迷宮の星

リーア

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38話

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 馬鹿にしたような笑顔のまま、太陽が言った言葉に地球は困惑していた。

 冥王星をさらった?

 でも、冥王星がさらわれたのは自分のせいで……

 自分は太陽に何かしてしまったのだろうか?

 地球のループし始める思考を読んだかのように、太陽がせせら笑うのが聞こえた。

「そう言えばね、迷宮の中には幻影の間という、幻を見せる場所があるんだ。君や天王星があんなことになるんだから、凄い場所だよね~」

 幻影の間?幻?

 地球に、今の自分がまともな考えを持てていないと言う自覚はある。

 だが、もしかしたら、もしかしたら、自分のせいではなかったのかも知れない。

 もしかしたら、あの穴のあった広場で見た光景は幻だったのかもしれない。

「あの広場の怖いところは、一番見たくて・・・・・・、同時に一番見たくない・・・・・・・ものを見せるところらしいからね~」

 あざ笑うような声に、地球はあの光景を見たときのことを思い出した。

 あの時、自分が知りたかったのは冥王星の無事だった。そして、同時に最悪の場合を恐れていた。

 徐々に落ち着き始めた頭で、地球はある結論に辿り着いた。

 これは全て罠だった。何のためなのかは知らないが、少なくとも自分達が迷宮に入るようにするための罠だった。

「な、なんで?」

 なぜ、冥王星だったのか。なぜ、自分達を迷宮に閉じ込めたのか。

 地球が絞り出した質問に、初めて太陽の表情が変わった。

「何故、か。何でだろうね。僕も、長いこと考えてなかったな」

 遠くを見るような目をした太陽が言った。
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