二つの世界の冒険譚

アラビアータ

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第一章

第十二話

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 エルガーは地面を踏み鳴らし、巨体に似合わぬ俊敏な動きで跳び掛かる。ぶうん、と大薙刀が振るわれ、クラウス達はと跳び別れた。
 土煙が立ったと思うと、地面が大きく抉れており、敵の力強さは一目瞭然である。同時にクラウス達は、力では到底及びのつかぬ事を肌身で感じた。
 ソフィアは八角棒の片方を深くしごいて、槍のように構えた。エルガーの横合いに回った彼女は、一足跳びに敵の脇腹目掛けて突き込んだ。しかし相手は手練れも手練れ。素早く彼女に向き直り、発止と棒を打ち上げた。
 きゃっ、とソフィアは弾かれて、着地をしても後退り、勢いを殺しきれない所へ、エルガーが猛然と斬り掛かる。

 えいっ、と横からランレイが手甲も砕けよと打ち込んだ。発止とかぶとが音を立て、鉄の欠片が宙を舞う。しかし次の瞬間、ランレイはむんずと掴まれて、額に頭突きを当てられた。発止と凄まじい音が立ち、彼女の血が虚空を舞う。
 額から血を流しながらもランレイは、必死必死の猛拳を振るう。ソフィアはそれ見て奮然と、踵を蹴って躍り込む。クラウスもまた、よろいの隙間目掛けて一文字、二人で横から飛び込んだ。
 しかしエルガーはランレイを投げて、声も音も無く慌てず騒がず、身体を廻らして描く閃光の輪! クラウス達は眼に光が入ったかと思うと、凄まじい回転斬りに晒された。眼にも止まらぬ速さでと二人の瞳に刃が映る。
 
 しかしその時その一瞬、ソフィアの振るう八角棒、ひらりと身を沈ませた下から、発止と薙刀を打ち上げる。
 しまった、とエルガーは上へ弾みを喰ったが、刃を返して彼女を狙う。そこへ手元へ躍り込み、クラウスが白刃きらりと引いて、横一文字と薙刀は、ガッキと十字に組み合った。
 うぬっ、と一声、エルガーはと彼を突き放し、後ろにいたランレイ目掛けて、振り撒きざまに素早い横薙ぎ! 刃線上に彼女はいない。ランレイは、薙刀が届く前に宙返り、上空から踵を素早く落とす。

 発止とかぶとが音を立て、前のめりになったエルガーの顎が蹴り上げられる。思わず堪らず後退り、すかさずソフィアが猛追撃、クラウスも遮二無二、息もつかせず斬り捲る。この勢いに流石のエルガーも、一歩一歩また一歩、あわや崖際まで追い詰められる。
 猪口才なっ、と覇気横溢のエルガーは、不動明王の眼光に睨みを利かせ、颶風を纏って地を蹴った――が、その刹那、ガラガラと地面が大きく崩れ、エルガーの巨躯は崖下に吸い込まれていった。

「皆、大丈夫か? 」
「う、うん何とか…ってランレイッ。それにタリエさんも」

 真に起死回生、九死一生の勝負であったといえよう。ともすれば、全員肉片のようになっていたであろう。流石にエルガーは、四星随一と云われるだけあって、天魔鬼神も凌ぐとすら名高いので、今回の辛勝でのクラウス達の瘡も深い。
 ランレイは額から血潮を滲ませて気絶し、蒼白い面でぐったりしている。タリエもようやく起き上がり、まだ現に帰っていないのか、頭を押さえてふらふらしている。
 クラウスも剣を捨てて腰を下ろし、今日は休もうぜ、と肩で息をしながら言った。ソフィアは不満げだが、是非無くその日は野営することになった。

 澄み渡る真如の月が光を窟に差し込ませる。彼方の青巒は、黒絹の夜空に深緑の刺繍を施している。昼間の戦闘など嘘のように静かで穏やかな晩である。
 そよそよと吹く風は涼しく、疲れ切ったクラウスとランレイは会話もそこそこに寝入ってしまった。
 タリエは、焚き火を見つめるソフィアに、

「ソフィアさん、貴女はどうしてランレイさんに力を貸しているのですか? 少なくともいきなり信じられる話ではない」
「だって、困ってるように見えたんです。あたし、昔から困ってる人がいると放っておけなくて」
「ですが、解らない事が多すぎませんか? しかも突拍子がなさ過ぎます」
「そうかもしれませんけど、あたしより歳下の子が凄く困っているんですよ。それに、あたし、困っている人が喜んでくれるのが嬉しいんです。変ですか? 」
「そうですか…。いや、少し気になっただけです。どうして自分より他人を優先するのかと」

 タリエはそこで会話を打ち切りはしたが、彼女の受け答えに、心の中の何かを覆い隠そうとしているのを感じていた。人知れない過去、心の殻や他者に言えない秘密、この一行は、共に旅をしていても、心の半分すらお互いに見せ合っていないのではないだろうか。

 さて翌朝、クラウス達はまた山頂にある火の精霊の祠目指して歩みを進めた。山頂に近付くにつれて、暑さは増していく。夏の日照りは冴え渡り、炎暑は地面を刺し、下を見れば荒寥岩々たる焼け野原。
 山道は草木無く、只管に岸々たる焼け道が続くのみである。炎気焼くが如き火山を進んでいく。早くも一行は八合目まで辿り着いたが、豁然、真っ赤な大地が広がった。
 それは濛々と黒煙を吐き、天まで背を伸ばす猛炎であった。クラウスがまず近付いたが、熱っ、と一声、飛ぶように戻って来た。

「こ、こりゃ無理だ。行けそうにねぇよ」
「またそうやってすぐ諦めるっ。何か考えなさいっ」
「そんなこと言われてもな…。火達磨になるわけにはいかないし」

 そう言って唸っているクラウスにタリエは、木の精霊から借り受けた芭蕉扇を使えば良いと提案し、クラウスがそれを取り出して焦熱地獄のような広場に向かって仰ぐと、須臾にして炎は消え、真っ黒な岩地が残された。
 一体どうして参詣者を拒むように炎々と燃えているのかは解しないが、とにかく木の精霊が力を貸してくれたお陰で、クラウス達は歩みを進めて行く。
 次第に道は狭くなっていき、一人が通るにも怪しくなる。煙なのか雲なのか、視界を塞ぐ真っ白な膜は一行の眼に沁みる。

 この難所を踏み越えたクラウス達は、ようやく山頂に辿り着いた。そこでは、ぽっかりと口を開けた火口が、地獄の大釜のように真っ赤な溶岩で満たされている。その近くに、粗末な岩の祠があった。
 差し詰めそれが火の精霊が祠であろうと、クラウス達が近付くと、祠の中から声がした。これなん、火の精霊ジューロンである。

「おうおうおう、何でぇてめえらは俺っちに何の用でぇ。久し振りに人間が来たかと思ったら、冴えねぇ奴らだな、ちくしょう」

 のっけから走る伝法口調。流石にクラウス達も驚いた。しかしタリエがまず、前に出て、

「お目通りを感謝致します。実は我々、貴方様が持つヤタノ鏡の欠片を集めているのです。世界の危機、らしいですが」
「お願いしますだよ、ランレイ、力貸して欲しい」
「わはは。べらぼうめ、長ったらしい口上はいらねえよ。てめえらの目的くれえ、解ってるつもりでぇ。俺っちはてめえらの力と覚悟が見てえだけさ。みっともねえ面見せたら、溶岩の底に叩っこむぞ」

 気が短いのか好戦的なのか、そこでジューロンは会話を打ち切った。代わりに耳を劈く高い声。赤毛の紋様に一本脚、嘴鋭く陽に輝き、ギャーッ、と鳴いているのは怪鳥一匹。これこそ火の精霊が試練である。
 クラウス達は得物を取り、怪鳥は彼らに迫り来る。血のような翼で虚空を打ち、嘴鋭く突き掛かる。戛とタリエが横に薙ぎ、返す刃も一文字。一瞬に立った二つの閃光、怪鳥も驚く妙剣術。
 すかさず脇からランレイが、疾風の如く跳び掛かる。鈍い音と共に拳が怪鳥を打ち、赤羽が周囲に振りまかれる。クラウスの剣は陽光に煌めき、怪鳥目掛けてきらりと一閃、流星継身はあやまたず、発止と翼に刃は食い込んだ。

「くそっ。堅いっ」

 クラウスは相手の翼に食い込んだ剣を引くが、下手に刺さってしまったそれは容易に抜けない。その間に翼が彼を打つ。クラウスは剣を残して吹っ飛んで、転がる方向は火口である。
 あっとソフィアが見た時には、彼の身体は火口へ吸い込まれそうになっている。右手めては崖際を危うく掴み、左手ゆんでは空しく項垂れる。満面に汗を浮かべ、這い上がろうとする彼を見て、ソフィアは弾かれたように駆け寄った。
 彼女は手を伸ばし、掴まって、と叫んだ。そこへ猛然、石弾のように怪鳥が迫る。

「行かせないよっ。ソフィア、クラウス助ける、良いよっ」

 ランレイは、横合いから肩をぶつけるようにして怪鳥に突っ込み、峻烈な回し蹴りを喰らわせた。しかし相手は神の手先、一人の女も何のその、嘴をランレイ目掛けて突き込んだ。
 わっ、と彼女は片膝をついて弓形になり、嘴を両手で押さえるが、徐々に押し込まれ、あわや胸に刺さるとすら思われる。鋭い剣のような嘴の切っ先が彼女の喉元に触れた――その時、怪鳥の身体が飛び離れた。
 クラウスを助けたソフィアが、八角棒を怪鳥目掛けて投げつけたのだ。ブーン、と唸りを上げる八角棒、発止と怪鳥を驚かせ、ばさばさばさと羽毛が散る。
 
「ランレイ、大丈夫っ? 後は任せてっ」

 ソフィアは八角棒を拾い上げ、やっ、と裂帛の攻撃をビシリと放つ。クラウスも勇を奮って、敵の手元に躍り込み、飛び付くように剣を取り、渾力一閃! 翼を根元から斬り落とす。返す斬り上げさか流星、首を深々と縦に裂かれ、怪鳥は溶岩の中に叩き落とされた。
 
「ちぇ…しっかたねえな。一度約束したもんは、約束でえ。俺っちに二言はねえ、持ってけ泥棒。後、俺っちも勿論ついていくぜえ。てめえら、危なっかしくて見ていられねえ」
「うわ、ジューロン全然変わらないね。素直に一緒に行かないといけないです、って言えば良いのに。だから誤解されるんだよ」
「ってシャオミンじゃねえか、何でてめえがいるんだよっ。勘違いするない、俺っちは俺っちでえ。ほれ、開けるぜえ」

 一見乱暴に見えるジューロンだが、認めた相手には、気持ちが良いまでに素直である。そんな神を象徴するように飾り気の無い粗末な祠の岩戸が開き、ヤタノ鏡が輝きを見せた。
 ランレイが喜んでそれを取ると、残る三つが光を放ち、四つの欠片が合わさった。片手に乗るほどの小さな銅鏡だが、一点の曇りもなく磨かれ、陽光を反射して閃々と美しく光る。ランレイは飛ぶようにして喜び、鏡に映る自分を覗き込んでいる。
 すると鏡の中から、ホウトゥーが声を出した。

「貴方達、これでヤタノ鏡は完成しました。これを持って、タイざんに向かってください。そこでシュピーゲルラントへの道を開くのです。そして世界の衝突を防ぐのです」
「あ、おいっ。ホウトゥーばかりずるいぜ。おい、てめえら俺っちがタイ山の麓まで送っていってやるよ。さっきの鳥ならあ、ひとっ飛びだぜえ。でも、タイ山の山頂には流石にいけねえが」
「本当ですかっ。有難うございます」

 ソフィアは喜んで礼を言ったが、いつの間にか後ろに現れていた怪鳥が、三匹しかいないことに気が付いた。
 彼女が訝しんでいると、タリエは、

「申し訳ありませんが、私は此処でお暇させて頂きます。先程の神殿が気になりまして」
「タリエ、来ないのか? ランレイ、悲しーな」
「仕方無いよ。此処まで来てくれただけでも、お礼を言わなくちゃ。有難うございました」
「皆さんの無事を祈っておりますよ」

 タリエはそこで一行と別れて下山していった。彼の頭の中は、先日の神殿、タイクーロンの動力源が眠ると云われている神殿でいっぱいらしい。
 クラウス達は、それぞれ怪鳥に乗り、須臾にして大空に三匹の鳥が舞った。船よりも速く、三人は天空の海を飛んでいく。目指すは聳える霊峰タイ山。世界の中心とも言われるそこは、遠くからでも灰色の山肌を見せている。それは天地の海を繋いでいるかの如くであった。

 大空を飛ぶ途上、クラウスはふと、

「そう言えば、本当に世界がぶつかるなんてあるのか? 世界がもう一つある事自体、信じられないのに」
「何、あんた知らないの? 随分前だけどね」

 と、クオマが数千年前の出来事を語り始めた。

 ――数千年前、世界は今の二倍の大きさであった。現在のヴァークリヒラントの範囲を守る四精霊の他に、三体の神がいた。その三神は、現在のシュピーゲルラントの範囲を守り、それぞれ霊峰に宿っていた。その頃、人間には寿命が無く、神に愛されて無限に生きるものであった。
 ある時、一人の男がいた。彼は弁舌に優れ、頭の回転が速く、膂力は山を抜くほど強かった。慢心した彼は、配下達と共に神に戦いを挑み、一千年近く戦った結果、神は何とか彼を破ったが、完全に斃す事は出来なかった。
 そこで創造神は、世界を二つに分け、二つの狭間に男を封印した。その狭間の世界は、神と共に戦った一人の神子を犠牲にして造られたものなのだが、創造神は二つの世界に危機が迫った時に、神子が生まれ変わる奇跡を残した。

 加えて創造神は、二つの世界を繋ぐ架け橋であるヤタノ鏡を四つに砕き、それぞれをヴァークリヒラントの四精霊に預けた。また、人間が長く生きていると碌な事を考えないという事で、人間の寿命は極めて短くされてしまった。
 分かたれた世界の内、シュピーゲルラントでは数千年前の文化と言語を継承し、ヴァークリヒラントでは現在のように独自の文化と言語が育った。
 今こうして四聖霊が力を貸しているのは、世界の危機に他ならない。
 
 ――クオマが語り終わると、クラウスは、

「本当だったのかよ…俺達、随分壮大な事に首突っ込んでねえか? でも、何でシュピーゲルラントの魔女はそんな事をやろうとしてるんだよ」
「さあね。とにかく早くしないと、世界がどっちも吹っ飛ぶよ。あたし達も無事じゃ済まないだろうね。それにしても、その魔女さんは随分と大胆だよね、自分も死ぬのに」
「本当だな。頭でも狂ってるんじゃねえのかな」

 ふと、ソフィアはランレイが尋常でない顔色なのに気が付いた。物凄い形相でクラウスを睨んでいるようであるが、そう思った時には、もう一行を乗せた怪鳥はタイ山の麓目指して下降を始めていた。
 灰色の岩山が厳しく聳え立ち、如何にも霊峰という構えである。周囲には一軒の家も人影も無く、厳粛な雰囲気に包まれていた。
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