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空手少年は警戒する(side黒田健)
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また石だ。
「えっえっ大丈夫? これわたしいけてる!?」
「大丈夫、そのまままっすぐ! ひよりちゃんゴールっ」
石にタッチするひよりと、それを見て拍手しながらはしゃいでいる設楽。
清水寺の中にある地主神社とかいう神社の、なんでも恋愛成就にご利益がある、とかいう一対の石。そんなにでかくねぇけど、まぁ歩道の車止めとかそれくらいのサイズ感だと思う。
俺と秋月はこの石と石の間の真ん中らへんで、ボケっと女子がはしゃぐ様を眺めていた。ひよりと設楽以外にも、チャレンジ組は後を絶たない。
ひよりの説明によると、これの一方の石からもう一方の石へ、目を閉じたまま歩いてたどり着くことができれば恋が叶う。
誰かの助けを借りても良くて、その場合は人に助けられて恋愛が成就する、とかなんとか……。
(そもそもひより、あいつ、好きな人もいねーのにこんなんやっても意味なくね?)
少し呆れてそう思うが、まぁあいつが恋だの何だのにキャアキャア言うのは幼稚園の頃からだから、慣れっこだ。悲しいことに。
「今のは華ちゃんに助けられたから、わたし、人に助けられて恋が叶うんだよねっ」
「うん、たぶんそんな感じなんじゃないかな?」
「華ちゃんに助けられて叶うのかも!」
「あは、応援する!」
よくもまぁ女子はこんなことでテンションが上がるよな、とチラリと横目で秋月を見ると、ものすごくやりたそうな顔をしていた。
「……やってこりゃいーじゃねぇか」
「えっ、いや、うん。でも女子ばっかだし……、いいや」
残念そうに言う秋月。
「そうかよ」
俺としてはどちらでもいいので、そう返事する。
「華ちゃんも、する?」
「んー?」
設楽は少し首を傾げた。
それから「やってみようかな」と笑って、俺は少し心が重くなった。
(好きな人……いんのかな)
それはもしかして、あの許婚、なんだろうか。
去年の時点では「好きなわけじゃない」と言っていたけど、いつ惚れてもおかしくないと思う、あんな男。
さがらんは逆転ホームランに例えていたし、俺も諦める気はさらさらない。
(けど)
どうしても比べてしまう。
設楽の横にいるのは、あいつの方がふさわしいんじゃないかって。
そんなウジウジした考えに気を取られていると、目の前で設楽がコケかけた。
(何で何もねぇとこでコケるかね)
俺はとっさに設楽を支える。
「え、あ、黒田くん? ごめん?」
目を瞑ったまま、そう言う設楽。なんで俺って分かるんだよ。嬉しい。つか、くっそ可愛い。悔しい。感情がめちゃくちゃだ。
「いーよ。それよりこのまま行くぞ」
支えたまま数歩歩いて、石にタッチさせる。設楽は目を開けて、「あは」と笑った。
「私の恋って、黒田くんに助けられて叶うのかな?」
「…….さあな」
目線をそらして、そう返事をする。
(んな役割、死んでもゴメンだ)
想像して、舌打ちしたい気分になった。感情が行ったり来たりで忙しない。
さらに境内を奥にすすむと、さがらんがノンビリと歩いてまわっていた。
「あ、相良せんせー」
あいつに良く懐いているひよりと秋月は喜んでかけよる。
さがらんも微笑んで「見てましたよー、歩けてたね」と答えていた。
(なーんか、な)
うさんくさい、わけじゃないけど、絶対何か裏がある。
(クギまで刺してきやがって)
俺は昨夜の手品を思い返す。
(あれは要は、伏見稲荷の件は君の考えで正解だよオメデトー、けどこれ以上は突っ込むなよ、的な)
脅し、というか。
(いい先生、なのは間違いねーんだろうけど)
俺は少し離れた、杉の木のそばでさがらんを観察した。
(でもなんか裏があるって分かってて放置すんのもな)
気にかかる。
やけに設楽に構う気もしてるし。
(つか、設楽ももうちょい危機感持てよな)
久保に何やられたか忘れたのか。
(あれ以来、なーんとなく大人の男近寄らせたくないんだよな、あいつに)
過保護なのか。
恋人でもない男に、そんなことをされてもうっとうしいだけかもしれないなぁ、と思う。
(……しばらくは様子見るか)
何か危害を加えようとしている感じでは、今のところ無さそうだし。
そんなことをツラツラ考えていること、設楽がこちらに歩いてくるのが見えた。
「何してるの?」
「あ? あー、木」
「き?」
「木ぃ見てた」
「なんで?」
心底不思議そうにする設楽。
俺もなんでそんな言い訳したんだか。
改めて木を見て、気づいたことを言う。
「あー。穴、あいてんなって」
「あ。ほんとだ」
その杉の木には、無数の小さな穴が。明らかに人為的なものだが、その理由はよくわからない。
「これ、ってさぁ」
一方の設楽は少しかおが青い。
「丑の刻参りだね!」
背後から急に話しかけてきたのは、さがらん。
「で、ですよね?」
設楽も少しひきつりながら返事をする。
(丑の刻参りぃ?)
聞いたことはある。確か、ワラ人形打ち付けるやつ。
「恋愛の神様だもんねぇ」
「そこまでしなくてもって思っちゃいますけど」
首をかしげる設楽。
「あは、まぁね。カナワって知ってる?」
「カナワ?」
設楽も不思議そうで、おれも知らない。
「鉄の輪っかって書いて、カナワって読むんだけど。お能になっててね、丑の刻参りの話」
「ノーって、歴史でやったやつ? 歌舞伎の元ににった」
「そうそう、よく覚えてました」
俺がそういうと、さがらんは嬉しそうに答えた。
「その元になった話があってね。ある女の人がね、夫に新しい女性が出来て捨てられちゃうんだ」
「それは呪いましょう」
さがらんの話が終わらない内に、設楽は答えた。
「本人を五寸釘で打ち付けたほうが早いのでは?」
「ちょっと設楽さん、キミ結構過激だね」
「いえすみません、怨念が」
「怨念……?」
不思議そうなさがらんに、設楽は先をどうぞ、と促す。
「うん、でね、女の人は神さまにお願いして、元旦那を呪い殺す方法を教えてもらったんだ。それがこの丑の刻参り。赤い着物で、顔には真っ赤な塗料を塗って、頭に鉄輪をのせてね、その三本足に火を灯し……」
「待って先生めっちゃ怖いめっちゃ怖い」
話を止めたのは、途中で話に入ってきた秋月だ。
「聞いてたらめっちゃ怖い」
「でも、そんなのその男の人が悪いんじゃーん、ね、華ちゃん」
ひよりも続く。
設楽は無表情でうなずいた。
設楽はこういう話の時、こんな顔をする。本人曰く「怨念顔」。
設楽にこんな顔させた男がこの世にいると思うと、ハラワタ煮えくりかえりそうになる。
(つーか、てことは彼氏いたんだよな)
どんなヤツだったんだろう。
会いたくはないけど。殴りそうになるから、多分。
「浮気性の男とセカンド扱いする男は呪ってよし」
「あはは! また華ちゃん怨念出てる怨念」
「あは……先生?」
設楽が不思議そうに、さがらんを見上げた。
さがらんは、目をこれ以上ないくらいに見開いて設楽を見つめていた。
「え……、先生?」
「あ、いや、ごめん、ちょっと」
明らかに動揺している。
「もしかして、似たようなことしてないですよね?」
「似たようなこと、って?」
「浮気とか、セカンド扱いとか?」
「……してないよ」
「ダメですよ、したら。そんなことして呪い殺されても、骨なんか拾ってあげませんからね?」
そう言って首をかしげる設楽の足元に、さがらんは、うずくまるようにしゃがみ込んだ。
「えっ!? 相良せんせー大丈夫!?」
心配気な秋月たちのことが、目に入らないように。いや、もう設楽以外が目に入らないような顔で、さがらんは設楽の手を握って、泣きながら言った。
「……セカンド扱いなんか、しないのに」
「……?」
設楽は不思議そうに首をかしげ、俺はただ呆然とそれを見つめていた。
なんだか、邪魔をしてはいけない気がして。
しばらくして復活したさがらんは「ごめんごめん古傷が」とのんびり笑った。
いつものさがらんだ。
「ごめんなさい、私、えぐっちゃったみたいで」
「いいよ、設楽さんのせいじゃない、というかごめんね手なんか握って」
「私の手なんかで良ければいつでも!」
設楽は顔の前に手を出して、ぐーぱーとして見せて、それから笑った。
さがらんは、それを見て笑う。
本当に幸せそうに。
(やっぱ、こいつ油断なんねー)
しばらく警戒の日々が続きそうだ。
「えっえっ大丈夫? これわたしいけてる!?」
「大丈夫、そのまままっすぐ! ひよりちゃんゴールっ」
石にタッチするひよりと、それを見て拍手しながらはしゃいでいる設楽。
清水寺の中にある地主神社とかいう神社の、なんでも恋愛成就にご利益がある、とかいう一対の石。そんなにでかくねぇけど、まぁ歩道の車止めとかそれくらいのサイズ感だと思う。
俺と秋月はこの石と石の間の真ん中らへんで、ボケっと女子がはしゃぐ様を眺めていた。ひよりと設楽以外にも、チャレンジ組は後を絶たない。
ひよりの説明によると、これの一方の石からもう一方の石へ、目を閉じたまま歩いてたどり着くことができれば恋が叶う。
誰かの助けを借りても良くて、その場合は人に助けられて恋愛が成就する、とかなんとか……。
(そもそもひより、あいつ、好きな人もいねーのにこんなんやっても意味なくね?)
少し呆れてそう思うが、まぁあいつが恋だの何だのにキャアキャア言うのは幼稚園の頃からだから、慣れっこだ。悲しいことに。
「今のは華ちゃんに助けられたから、わたし、人に助けられて恋が叶うんだよねっ」
「うん、たぶんそんな感じなんじゃないかな?」
「華ちゃんに助けられて叶うのかも!」
「あは、応援する!」
よくもまぁ女子はこんなことでテンションが上がるよな、とチラリと横目で秋月を見ると、ものすごくやりたそうな顔をしていた。
「……やってこりゃいーじゃねぇか」
「えっ、いや、うん。でも女子ばっかだし……、いいや」
残念そうに言う秋月。
「そうかよ」
俺としてはどちらでもいいので、そう返事する。
「華ちゃんも、する?」
「んー?」
設楽は少し首を傾げた。
それから「やってみようかな」と笑って、俺は少し心が重くなった。
(好きな人……いんのかな)
それはもしかして、あの許婚、なんだろうか。
去年の時点では「好きなわけじゃない」と言っていたけど、いつ惚れてもおかしくないと思う、あんな男。
さがらんは逆転ホームランに例えていたし、俺も諦める気はさらさらない。
(けど)
どうしても比べてしまう。
設楽の横にいるのは、あいつの方がふさわしいんじゃないかって。
そんなウジウジした考えに気を取られていると、目の前で設楽がコケかけた。
(何で何もねぇとこでコケるかね)
俺はとっさに設楽を支える。
「え、あ、黒田くん? ごめん?」
目を瞑ったまま、そう言う設楽。なんで俺って分かるんだよ。嬉しい。つか、くっそ可愛い。悔しい。感情がめちゃくちゃだ。
「いーよ。それよりこのまま行くぞ」
支えたまま数歩歩いて、石にタッチさせる。設楽は目を開けて、「あは」と笑った。
「私の恋って、黒田くんに助けられて叶うのかな?」
「…….さあな」
目線をそらして、そう返事をする。
(んな役割、死んでもゴメンだ)
想像して、舌打ちしたい気分になった。感情が行ったり来たりで忙しない。
さらに境内を奥にすすむと、さがらんがノンビリと歩いてまわっていた。
「あ、相良せんせー」
あいつに良く懐いているひよりと秋月は喜んでかけよる。
さがらんも微笑んで「見てましたよー、歩けてたね」と答えていた。
(なーんか、な)
うさんくさい、わけじゃないけど、絶対何か裏がある。
(クギまで刺してきやがって)
俺は昨夜の手品を思い返す。
(あれは要は、伏見稲荷の件は君の考えで正解だよオメデトー、けどこれ以上は突っ込むなよ、的な)
脅し、というか。
(いい先生、なのは間違いねーんだろうけど)
俺は少し離れた、杉の木のそばでさがらんを観察した。
(でもなんか裏があるって分かってて放置すんのもな)
気にかかる。
やけに設楽に構う気もしてるし。
(つか、設楽ももうちょい危機感持てよな)
久保に何やられたか忘れたのか。
(あれ以来、なーんとなく大人の男近寄らせたくないんだよな、あいつに)
過保護なのか。
恋人でもない男に、そんなことをされてもうっとうしいだけかもしれないなぁ、と思う。
(……しばらくは様子見るか)
何か危害を加えようとしている感じでは、今のところ無さそうだし。
そんなことをツラツラ考えていること、設楽がこちらに歩いてくるのが見えた。
「何してるの?」
「あ? あー、木」
「き?」
「木ぃ見てた」
「なんで?」
心底不思議そうにする設楽。
俺もなんでそんな言い訳したんだか。
改めて木を見て、気づいたことを言う。
「あー。穴、あいてんなって」
「あ。ほんとだ」
その杉の木には、無数の小さな穴が。明らかに人為的なものだが、その理由はよくわからない。
「これ、ってさぁ」
一方の設楽は少しかおが青い。
「丑の刻参りだね!」
背後から急に話しかけてきたのは、さがらん。
「で、ですよね?」
設楽も少しひきつりながら返事をする。
(丑の刻参りぃ?)
聞いたことはある。確か、ワラ人形打ち付けるやつ。
「恋愛の神様だもんねぇ」
「そこまでしなくてもって思っちゃいますけど」
首をかしげる設楽。
「あは、まぁね。カナワって知ってる?」
「カナワ?」
設楽も不思議そうで、おれも知らない。
「鉄の輪っかって書いて、カナワって読むんだけど。お能になっててね、丑の刻参りの話」
「ノーって、歴史でやったやつ? 歌舞伎の元ににった」
「そうそう、よく覚えてました」
俺がそういうと、さがらんは嬉しそうに答えた。
「その元になった話があってね。ある女の人がね、夫に新しい女性が出来て捨てられちゃうんだ」
「それは呪いましょう」
さがらんの話が終わらない内に、設楽は答えた。
「本人を五寸釘で打ち付けたほうが早いのでは?」
「ちょっと設楽さん、キミ結構過激だね」
「いえすみません、怨念が」
「怨念……?」
不思議そうなさがらんに、設楽は先をどうぞ、と促す。
「うん、でね、女の人は神さまにお願いして、元旦那を呪い殺す方法を教えてもらったんだ。それがこの丑の刻参り。赤い着物で、顔には真っ赤な塗料を塗って、頭に鉄輪をのせてね、その三本足に火を灯し……」
「待って先生めっちゃ怖いめっちゃ怖い」
話を止めたのは、途中で話に入ってきた秋月だ。
「聞いてたらめっちゃ怖い」
「でも、そんなのその男の人が悪いんじゃーん、ね、華ちゃん」
ひよりも続く。
設楽は無表情でうなずいた。
設楽はこういう話の時、こんな顔をする。本人曰く「怨念顔」。
設楽にこんな顔させた男がこの世にいると思うと、ハラワタ煮えくりかえりそうになる。
(つーか、てことは彼氏いたんだよな)
どんなヤツだったんだろう。
会いたくはないけど。殴りそうになるから、多分。
「浮気性の男とセカンド扱いする男は呪ってよし」
「あはは! また華ちゃん怨念出てる怨念」
「あは……先生?」
設楽が不思議そうに、さがらんを見上げた。
さがらんは、目をこれ以上ないくらいに見開いて設楽を見つめていた。
「え……、先生?」
「あ、いや、ごめん、ちょっと」
明らかに動揺している。
「もしかして、似たようなことしてないですよね?」
「似たようなこと、って?」
「浮気とか、セカンド扱いとか?」
「……してないよ」
「ダメですよ、したら。そんなことして呪い殺されても、骨なんか拾ってあげませんからね?」
そう言って首をかしげる設楽の足元に、さがらんは、うずくまるようにしゃがみ込んだ。
「えっ!? 相良せんせー大丈夫!?」
心配気な秋月たちのことが、目に入らないように。いや、もう設楽以外が目に入らないような顔で、さがらんは設楽の手を握って、泣きながら言った。
「……セカンド扱いなんか、しないのに」
「……?」
設楽は不思議そうに首をかしげ、俺はただ呆然とそれを見つめていた。
なんだか、邪魔をしてはいけない気がして。
しばらくして復活したさがらんは「ごめんごめん古傷が」とのんびり笑った。
いつものさがらんだ。
「ごめんなさい、私、えぐっちゃったみたいで」
「いいよ、設楽さんのせいじゃない、というかごめんね手なんか握って」
「私の手なんかで良ければいつでも!」
設楽は顔の前に手を出して、ぐーぱーとして見せて、それから笑った。
さがらんは、それを見て笑う。
本当に幸せそうに。
(やっぱ、こいつ油断なんねー)
しばらく警戒の日々が続きそうだ。
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