二つの世界の冒険譚

アラビアータ

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第一章

第六話

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 さて、ヤタノ鏡の欠片を一つ入手し残り三片となったクラウス一行は、土の精霊の住まう岩山から下り、そこから一月余りの旅をした。世界の危機が迫っているなど嘘のような長閑さ、夏が近いのか、日中は歩いているだけで汗が滲む程である。
 宙天に輝く火の玉は太陽、草原や林はいよいよ以て青々とし、所々に孔雀石のように森が見える。
 ソフィアは、天を仰いでクラウスに、

「ねえクラウス、まだ着かないの? もう一月は過ぎたよ」
「まだ少し掛かるな。でも楽しそうだな、歩いてばかりなのに」
「ふふふ、そう? ランレイの役に立ってるし、夢だった冒険をしているからかな? クラウスは旅が楽しくないの? 」
「全く。野営は寝心地悪いし碌なもの食べられないし、王国の兵士と変な奴に追われるし。何より、誰かさんに迷惑を掛けられてるからな」
「迷惑? 誰が」
「お・ま・え・ら・だ・よ。地図を渡して着いて行ってみれば、反対に見ていたせいで十日も逆の方向に歩く事になったし、この間なんて」

 と、クラウスが言い掛けるとランレイが、近くの森から小動物を両手に持ち、口に鳥を咥えて、脱兎の如く走り出してきた。
 クラウスとソフィアが訝しんで、何処に行ってたんだよ、と言うのが早いか、ランレイを追って大きな影が跳びだして来た。
 それは彼らの二倍ほどはある巨大な熊だったので、一行は仰天して一目散に逃げ出した。クラウスは必死に駆けながら、

「全くお前はっ。この前は狼の群れを連れてきたかと思えば、今度は熊かっ。どういうつもりだよっ」
「ランレイ、あいつの獲物、横取り、ごめんな」
「あはは。良いじゃないクラウス。これも楽しいよ。行こう行こうっ」
「楽しくねえよっ」

 このように賑やかな旅路をまた三日、一行はようやく、水の精霊が祀られている祠のある都市、メルアドールに辿り着いた。
 此処は王国一の交易都市で、海に面しているので潮の香りがする。別の大陸に渡る船はともづなを掛け、ざざんと波打つ音が響く。
 交易で儲けた商人が建てた大屋敷の数々は、官の邸宅すら小さく見える。屋敷の豪奢さを見ると、どちらが上の身分なのか解らない。

 クラウス達がメルアドールに着いたのは真夜中であった。海鳥がしきりに鳴き声を上げて、寝静まった街の上を飛んでいく。妙に陰気で薄暗い春の晩である。
 黒絹の夜空に輝く珠玉のような月が照らす、道の彼方から現れたクラウス達を見て、青い小山のような街角で唯一起きている、黄色い灯りを漏らす門番詰所から門番が一人出てきた。夜勤中に酒でも飲んでいたのか、朱泥のような顔で、何処となく呂律の回らない口調で、クラウス達の用向きを尋ねる。
 ヴァークリヒラントを治める王国では、陽が沈んだ後には一門を残してそれ以外街の門は全て閉ざす決まりがある。数年前までは、夜更でも旅人や隊商、道を違えた飛脚などが訪れ、街の中も賑やかだったのだが、ここ最近では獣が一段と凶暴になって平気で人を襲ったり、地震や雷などの異変が絶えないので、陽が沈むと街の住民は家に閉じこもり、旅人達は陽が顔を出している時分でも次の街に間に合わないと判断すれば、早々に宿屋に入ってしまう。
 そんなわけで、夜勤中に酒を飲んだり本を読んだりと、衛兵は好き勝手に緩慢な警備をしているのだ。

「おう、どうしましたか。こんな夜更けに若い人達が」

 衛兵は、切れの悪い咳払いをしてクラウス達に尋ねた。
 開け放たれた木戸からは、ボウと黄色い明りが漏れ、衛兵の顔は半分照らされ、半分晦冥、何処か不気味な印象である。街全体もとして蕭々と潮風が吹いている時分。
 ソフィアは恭しく挨拶して、

「あたし達、道に迷ってしまって、こんな時間になってしまったんです。通してくれませんか? このままだと今日も野宿する事になってしまうんです」
「ほう…まあ、止める理由はありません。失礼ですが、お住まいとお名前は? 」

 衛兵は役目の形になり、三人の風態を見直し、目付きを正して尋ねた。流石に長年勤めを奉じているだけあり、威儀を正すと粗末な鉄甲すら煌々と輝いて見える。
 ソフィアは言葉に詰まった。不意の質問に彼女がまごついていると、横合いからクラウスが割って入り、

「俺はディータと言います。こっちは姉のリーゼです。ウンデルベルクに住む平民ヴァイシャで、この子は親戚の子です。遠くの街に親がいるので、これから送って行くんです」
「そうですか。いや、最近王都で三人の賊が、国王陛下を暗殺しようとしたとお触れが廻っておりますので、一応街の外から来る者には身分を尋ねているんですよ」

 その時そのその一瞬、何とも怪しい小さな影。番小屋の影に隠れて、押し黙って聞き耳を立てていた。白いかんばせ闇に立ち、さっと素早く姿を消す。
 お通りなさい、と衛兵はとクラウスの口車に乗せられ、一行を通してしまった。ランレイは喜んで、おっさんありがとな、と笑顔で手を挙げて言った。
 衛兵は何思ったか、慌てて出掛ける三人を呼び止めた。

「な、何ですか。俺達にまだ何か」

 クラウス達は、出足を呼び止められ、胸を突かれたように背筋を伸ばして振り返る。まさかランレイの片言を怪しまれたのでは、と彼らが冷や汗に背中を濡らしていると、衛兵は周囲を見回し、一行に近付いて小声で、

「お気を付けなさい…。ここ一月、街に人殺しが出没しているのだ。月が中天に昇った頃から沈むまでが物騒な刻限なんだ。見廻り方の話では、腕試しではない物盗りの犯行で、その上、毎晩斬られる手口を見ると、利き手に何か刃物を刺された後に、喉を突かれているらしいのだ。もしかすると幽霊だったりしてな」
「ご親切にどうも…有難うございます」

 クラウスは、全身から緊張の力が抜けてほっと安堵し、ソフィアは丁寧に頭を下げて、ランレイの手を引いて立ち去った。
 波が船や岸壁を打つ音、鴎の鳴く声、海に面した港湾都市はひどく静寂とし、一見すると、人間が消えた異世界のようである。時折聞こえる、火の用心の拍子木の音、等間隔に置かれる篝火が、この暗澹とした黄泉の国にある、せめてこの世らしい一つの瞬きであった。
 ランレイは、しきりに周囲を見てはソフィアの横に縋り付き、強く彼女の腕を握った。

「ソフィア…ランレイ、人殺し怖い。もし出たらどうするか」
「大丈夫だよ。もし出ても、あたしが守ってあげる。任せなさいっ。ね、クラウス…って何震えてるの」

 クラウスは篝火から篝火へ、間の闇には眼もくれず一心不乱、篝火の下では蒼白面で周囲を警戒している。
 彼は幼い頃から幽霊や妖怪、魔魅の類を恐れているので、暗闇の中で孤独というものをひどく嫌悪している。ケルバー村でソフィアの家に居候していたのもこれが理由なのだが、一体どうして自分がそこまで目に見えない魑魅魍魎を恐れるのか、クラウス自身も解らないであった。
 クラウスは一人、極寒の中にいるように震える声で、

「い、いやあの人が変な事言うから、何だか背筋が寒くなってきただけだ。ま、全く幽霊だなんて…」
「ゆうれい、って何か? 」
「お化けって意味よ」
「クラウス、お化け怖い、怖がり、怖がりね。ランレイと一緒、仲良し」

 何だと、とクラウスが言うと、ランレイは笑顔で、彼の手を取って反対の手でソフィアの手も取り、皆仲良し怖くない、と歩き出していった。
 絆され二人も無駄話、先の恐怖は何処へやら、いつしか海沿いの遊歩道に至っていた。他人同士ではあるのだが、無邪気なランレイを見ていると、自然、そんな気持ちは忘れてしまうようで、クラウス達は他意無く会話を続けていた。
 おい、と不意にクラウスが彼方を指差して脚を止めた。ソフィアとランレイが訝しんで、彼を見ると、

「誰か追い掛けられてるぞっ」
「え、何処っ? 」

 クラウスが指差した方向に眼を凝らせば、松明が五本、六本、小さな影を追い掛けて人魂のように激しく動いている。
 影の主は少年だ。はっきり姿の見えない筈、上下の衣服は黒ぞっき、口元隠すは黒い布。
 クラウスは、厄介事と関わり合いにならない方が良い、と別の道を通ろうとするが、ソフィアは話を聞く前に駆け出して行き、発止と少年を追う男の一人を打った。

「何者だ貴様、無礼であろうっ。我々を誰の護衛だと心得るっ」
「誰であっても関係無いっ。こんな子供を五人掛かりで苛めるなんて酷いじゃないっ」

 と、ソフィアはもう背中の棒を抜いている。遅れてきた二人は狼狽えるばかりであった。閃々と煌めく長剣、月光に鈍い光を映す八角棒、それらはしばらく睨み合っていたが、うおう、と据物斬りの腰、息を含んで斬り掛かる。戛然、八角棒と刃が交わる。
 と、先までいた少年は、いつの間にか身軽なましらの如く民家の屋根に跳び移っており、両手に持っている短剣が光の尾を引いて去って行く。
 護衛達の向こうから何やら声がした。護衛達はさっと道を開け、主人を通した。貴族らしき主人は開口一番、

「何をしているのだ莫迦者めっ。あいつはこの私を殺そうとしたのだぞ、それを返り討ちにしようとしていたのに。きっとあの小僧は、最近殺しをやっているという物盗りに違いない」
「ええっ。で、でも、あんな子供を」
「子供でも何でも、私を殺して金を奪おうとしたのだぞ。今後もし私が殺されたらどうしてくれるのだっ。腹の虫が収まらん、この平民ヴァイシャを斬り捨ていっ」
 
 血に飢えた護衛共は長剣を吹雪のように煌めかせてクラウス達に向かっていった――が、ふわりと仙人の如く木の上から降りて来て、その間に割って入った人影がある。月明かりに照らされる白皙、透き通るような美白の肌を持つ青年は、思わずその場にいた全員の視線を吸収した。青年はリー・フェイロンであった。
 フェイロンは、クラウス達と貴族の護衛達を見て、彼を象徴する微笑みを浮かべ、貴族の方に向かって、

「やあこんばんは。君は確か、入港事務管理局の局長さん、だったよね? 俺、この間さ、ご禁制の品を見つけた君が、金貨の沢山入った袋を貰ってるのを見たんだよね。見間違いじゃないと良いんだけど」
「な、何を言っているのだ」
「後ね、夜な夜な色んな商人の家に行って、お土産を貰ってるよね? ほら、その箱だよ」
「…解った。私も君も何も見ていない。それで良いだろう。おい、者共、帰るぞ」

 護衛共は不服そうな表情ではあるが、不承不承、銀色の光を鞘に納めて、足早に去って行く主人を追った。
 フェイロンは微笑みを崩さず、クラウス達に向き直った。その黒曜石のような瞳、青い月が照らす凜妙たる姿は見る者の眼を奪う。
 夜に舞い降りた一つの白光のようなフェイロンを見て、クラウス達は言葉も出なかった。どうして此処にいるのか、何故貴族が賄賂《まいない》を受け取っているのを知っているのか、様々な感情と疑問が頭を逡巡していた。

 フェイロンは、何も言わないクラウス達を見て、しだれ柳の如くしなやかな痩躯を街路樹に預け、星空を見上げている。満天の星は小一時間前と全く変わらず、海沿いの涼やかな大気に宝石のように輝いている。
 フェイロンの方から口を開いた。

「綺麗だよね。こうやって空に輝く星全部が生きていて、もしかすると生き物がいる星もあるかもしれないんだよ。さっきの騒ぎなんて、これに比べたら随分小さいよね。そう考えると、人間の争いって小さいよね」

 先にウンデルベルクの地下牢で会った時は気が付かなかったが、今こうして、開《ひら》けた場所で聞くフェイロンの声には清々しい語韻があった。低からず高からず、強すぎず弱すぎず、透き通る水のような声である。彼の声は、滔々と淀みなく耳に入ってくる。
 その面《おもて》は玉映のようで神韻縹渺、この世の者ではないと言われても信じてしまいそうである。
 ソフィアが、ようやく一行の沈黙を破った。

「あ…あの、フェイロンさん、助けてくれて有難うございます。お陰で変な騒ぎにならずに済みました」
「ふふふ。お礼は別に良いんだけど…君はさっき、子供を助けようとして割って入ったよね? でも、その子供は貴族を殺そうとしていた」
「そ、それは…大人が子供を殺そうとするなんてって思ったから…でも、子供だからって人殺しは良くないですよね。正義は守らなくちゃ」
「正義…か。じゃあ、その子供が実は、あの貴族、いや身分制度に苦しめられていて、家族を養うために生活のために強盗殺人をしていたとしたら? 不当な取引で値上げされた商品を買うしか無かったら? 」

 ソフィアは俯いて何も言わなくなってしまった。自分がこれまで信じてきた「正義」というものが否定されたような気分になり、頭に重石を乗せられたように悄気てしまっている。
 ソフィアの頭の中で、今まで自分が正義と信じて行ってきた行動が矢継ぎ早に廻っていた。親に打擲されて泣いている子供を助けようと、事情も聞かずに木杖を振るった所、彼は悪さをして仕置されていたこと。狼が可哀想だからと罠から離してやると、それは人食い狼だったこと。
 ソフィアは唐突に投げかけられた疑問と湧いて出て来た悔恨の念に、言葉も出ないようである。

 クラウスは、そんなソフィアを見て呆れたようである。彼をして言わせれば、その日を生きる事が正義であり、他人を助ける事や厄介事は、それをした上での二の次に過ぎないのだ。
 俯くソフィアにクラウスは、溜息をついて近付き、

「全く、事情も聞かずに首を突っ込むなよな。大体お前は、昔からそういう風に無鉄砲に突っ込んで」
「昔からか…。ソフィアさんは、いつもそう無鉄砲なのかい? それなら周りの人達は気の毒だね」
「本当だよフェイロンさん。似たような事が子供の頃から遭って、その度に俺が尻拭いをしていたんだから」

 途端にソフィアの顔が朱泥のように赤くなり、いつ迷惑を掛けたの、と怒り出す。クラウスも滔々と彼女の後先を考えずにした行為を述べて、その度に自分がした後始末を並べる。
 ソフィアは、辞めてよと言わんばかりに首を振り、今度はクラウスの普段の態度をあげつらい始めた。
 そんな似たもの同士の痴話喧嘩には眼もくれず、フェイロンはランレイの前に立った。

 ランレイは彼の姿を見て、何となく懐かしい思いを抱いた。ずっと幼い、記憶も無い歳の頃に会ったような感覚である。シュピーゲルラントの王城の地下牢で邂逅を果たした時に、何ら警戒を抱かなかったのもそれが理由である。
 ランレイは十五という年齢にしては身の丈が低く、フェイロンの鳩尾辺りの高さに彼女の頭がある。フェイロンは自分を見上げる彼女を見て、また優しい微笑みを向け、彼女の頭を撫でた。
 ランレイは、深い関係でもない彼に頭を撫でられたにも関わらず、嫌悪感無く、むしろ感じた事のない幸福感を心の何処かに抱いた。
 フェイロンは、うっとりとしている彼女の恍惚顔に優しく語りかけた。

「良かったねランレイ。君を助けて、一緒に旅をしてくれる仲間がいて。ヤタノ鏡の欠片は後三つ…だったかな? 」
「そ、そうだよ。フェイロンは、どうしてランレイ、助けてくれるか? ランレイ、どうしても、フェイロン思い出せない」
「無理に思い出す必要なんて無い。どうして助けるかって? ふふふ…君の事を愛しているから、かな」
「あい? あいって何か? 」
「友愛、仁愛、性愛、家族愛、情愛。人が誰かを好きになる思いそのものさ。僕が君に持っている感情がその一つさ。今は全然解らないだろうけど、こうやって旅をしていれば、いつか解るよ。誰かを愛する事、自分よりもずっと大切な人を愛する事がね」

 ランレイは、フェイロンの清流のような言葉を遮ること無く聞いていた。彼の声音には、独特の揺らぎがあり、聞く者の精神を落ち着かせる。
 フェイロンは、おいで、とランレイの手を引いて海を臨む欄干まで行った。彼方に見える小島に、土の精霊がいた祠によく似た建物が見える。
 月光を受ける海は銀波を浮かべ、螺鈿細工のように輝いている。夜空は黒絹のようで、無数の宝石を散りばめている。天地は虚空に線を引いて、上下どちらも美しい芸術品となっている。
 クラウスとソフィアは、ようやく下らない口論を終えてランレイ達を追ってきた。フェイロンは振り返って二人を見、

「君達、あの祠に行きたいんだよね? 実は俺、海底にある抜け道を知ってるんだ。何百年も前から使われてないから、今じゃすっかり危険な獣の住処になってるけど」
「行きますっ。ランレイの為ですから。行くよね、クラウス? 」
「ランレイの為、か。話が早くて助かるよソフィアさん。じゃあまた明日、此処で会おうね」

 フェイロンは言い終わると、一行から離れて飄々と何処かに歩いていった。青白い月明かりを受ける後ろ姿には、何処か神秘的なものがあった。
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