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悪役令嬢はいい夢を見る(side黒田健)
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すやすや、と眠る設楽。
お腹いっぱい食べて、車に乗ってたらそりゃ眠るだろうなとおもう。
(よだれ)
俺は少し口の端をあげる。こんなんも可愛いと思ってしまうのだから、惚れた弱みってやつだろう。軽くタオルでぬぐう。起きるそぶりはない。
「結局なんだったんだ」
「さぁ、な。あの車は居なくなったが、また別の車で尾行されている可能性もある」
「チッ」
「あなたの仕事関係?」
「いや。確認したところ、さっきの車の運転手は若い女性だったし、俺の今追ってる件とは様子が違う」
「若い女ぁ?」
俺は聞き返した。
「なんでそんなヤツが親父か設楽かわかんねーけど尾行するんだ」
「知らん。で、なぜ華さんなんだ」
「わかんねーけど、コイツそういうとこあるから」
「そういうとこって何だ」
「……変なやつに好かれたり、とか」
「ふむ? ところで、華さんのお家はお金持ちだったりするね?」
「唐突だなオイ。なんでだよ」
「身につけてるものがキチンとしすぎている。服もカバンも、おいそれとは買えないものだよ」
「そうかぁ?」
ファッションのことは良くわからない。今日もシンプルなワンピースを着ていたが、設楽に似合ってる、としか思わなかった。
「なんかおばあさんが会社経営してるとか言ってたな」
「苗字は設楽? おばあさんも」
「や、常盤」
俺は表札を思い出しながら言った。
「常盤……、常盤敦子か。なるほど」
「知ってんのか」
「常盤コンツェルンの会長の妹だろう」
「は?」
「知らんのか常盤コンツェルン」
「知らね」
親父は呆れたように、いくつか会社の名前を挙げた。メガバンク、自動車会社、大手重工、その他もろもろ。
「すべて傘下だ」
「……まじかよ」
とんでもねーお嬢様じゃねぇか。
(そりゃ許婚なんかもいるわな)
少し胸が痛くなる。
「となると、健の勘も捨てたものではないな。営利目的誘拐の可能性も捨てきれない」
「……誘拐?」
俺の声が硬くなったのに気づいたのか、親父は「心当たりが?」と聞いてくる。
「……いや」
そう答えながら、俺はぐっと拳を握りしめる。
(もうあんな思いさせてたまるか)
「とりあえず今日は玄関先まできっちり送り届けよう。俺がおばあさんに話をするから」
そう言って親父はその後無言で運転を続けた。
俺も黙って外を眺めていたが、試合の疲れもあって、徐々に瞼が重くなる。
少し手を伸ばし、こっそり設楽の指先に触れた。
(今だけ)
指先から伝わる体温。
(眠るまで)
本格的に瞼が重くなる。
設楽がいい夢を見ているならいいと思う。
「おい、起きろ」
「うお」
びくり、と目を覚ます。
「着いたぞ」
「もうー、あなたがナビ通りに走らないから遅くなっちゃったじゃない」
「いや近道になったはずだ」
「ほんとにもう!」
見ると、設楽の家の前だった。午後8時半。車の横をでかいバイクが走り抜けて行く音で、はっきり目がさめる。
(家の電気は付いてんな)
このあいだのように不在、ということはなさそうだ。
「おい設楽、着いたってよ」
「ううん、もう食べられない」
「……なんの夢見てんだお前」
「むにゃあ」
起きそうにない。まぁ、いい夢は見ているようで何よりだ。
「起きねんだけど」
「とりあえず、おばあさま呼ぶか」
親父はインターフォンを押す。俺も車から降りて設楽側のドアを開ける。やっぱり起きそうにない。
(またよだれ)
どんだけだよ、と笑いながら、また拭いてやる。すげえ可愛いとか思っちゃうから重症だ。
「はぁい」
設楽のおばあさんは、インターフォン越しではなく、直接玄関から出てきた。
「すみません、ご迷惑を」
「とんでもありません、楽しく過ごさせていただきました」
「おかえり華……って、寝てるの。あ、こんばんは」
「……っす」
ぺこり、と頭を下げる。
「あらやだ華、起きなさい、もー!」
「うう、そんな、生クリームはそんな風には」
「……ダメね」
「ダメですね」
親父もおばあさんも苦笑した。
「タケル、あんた運んでやんなさいよ」
母さんはことも無げに言った。
「お布団まで」
「は!?」
俺は母さんを二度見した。
「だってそうするしかないじゃない」
「そうねぇ……」
設楽のおばあさんも首を傾げた。
「……試合の後で疲れてるでしょうし、申し訳ないんだけど、お願いできる?」
「あ、はぁ、ウッス」
親父がやるよりはいいだろう、と俺はそっと設楽のシートベルトを外して抱き上げる。それからおばあさんに続いて家に入った。
(玄関より先は、初めてだ)
設楽の部屋は、思ったよりこざっぱりしていた。本人が片付け苦手だとよく言うので、もっと散らかっていると思っていたのだが、そんなこともない。
机と本棚とベッドだけ。
ベッドにはぬいぐるみがいくつか。クマとか鹿とか。
それ以外は「女子!」って感じのものは無かった。カーテンも濃い青、シーツやなんかもシンプルな白。小さい観葉植物が窓際に置いてある。
(ひよりの部屋はやたらとフリフリしてんだけどな)
設楽の部屋は、なんとなく「大人の女性の一人暮らしの部屋」ぽかった。
「ごめんなさいね、重かった?」
「や、んなことないっす」
俺はそう答えてベッドに設楽を横たえた。少しだけ、心がざわついてすぐに手を離した。
おばあさんが布団をかけてやり、俺たちは部屋を出る。
「あの子ね」
おばあさんは笑った。
「学校楽しそう。あなたたちの話、よく聞くわ。ありがとう」
「や、こちらこそ、ッス」
なんと答えたらいいのか分からず、そんな返事になる。
おばあさんはじっと俺を見て何回か瞬きをした。
「……あの?」
「いえ。ふふ、あなた、いい目をしてるわねぇ」
「? あざす」
玄関では親父と母さんが待っていた。
「本当にお世話になりまして」
おばあさんがぺこりと頭を下げる。
「ところで少しご相談が」
親父はそう切り出した。
「どうされました?」
「それがですね「ごめんなさいーっ」
ちょうどその瞬間に、設楽がフラフラと部屋から飛び出てきた。
「わ、私! 寝てましたね!?」
「寝てたよ爆睡だったよ、逆になんでいま起きるんだよ」
「なんか布団に寝かされる感覚がしてっ」
すぐ手を離したのがいけなかったか。
「すみませんっ送ってもらった上に寝てて!」
設楽はぴょこぴょこと親父と母さんに頭を下げる。
「そこの、えっと、黒田くんが運んでくれたのよ」
おばあさんにそう言われて、設楽は俺に向きなおった。
「えええたびたび……たびたびすみません……」
申し訳なさそうな顔をする。
「いいよ」
俺は笑った。
「毎日でもいいくらいだ」
「ええ……、トレーニング的な……?」
「まぁな」
「ダンベルがわりっ!」
設楽がそう叫んだ時、ちょうど親父とおばあさんの会話も終わったみたいだった。
「なるほど」
親父は神妙に頷いた。
「それは失礼を」
「いえ、ご心配をおかけして」
「とんでもありません、……あ、これ名刺です。なにかあれば」
「あら、県警にお勤め」
「はい」
「心強いです。ありがたく……、ほら、華、いつまでもお引止めしないの。試合でお疲れでしょうに」
はっ、と設楽は俺を見上げた。
「だよね、ごめん!」
「大して疲れてねぇよ、車で寝たし」
そう言いながら、靴を履いた。
「そう?」
設楽は首を傾げる。
「でもゆっくり休まなきゃだよ」
「おう」
「おやすみ」
そう言って笑う設楽。
「……、おやすみ」
なんとか、そう返す。
(毎日言えたらいいのに)
そう思いながら、玄関を出て車に乗り込む。
「そういやどうなったんだ、さっきの」
「ああ」
親父は飄々といった。
「俺の勘違いだ」
「は?」
「忘れていい」
「はぁ!?」
(信用できねー!)
親父と設楽のおばあさんの間に何の話があったのかは、断片的にしか聞こえていなかった。
(でもこうなるとぜってー口割らねぇからな親父は)
俺は腕を組み、せめてもの抗議を態度で表す。
しかし親父は「ああ反抗期、やだやだ」というだけで、まともに取り合おうとはしないのだった。
お腹いっぱい食べて、車に乗ってたらそりゃ眠るだろうなとおもう。
(よだれ)
俺は少し口の端をあげる。こんなんも可愛いと思ってしまうのだから、惚れた弱みってやつだろう。軽くタオルでぬぐう。起きるそぶりはない。
「結局なんだったんだ」
「さぁ、な。あの車は居なくなったが、また別の車で尾行されている可能性もある」
「チッ」
「あなたの仕事関係?」
「いや。確認したところ、さっきの車の運転手は若い女性だったし、俺の今追ってる件とは様子が違う」
「若い女ぁ?」
俺は聞き返した。
「なんでそんなヤツが親父か設楽かわかんねーけど尾行するんだ」
「知らん。で、なぜ華さんなんだ」
「わかんねーけど、コイツそういうとこあるから」
「そういうとこって何だ」
「……変なやつに好かれたり、とか」
「ふむ? ところで、華さんのお家はお金持ちだったりするね?」
「唐突だなオイ。なんでだよ」
「身につけてるものがキチンとしすぎている。服もカバンも、おいそれとは買えないものだよ」
「そうかぁ?」
ファッションのことは良くわからない。今日もシンプルなワンピースを着ていたが、設楽に似合ってる、としか思わなかった。
「なんかおばあさんが会社経営してるとか言ってたな」
「苗字は設楽? おばあさんも」
「や、常盤」
俺は表札を思い出しながら言った。
「常盤……、常盤敦子か。なるほど」
「知ってんのか」
「常盤コンツェルンの会長の妹だろう」
「は?」
「知らんのか常盤コンツェルン」
「知らね」
親父は呆れたように、いくつか会社の名前を挙げた。メガバンク、自動車会社、大手重工、その他もろもろ。
「すべて傘下だ」
「……まじかよ」
とんでもねーお嬢様じゃねぇか。
(そりゃ許婚なんかもいるわな)
少し胸が痛くなる。
「となると、健の勘も捨てたものではないな。営利目的誘拐の可能性も捨てきれない」
「……誘拐?」
俺の声が硬くなったのに気づいたのか、親父は「心当たりが?」と聞いてくる。
「……いや」
そう答えながら、俺はぐっと拳を握りしめる。
(もうあんな思いさせてたまるか)
「とりあえず今日は玄関先まできっちり送り届けよう。俺がおばあさんに話をするから」
そう言って親父はその後無言で運転を続けた。
俺も黙って外を眺めていたが、試合の疲れもあって、徐々に瞼が重くなる。
少し手を伸ばし、こっそり設楽の指先に触れた。
(今だけ)
指先から伝わる体温。
(眠るまで)
本格的に瞼が重くなる。
設楽がいい夢を見ているならいいと思う。
「おい、起きろ」
「うお」
びくり、と目を覚ます。
「着いたぞ」
「もうー、あなたがナビ通りに走らないから遅くなっちゃったじゃない」
「いや近道になったはずだ」
「ほんとにもう!」
見ると、設楽の家の前だった。午後8時半。車の横をでかいバイクが走り抜けて行く音で、はっきり目がさめる。
(家の電気は付いてんな)
このあいだのように不在、ということはなさそうだ。
「おい設楽、着いたってよ」
「ううん、もう食べられない」
「……なんの夢見てんだお前」
「むにゃあ」
起きそうにない。まぁ、いい夢は見ているようで何よりだ。
「起きねんだけど」
「とりあえず、おばあさま呼ぶか」
親父はインターフォンを押す。俺も車から降りて設楽側のドアを開ける。やっぱり起きそうにない。
(またよだれ)
どんだけだよ、と笑いながら、また拭いてやる。すげえ可愛いとか思っちゃうから重症だ。
「はぁい」
設楽のおばあさんは、インターフォン越しではなく、直接玄関から出てきた。
「すみません、ご迷惑を」
「とんでもありません、楽しく過ごさせていただきました」
「おかえり華……って、寝てるの。あ、こんばんは」
「……っす」
ぺこり、と頭を下げる。
「あらやだ華、起きなさい、もー!」
「うう、そんな、生クリームはそんな風には」
「……ダメね」
「ダメですね」
親父もおばあさんも苦笑した。
「タケル、あんた運んでやんなさいよ」
母さんはことも無げに言った。
「お布団まで」
「は!?」
俺は母さんを二度見した。
「だってそうするしかないじゃない」
「そうねぇ……」
設楽のおばあさんも首を傾げた。
「……試合の後で疲れてるでしょうし、申し訳ないんだけど、お願いできる?」
「あ、はぁ、ウッス」
親父がやるよりはいいだろう、と俺はそっと設楽のシートベルトを外して抱き上げる。それからおばあさんに続いて家に入った。
(玄関より先は、初めてだ)
設楽の部屋は、思ったよりこざっぱりしていた。本人が片付け苦手だとよく言うので、もっと散らかっていると思っていたのだが、そんなこともない。
机と本棚とベッドだけ。
ベッドにはぬいぐるみがいくつか。クマとか鹿とか。
それ以外は「女子!」って感じのものは無かった。カーテンも濃い青、シーツやなんかもシンプルな白。小さい観葉植物が窓際に置いてある。
(ひよりの部屋はやたらとフリフリしてんだけどな)
設楽の部屋は、なんとなく「大人の女性の一人暮らしの部屋」ぽかった。
「ごめんなさいね、重かった?」
「や、んなことないっす」
俺はそう答えてベッドに設楽を横たえた。少しだけ、心がざわついてすぐに手を離した。
おばあさんが布団をかけてやり、俺たちは部屋を出る。
「あの子ね」
おばあさんは笑った。
「学校楽しそう。あなたたちの話、よく聞くわ。ありがとう」
「や、こちらこそ、ッス」
なんと答えたらいいのか分からず、そんな返事になる。
おばあさんはじっと俺を見て何回か瞬きをした。
「……あの?」
「いえ。ふふ、あなた、いい目をしてるわねぇ」
「? あざす」
玄関では親父と母さんが待っていた。
「本当にお世話になりまして」
おばあさんがぺこりと頭を下げる。
「ところで少しご相談が」
親父はそう切り出した。
「どうされました?」
「それがですね「ごめんなさいーっ」
ちょうどその瞬間に、設楽がフラフラと部屋から飛び出てきた。
「わ、私! 寝てましたね!?」
「寝てたよ爆睡だったよ、逆になんでいま起きるんだよ」
「なんか布団に寝かされる感覚がしてっ」
すぐ手を離したのがいけなかったか。
「すみませんっ送ってもらった上に寝てて!」
設楽はぴょこぴょこと親父と母さんに頭を下げる。
「そこの、えっと、黒田くんが運んでくれたのよ」
おばあさんにそう言われて、設楽は俺に向きなおった。
「えええたびたび……たびたびすみません……」
申し訳なさそうな顔をする。
「いいよ」
俺は笑った。
「毎日でもいいくらいだ」
「ええ……、トレーニング的な……?」
「まぁな」
「ダンベルがわりっ!」
設楽がそう叫んだ時、ちょうど親父とおばあさんの会話も終わったみたいだった。
「なるほど」
親父は神妙に頷いた。
「それは失礼を」
「いえ、ご心配をおかけして」
「とんでもありません、……あ、これ名刺です。なにかあれば」
「あら、県警にお勤め」
「はい」
「心強いです。ありがたく……、ほら、華、いつまでもお引止めしないの。試合でお疲れでしょうに」
はっ、と設楽は俺を見上げた。
「だよね、ごめん!」
「大して疲れてねぇよ、車で寝たし」
そう言いながら、靴を履いた。
「そう?」
設楽は首を傾げる。
「でもゆっくり休まなきゃだよ」
「おう」
「おやすみ」
そう言って笑う設楽。
「……、おやすみ」
なんとか、そう返す。
(毎日言えたらいいのに)
そう思いながら、玄関を出て車に乗り込む。
「そういやどうなったんだ、さっきの」
「ああ」
親父は飄々といった。
「俺の勘違いだ」
「は?」
「忘れていい」
「はぁ!?」
(信用できねー!)
親父と設楽のおばあさんの間に何の話があったのかは、断片的にしか聞こえていなかった。
(でもこうなるとぜってー口割らねぇからな親父は)
俺は腕を組み、せめてもの抗議を態度で表す。
しかし親父は「ああ反抗期、やだやだ」というだけで、まともに取り合おうとはしないのだった。
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