件との関連性も考えられます」
「実は」
私は話を引き取った。
「千晶ちゃんは、その事件が例の宗教がらみじゃないか、って気にしていたんです」
「……ほう?」
「それから、昨日の下校時刻ごろに、転校生の女の子といた、って話も」
「それは、……石宮さんかな? 石宮瑠璃さん」
「……!」
「親父、知ってんのか」
「オフレコだよ」
黒田くんのお父さんは、唇に人差し指を当てて言う。
「まぁぶっちゃけ、物的証拠がないだけで、こっちとしてもあの宗教は怪しいと踏んでる」
「マジかよ、なんで踏みこまねえんだ」
「あのね、証拠がないと令状おりないの」
黒田くんのお父さんは苦々しい顔をする。
「裁判所は厳しいんだからね」
「じゃあ、なんで怪しいって?」
相良先生が聞くと、黒田くんのお父さんはふ、と笑った。
「ご存知なのでは?」
「さあ、僕は何も」
相良先生は肩をすくめた。
(……先生?)
「まぁいいでしょう。……例の宗教の本部は長崎。各支部があるのが、九州各県と、山口、大阪、三重、岐阜、神奈川。見事に事件が起きた府県と一致しているんです」
「えっ」
「もっともこれは、ネットにもすでに推測する声が出ていて、実際に通報もあるんです。怪しいのではないか、と……ですが、先ほども言いましたが証拠はなにもない。偶然といえば偶然です。こんなことでは令状は降りない」
黒田くんのお父さんは目を細めた。
「なんで石宮の名前が出てきたんだ?」
黒田くんが言う。
「まぁそんなことで、一応あの宗教はこまめにチェックが入ってて。石宮さんはあそこの神奈川支部に出入りしてるんだ」
「どう考えても真っ黒じゃねーか、踏み込めよクソ親父」
「それを決めるのは俺じゃないんだよ健」
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