迷宮の星

リーア

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17話

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 月の手にともった青みがかった白い光に照らされた地面に、足跡のような物が光っている。光がともっている月の左手は、指先から指の付け根にかけて光と同じ、青みがかった白いカースが覆っている。

 相当奥まで入っていない限り、ルミナスが戻れなくなることはないだろうと、太陽がボソッと言っていたので、皆かなり奥に入ることは覚悟していた。

 足跡が残っていたことは幸いと言うべきなのだろうか、道に迷うことはない。

 しばらく歩いていると、一番前を歩いていた金星が急に止まった。そのまましゃがみ込む。

「どうしたの?」

 地球が聞くと、金星がチョイチョイと手招きをした。

「ここ、さっきより足跡の間隔が開いてるだろ」

 金星が言うと、みんな金星が指さす先を見た。言われないと気付かないが、足跡の感覚が確かに変わっている。こう変わっていると言うことは、

「走ってたんですね!」

 敬語だが、月よりもハキハキした口調の火星が言った。そして、褒めてとばかりに周りを見た。相手にはされなかったが。

「1人増えてますね」

 いつの間にか4人を追い越していた月が言った。まだ光っている左手を掲げたままの状態で地面を見ている。月が見ている足跡の上にはなにか重い物が引きづられた跡がある

 地面にある足跡に続いて進んでいると、広い場所に出た。

 月の手にともっている光以外に光源はなかったのだが、先ほどまで進んでいた道よりずっと明るい。と思っていると、少し暗くなった。月が掲げていた手を下ろしている。これほど明るいと光をともす必要はないと判断したらしい。既に手首まで覆っているカースを見て少しガッカリしたような顔をしていたのは何故だろう。

 目の前の光景に地球は息をのんだ。

 目の前に広がっていたのは大きく口を開けている穴だった。
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