おばあちゃんっ子 ーもうこの世界にいないあなたへー

かみつ

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後悔

おばあちゃま

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祖母に聞きました。
「何か食べたい物ない?」

祖母はポツリと
「くだもの」
と言いました。

私は果物を探しに病院を出ました。
でも売ってある店を見つけられず、
フルーツゼリーを買って
病室に戻りました。

私が
「食べる?」
と聞くと

祖母は小さく首をふりました。



そろそろ帰る時間になりました。

私はどうしても
「おばあちゃん」
と一言呼びたかった。

祖母の手を握り
「おばあちゃま」
と言いました。

最後に照れ臭さが入りました。
ちゃんと呼べませんでした。

帰り際に私は
「梅の砂糖付け作るから、
出来たら持って来るね」

そう言って帰りました。

祖母が毎年作ってくれていた
梅の砂糖付け。
それを水割りで飲むと
梅酒のようになるのです。

その約束は守れませんでした。

病室を出る私を
祖母の優しい視線が見送ってくれました。
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