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新企画立案 10
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ミーティングから10日後、1号店で弁当企画がスタートした。ランチタイムと異なり、動きが読めないし、メニューについてもそれは同じだ。きちんと話していても、新企画は実際にやってみなければ分からない。今回もランチタイムの時と同様、事前に告知しており、その規模は前回通りだった。スタッフは2号店からも応援を頼んだ状態になったが、空振りに終わらないことを心の中で願っていた。
ターゲットはランチタイムと重なるので、同じように11時からにした。換気の意味も込め、入り口は開放してあり、軒先に少しテーブルを出すという状態だ。ただ、今回の弁当企画の場合、なるべく作り立てを提供するというコンセプトのため、作り置きしたものを並べることはしない。商品見本は各1品ずつ並べるが、実際の弁当は注文が入ってからとしている。
私には心配している点が一つある。それは客が重なった時、うまく対応できるか、ということだ。ランチタイムが短期決戦ということは体験しているが、弁当企画も同じターゲットというところから、この点が懸念されるのだ。
そういう心配をしながらオープンしたわけだが、弁当を求める客はランチタイムよりは早く動いた。12時を少し回ったところから急に忙しくなるランチタイムに比べ、弁当の場合、12時前から来店者が訪れ、作っている間に何人か並んだ。それがまた集客へとつながったのか、思った以上の流れになった。ランチタイムで訪れる人はその様子に驚くケースもあったが、両者が重なる時間は思ったよりも短く、結果的に何とかこなせる状態だった。
それでも慣れない動きになったので、変な緊張感を感じていた。でも、暇だったり、企画倒れになるようではメンタル面でのダメージが心配される。肉体的には忙しくても、営業をきちんと継続するための忙しさと考えれば苦にならない。そう思えるのも癒しがあるからかとも考えながら身体を動かしていた。
良い意味でなかなか気が抜けない昼の時間のピークが過ぎたが、この日も1時15分ごろ相沢が来店した。すでに席の大半は空いており、ゆっくり座ってもらうことができた。弁当ではなく、ランチタイムの客としての来店だが、私の予想通りだった。
ランチタイムスタートの時も気遣ってもらい、様子を確認に来店した相沢だが、今回も同様だった。
「どうだった? 弁当企画。気になったのでまたこの時間にお邪魔したよ」
「ありがとうございます。いつもお気遣いいただいて・・・。おかげさまで思ったよりも盛況でした。それが本物かどうかはしばらく様子を見なければいけませんが、感触としてはやって良かった、という状態でした」
「そう、良かったね。メニューをランダムに掲載するより、統一感を持たせた方が客目線として選びやすい。それぞれの好みの傾向があるからね。系統別に掲載することでダイレクトにお客様の心に響きやすいと思うよ。ランチタイム同様、日替わりとレギュラーメニューの設定も良いと思うけれど、そのレギュラーメニューも時々少しずつ変えることも良いだろうね。そして以前のメニューは復刻版としてまたやれば良い。定番として残す部分と、目新しさをうまくミックスして表示するといいと思うよ」
また新たなアイデアをいただいた、と私は感謝した。相沢はいつもの感じでオーダーし、いつも通り、「美味しかった」という言葉を残した。
レジに立った時、私はお礼の意味を込め、サイドメニューの分だけ値引きさせてもらった。すべてとなれば相沢の性格上、来店しにくくなるだろうと考えてのことだが、そのまま何もせずに帰すわけにはいかない、という思いからのことだった。一旦は断った相沢だが、私の表情を見て今回だけはということでその申し出を受けてくれた。
ターゲットはランチタイムと重なるので、同じように11時からにした。換気の意味も込め、入り口は開放してあり、軒先に少しテーブルを出すという状態だ。ただ、今回の弁当企画の場合、なるべく作り立てを提供するというコンセプトのため、作り置きしたものを並べることはしない。商品見本は各1品ずつ並べるが、実際の弁当は注文が入ってからとしている。
私には心配している点が一つある。それは客が重なった時、うまく対応できるか、ということだ。ランチタイムが短期決戦ということは体験しているが、弁当企画も同じターゲットというところから、この点が懸念されるのだ。
そういう心配をしながらオープンしたわけだが、弁当を求める客はランチタイムよりは早く動いた。12時を少し回ったところから急に忙しくなるランチタイムに比べ、弁当の場合、12時前から来店者が訪れ、作っている間に何人か並んだ。それがまた集客へとつながったのか、思った以上の流れになった。ランチタイムで訪れる人はその様子に驚くケースもあったが、両者が重なる時間は思ったよりも短く、結果的に何とかこなせる状態だった。
それでも慣れない動きになったので、変な緊張感を感じていた。でも、暇だったり、企画倒れになるようではメンタル面でのダメージが心配される。肉体的には忙しくても、営業をきちんと継続するための忙しさと考えれば苦にならない。そう思えるのも癒しがあるからかとも考えながら身体を動かしていた。
良い意味でなかなか気が抜けない昼の時間のピークが過ぎたが、この日も1時15分ごろ相沢が来店した。すでに席の大半は空いており、ゆっくり座ってもらうことができた。弁当ではなく、ランチタイムの客としての来店だが、私の予想通りだった。
ランチタイムスタートの時も気遣ってもらい、様子を確認に来店した相沢だが、今回も同様だった。
「どうだった? 弁当企画。気になったのでまたこの時間にお邪魔したよ」
「ありがとうございます。いつもお気遣いいただいて・・・。おかげさまで思ったよりも盛況でした。それが本物かどうかはしばらく様子を見なければいけませんが、感触としてはやって良かった、という状態でした」
「そう、良かったね。メニューをランダムに掲載するより、統一感を持たせた方が客目線として選びやすい。それぞれの好みの傾向があるからね。系統別に掲載することでダイレクトにお客様の心に響きやすいと思うよ。ランチタイム同様、日替わりとレギュラーメニューの設定も良いと思うけれど、そのレギュラーメニューも時々少しずつ変えることも良いだろうね。そして以前のメニューは復刻版としてまたやれば良い。定番として残す部分と、目新しさをうまくミックスして表示するといいと思うよ」
また新たなアイデアをいただいた、と私は感謝した。相沢はいつもの感じでオーダーし、いつも通り、「美味しかった」という言葉を残した。
レジに立った時、私はお礼の意味を込め、サイドメニューの分だけ値引きさせてもらった。すべてとなれば相沢の性格上、来店しにくくなるだろうと考えてのことだが、そのまま何もせずに帰すわけにはいかない、という思いからのことだった。一旦は断った相沢だが、私の表情を見て今回だけはということでその申し出を受けてくれた。
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