迷宮の星

リーア

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11話

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「なんで私達がいればここに入って良かったの?」

 まだ不満げな顔をしている木星がルミナスに聞くと、ルミナスは少し言葉に迷ったかのように、時間をおいてから答えた。

「元々入ってはいけない理由が、壁とか、天井とかが崩れやすくて危ないからだからね。木星の属性は植物でしょ?土星は土。壁とかが崩れてきても、その場しのぎの応急処置なら出来そうだから、よ」

 少なくとも生き埋めにはならないでしょ?と、いかにも何でも無さそうな口調で言ったルミナスを、木星はにらみつけた。口調は軽いが、言っていることは木星たちにかなりの責任を負わせている。

「そういうことなら、私と土星だけ出来た方が良かったんじゃない?」

 天王星と海王星の双子は足手まといにしかならないだろう、と伝えたかった木星だが、それを聞いたルミナスは別の解釈を見出したらしい。「ふぅ~ん」と頷くと、にっこり笑って聴いた。

「つまり木星は土星と来たかったってこと?2人で」

 木星はうなずいてから、ふとルミナスの言った意味に気付いた。

「ちっ、違う!そんなことない!」

 顔を真っ赤にして否定する木星を尻目に、ルミナスはクスクス笑いながら、くらい通路を進んでいった。

 しばらく迷宮の名に合わない一本道を進んだ後、最初の分かれ道に到達した。そこから道は急に枝分かれし始め、すぐ2つめ、3つめの分かれ道に突き当たった。

 全ての分かれ道でルミナスは迷うことなく進んでいったが、分かれ道が増えるほどに惑星4人は不安になっていった。

「なあ、これ、他の道を選んだらどうなるんだ?」

 続き続ける道に不安を覚えたのか、海王星がルミナスに聴いた。

「全部見たわけじゃないからはっきりとは言えないけど、落とし穴だったり、行き止まりだったりするわよ」

 だから他の道の先に冥王星がいれば気配で分かるわ、とにっこり笑って言うルミナスに、海王星はありがとう、とだけ言うと、少し後ろにいる天王星の所へ帰って行った。先程ルミナスが言ったことを伝えに行ったのだろう。

 そのまま進んだ先、6,7つめの分かれ道でのことだった。
 全員、ハッと身を固くした。片方の分かれ道から、よく知った気配が感じられたのだ。
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