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第一章:アマテラス学園~入学式~
第四話
しおりを挟む「まあ理解していらっしゃらないようですから教えて差し上げますわ。先程わたくしは、規則を守っていないと、言いましたわね。合格者について異論をとなえた貴女方は、皇帝陛下に異論をとなえるのと同義ですわ。」
これだけ話してもまだ信じられないのか、スリートリオは訝しむような視線を向けてきた。近くで見守っていた女子生徒もびっくりしたような顔になっていた。まぁ、このことはアマテラス学園でも知っている人は生徒会ぐらいだから。知らないことを話されたらびっくりするよね。
「でも御安心なさって貴女方のしたことは、しっかり伝えておきますから。ああそうでした、ご挨拶がまだでしたわね。改めましてシスティーナ・リュ・バーグラインと言いますわ。」
スリートリオは名前を聞いたところで、一気に顔を青ざめさせた。女子生徒は、さっきボタンの色を見たからかあまり驚いていなかった。
「バっ!?バーグラインって、こっ公爵家…も申し上げございません。まさかバーグライン公爵家のご令嬢だったとは思わずさっ先程までのこっことに関しましては許しては、くださらないでしょうか?」
ガタガタと震えながら謝る姿は、とても侯爵家の令嬢とは思えなかった。リーダーに続いてベロア、ビロードが平伏し始めた。
「「ごめんなさい」」
システィーナは表情を変えることなく依然としてスリートリオに対して厳しい表情を保っていた。
「では、アマテラスから即刻出て行ってくださらない。」
スリートリオは首がもげるんじゃないかというほど勢いよく首を縦に振った。
「話しをつけておきますから、貴女方はそのままご自分の家に帰ってくださいな。」
システィーナが言い終えるとスリートリオは直ぐさまこの場から去ろうとした。今現在震えているスリートリオ達からはさっきまでの偉そうな態度は微塵も感じられなかった。
「待ってくださる。謝る相手が違いますわ。」
スリートリオはすぐに理解したのか女子生徒にばっと振り返り頭を下げた。そして震えながら謝り始めた。そのリーダーの変わりように一部始終を見ていた周りの生徒達は驚き信じられないものを見るようにリーダーを見ていた。
「あっあの先程は申し上げございませんでした。すっすぐにアマテラスから出て行きますので許しては、くれないでしょうか?」
「「本当にごめんなさい」」
「はい。バーグライン様が言ってくださったので謝罪を受け入れます。」
「ありがとうございます。」
スリートリオはシスティーナと女子生徒に感謝を告げると今度こそ去って行った。
※・※
(解説)
・クロリアス帝国の貴族だと,分かるように名前に〖リュ〗がつく。
・主人公以外の名前で、例えると,
ベルベット・リュ・クローネンベルク
という感じに、自国の貴族か、他国の貴族かがわかる。
親しい間がらではない人は、家名で呼ぶ。
※・※
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