迷宮の星

リーア

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36話

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「ん、うん……」

 壁沿いに横になっていた地球がうめき声を上げると、金星達3人がハッとそちらに顔を向けた。その視線の先の地球は、まだ意識がハッキリとはしないようで、少しフラフラしながら上半身を起こしていた。

「だ、大丈夫か?」

 金星が問いかけると、「だいじょーぶ」と、少し眠そうな声で地球が返した。

「あ、れ……月は?」

 辺りを見回しながら地球が聴いたが、天井が崩れたことでふさがれた道と、自分の手の中にある簪を見て、何があったのか思い出したようだ。

 パッと、立ち上がるが、すぐによろめく。
 壁に体を預け、荒い呼吸を繰り返す。その呼吸を整えるように、金星がトントンと軽く地球の背中を叩いた。

「とりあえず進もうよ」

 呼吸が大分落ち着いたときに地球が言った。

 全くの正論ではあったのだが、それでも周りは反対する。
 呼吸が落ち着いたとはいえ、地球の調子が良くないのは一目瞭然だった。

 だが、いくら地球の体調が良く見えないと言っても、地球は休むことに反対する。

 そんな地球が休むことに同意したのは、火星が疲れた、休みたいと言ったからだ。

 自分のことを顧みないこともある地球も、自分以外の人の為であれば、意にそぐわないことであっても、首を縦に振ることがあるのだと、3人は再確認させられた。
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