11 / 39
11話
しおりを挟む
「なんで私達がいればここに入って良かったの?」
まだ不満げな顔をしている木星がルミナスに聞くと、ルミナスは少し言葉に迷ったかのように、時間をおいてから答えた。
「元々入ってはいけない理由が、壁とか、天井とかが崩れやすくて危ないからだからね。木星の属性は植物でしょ?土星は土。壁とかが崩れてきても、その場しのぎの応急処置なら出来そうだから、よ」
少なくとも生き埋めにはならないでしょ?と、いかにも何でも無さそうな口調で言ったルミナスを、木星はにらみつけた。口調は軽いが、言っていることは木星たちにかなりの責任を負わせている。
「そういうことなら、私と土星だけ出来た方が良かったんじゃない?」
天王星と海王星の双子は足手まといにしかならないだろう、と伝えたかった木星だが、それを聞いたルミナスは別の解釈を見出したらしい。「ふぅ~ん」と頷くと、にっこり笑って聴いた。
「つまり木星は土星と来たかったってこと?2人で」
木星はうなずいてから、ふとルミナスの言った意味に気付いた。
「ちっ、違う!そんなことない!」
顔を真っ赤にして否定する木星を尻目に、ルミナスはクスクス笑いながら、くらい通路を進んでいった。
しばらく迷宮の名に合わない一本道を進んだ後、最初の分かれ道に到達した。そこから道は急に枝分かれし始め、すぐ2つめ、3つめの分かれ道に突き当たった。
全ての分かれ道でルミナスは迷うことなく進んでいったが、分かれ道が増えるほどに惑星4人は不安になっていった。
「なあ、これ、他の道を選んだらどうなるんだ?」
続き続ける道に不安を覚えたのか、海王星がルミナスに聴いた。
「全部見たわけじゃないからはっきりとは言えないけど、落とし穴だったり、行き止まりだったりするわよ」
だから他の道の先に冥王星がいれば気配で分かるわ、とにっこり笑って言うルミナスに、海王星はありがとう、とだけ言うと、少し後ろにいる天王星の所へ帰って行った。先程ルミナスが言ったことを伝えに行ったのだろう。
そのまま進んだ先、6,7つめの分かれ道でのことだった。
全員、ハッと身を固くした。片方の分かれ道から、よく知った気配が感じられたのだ。
まだ不満げな顔をしている木星がルミナスに聞くと、ルミナスは少し言葉に迷ったかのように、時間をおいてから答えた。
「元々入ってはいけない理由が、壁とか、天井とかが崩れやすくて危ないからだからね。木星の属性は植物でしょ?土星は土。壁とかが崩れてきても、その場しのぎの応急処置なら出来そうだから、よ」
少なくとも生き埋めにはならないでしょ?と、いかにも何でも無さそうな口調で言ったルミナスを、木星はにらみつけた。口調は軽いが、言っていることは木星たちにかなりの責任を負わせている。
「そういうことなら、私と土星だけ出来た方が良かったんじゃない?」
天王星と海王星の双子は足手まといにしかならないだろう、と伝えたかった木星だが、それを聞いたルミナスは別の解釈を見出したらしい。「ふぅ~ん」と頷くと、にっこり笑って聴いた。
「つまり木星は土星と来たかったってこと?2人で」
木星はうなずいてから、ふとルミナスの言った意味に気付いた。
「ちっ、違う!そんなことない!」
顔を真っ赤にして否定する木星を尻目に、ルミナスはクスクス笑いながら、くらい通路を進んでいった。
しばらく迷宮の名に合わない一本道を進んだ後、最初の分かれ道に到達した。そこから道は急に枝分かれし始め、すぐ2つめ、3つめの分かれ道に突き当たった。
全ての分かれ道でルミナスは迷うことなく進んでいったが、分かれ道が増えるほどに惑星4人は不安になっていった。
「なあ、これ、他の道を選んだらどうなるんだ?」
続き続ける道に不安を覚えたのか、海王星がルミナスに聴いた。
「全部見たわけじゃないからはっきりとは言えないけど、落とし穴だったり、行き止まりだったりするわよ」
だから他の道の先に冥王星がいれば気配で分かるわ、とにっこり笑って言うルミナスに、海王星はありがとう、とだけ言うと、少し後ろにいる天王星の所へ帰って行った。先程ルミナスが言ったことを伝えに行ったのだろう。
そのまま進んだ先、6,7つめの分かれ道でのことだった。
全員、ハッと身を固くした。片方の分かれ道から、よく知った気配が感じられたのだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます
藤なごみ
ファンタジー
※コミカライズスタートしました!
2024年10月下旬にコミック第一巻刊行予定です
2023年9月21日に第一巻、2024年3月21日に第二巻が発売されました
2024年8月中旬第三巻刊行予定です
ある少年は、母親よりネグレクトを受けていた上に住んでいたアパートを追い出されてしまった。
高校進学も出来ずにいたとあるバイト帰りに、酔っ払いに駅のホームから突き飛ばされてしまい、電車にひかれて死んでしまった。
しかしながら再び目を覚ました少年は、見た事もない異世界で赤子として新たに生をうけていた。
だが、赤子ながらに周囲の話を聞く内に、この世界の自分も幼い内に追い出されてしまう事に気づいてしまった。
そんな中、突然見知らぬ金髪の幼女が連れてこられ、一緒に部屋で育てられる事に。
幼女の事を妹として接しながら、この子も一緒に追い出されてしまうことが分かった。
幼い二人で来たる追い出される日に備えます。
基本はお兄ちゃんと妹ちゃんを中心としたストーリーです
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しています
2023/08/30
題名を以下に変更しました
「転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきたいと思います」→「転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます」
書籍化が決定しました
2023/09/01
アルファポリス社様より9月中旬に刊行予定となります
2023/09/06
アルファポリス様より、9月19日に出荷されます
呱々唄七つ先生の素晴らしいイラストとなっております
2024/3/21
アルファポリス様より第二巻が発売されました
2024/4/24
コミカライズスタートしました
2024/8/12
アルファポリス様から第三巻が八月中旬に刊行予定です
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
王国冒険者の生活(修正版)
雪月透
ファンタジー
配達から薬草採取、はたまたモンスターの討伐と貼りだされる依頼。
雑用から戦いまでこなす冒険者業は、他の職に就けなかった、就かなかった者達の受け皿となっている。
そんな冒険者業に就き、王都での生活のため、いろんな依頼を受け、世界の流れの中を生きていく二人が中心の物語。
※以前に上げた話の誤字脱字をかなり修正し、話を追加した物になります。
サーマルカメラの切ない恋
さんかく ひかる
恋愛
みんながあたしを無視するの。
でもあの人だけは違った。だからあたしは彼を好きになった。
オフィスの狭い一室で、毎晩、彼と二人きりで過ごす。
あたしは彼に逆らえない。彼の疲れをいやしてあげたい。
彼は、43歳の冴えないサラリーマンだったけど。
あたしは、ビルの入り口に立つ、ただのサーマルカメラだったけど。
ビルの入り口で人の表面温度を測ってくれるサーマルカメラが、カメラを設置したおじさんに恋する、切ないオフィスラブです。
おじさんを巡って、カメラを含めた三人の女性の恋が絡み合います。
なお、ここに出てくる感染症やカメラは完全にフィクションです。
第16回恋愛小説大賞エントリーしました。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
覆面バーの飲み比べで負かした美女は隣国の姫様でした。策略に嵌められて虐げられていたので敵だけど助けます。
サイトウ純蒼
ファンタジー
過去の戦で心に傷を負った男ロレンツが通う『覆面バー』。
そこにお忍びでやって来ていた謎の美女アンナ。実は彼女は敵国の姫様であった。
実はそのアンナの国では国王が行方不明になってしまっており、まだ若き彼女に国政が任されていた。そしてそんなアンナの周囲では、王家の座を狙って彼女を陥れようとする様々な陰謀や謀略が渦巻く。
覆面バー。
酒を飲みながら酔ったアンナがロレンツに言う。
――私を、救って。
ロレンツはただひと言「分かった」とそれに答える。
過去、そして心に傷を負った孤高の剣士ロレンツが、その約束を果たすために敵国へ乗り込む。
トップ冒険者の付与師、「もう不要」と言われ解雇。トップ2のパーティーに入り現実を知った。
空
ファンタジー
そこは、ダンジョンと呼ばれる地下迷宮を舞台にモンスターと人間が暮らす世界。
冒険者と呼ばれる、ダンジョン攻略とモンスター討伐を生業として者達がいる。
その中で、常にトップの成績を残している冒険者達がいた。
その内の一人である、付与師という少し特殊な職業を持つ、ライドという青年がいる。
ある日、ライドはその冒険者パーティーから、攻略が上手くいかない事を理由に、「もう不要」と言われ解雇された。
新しいパーティーを見つけるか、入るなりするため、冒険者ギルドに相談。
いつもお世話になっている受付嬢の助言によって、トップ2の冒険者パーティーに参加することになった。
これまでとの扱いの違いに戸惑うライド。
そして、この出来事を通して、本当の現実を知っていく。
そんな物語です。
多分それほど長くなる内容ではないと思うので、短編に設定しました。
内容としては、ざまぁ系になると思います。
気軽に読める内容だと思うので、ぜひ読んでやってください。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる