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第2話 体育の授業が苦手

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 江川夜雪は月曜日が嫌いで、その理由のひとつは、この日に体育の授業があることだ。

 そう、顔立ちが非常に整っている江川夜雪は、アニメの主人公のように万能ではなく、むしろ他の属性は普通の成績で、運動が非常に苦手な一般的な人物だ。

 例えば、バスケットボールの授業では、彼の目の前の目標はバスケットゴールなのに、彼のシュートは常に正確に通行人に当たる。

 あるクラスのバスケットボールの試合で、彼は控えの選手として出場した。もともと彼が出場する確率は低かったのに、試合中に選手が足をひねって退場することになったため、彼はやっと役立つことができた。

 しかし、彼のチームメイトが彼にパスをしたとき、江川は少し困っていた。実際、そのボールは彼にパスするつもりではなかった。ただその選手が手を滑らせてミスったので、夜雪がちょうどその位置にいたため、ボールが彼の手に渡ったのだ。

 試合終了まであと数秒で、彼のチームは1点差で同点に追いつくことができた。

 全員の目は夜雪に注がれ、観客席からの歓声がさらに大きくなった。運動が苦手な夜雪も、この瞬間には心からボールをシュートすることを願っていた。

 夜雪は深呼吸をし、体を軽く前傾させ、膝を少し曲げ、肩を低くした。NBAのスター選手のように、手首の力でボールに回転をかけながらゴールに向かって投げた。

 しかし、回転が強すぎたのか、ボールは夜雪が予想した軌道ではなく、観客席に向かって飛んでいき、急速に一人の女子生徒に当たった。

 会場からは驚きの声が上がり、江川夜雪の心も締めつけられた。彼はすぐに怪我人の様子を確認しに駆け寄った。

 江川夜雪が観客席に到着すると、再び騒然とした声が上がった。

「申し訳ございません、大丈夫ですか。保健室に連れて行きますね。」夜雪は女子生徒の傷を近くで見て、幸い擦り傷で血は出ていなかった。

 ボールに当たった女の子はめまいを感じながら、江川夜雪が近づいてくる顔を見た。彼の白い顔には運動で少し赤みがさしていて、汗が彼の頬を伝い、首の曲線に沿って、開け放たれたユニフォームの襟元の白い鎖骨に滴り、襟元の中に消えた。夜雪の露出している腕は、灯の光の下で魅力的な色を放っていた……

「江川、君……私、私は……」女の子の言葉は、まるで言葉が絡まったようで、彼女はますます頭がくらくなった。

 そして、鮮やかな鼻血が流れてきた。

 江川夜雪は目を大きく見開き、驚きの表情をした。なぜこんなにひどい怪我を?

 彼は考えることなく女の子を背負った。その瞬間、観客席の女の子たちの悲鳴は、あたかも洪水のようにスタジアム全体に広がった。

 夜雪に支えられて立ち上がった女の子の鼻血は、さらにひどく流れてきた。

 夜雪は少し動揺してしまい、自分を責める気持ちが強くなった。多くの女の子たちが羨望のまなざしを向ける中、江川は傷ついた女の子を背負って保健室に向かった。

 その日、山一高校で初めて江川のボールに当たり、江川に背負われて保健室に運ばれた女の子は、鼻血が多く流れたため病院に運ばれた。そして、江川のクラスはバスケットボールの試合に負けた。それ以降、江川のクラスの体育の授業のたびに、体育館には他のクラスの女の子たちが詰めかけ、多くの人がボールに当たったり、江川夜雪の背中で気絶することを期待していた。

 もちろん、この日以降、江川は自分のスポーツ能力について新しい認識を持つようになった。

 夜雪は体育の授業が嫌いだが、彼は授業をサボるタイプの生徒ではない。平凡な学校生活こそが彼の願いだった。

 授業のベルが鳴る前、男子生徒たちはグループになって運動場に向かった。

 夜雪は一人で廊下を歩いていた。彼にはクラスで男友達が少なく、他の男子生徒は彼と友達になりたくないようだった。夜雪はすでにそれに慣れていた。彼はもともと社交的ではない性格で、入学以来、男子生徒の間で目立たない存在になっていた。だから、彼には同性の友人がいなかった。夜雪は歩きながら、夜ご飯に何を作ろうか考えた。

 うーん、すでにお腹がすいてきた。

 夜雪の前を歩いている生徒の歩く姿勢が少し変だった。まるで意図的に歩幅を遅くして、足取りも少し不安定だった。

 その背中、田中という生徒だ。

「田中君、足は大丈夫?」夜雪の心配そうな声が後ろから聞こえた。

「大丈夫だよ。」田中は振り返ることなく、むしろ歩幅を速めた。

 夜雪:私がそんなに怖いのか?なぜそんなに速く歩くんだろう。やはり、私の人間関係はそれほど悪いのか。

 この瞬間、江川夜雪は少し落ち込んでいた。
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